『妖怪学新考 妖怪からみる日本人の心』『私と20世紀のクロニクル』『ケンブリッジの卵 回る卵はなぜ立ち上がりジャンプするのか』

本日の読みたい本・おすすめ版(2007年7月あたり)。

★『妖怪学新考 妖怪からみる日本人の心』(小松 和彦 著/洋泉社/1,785円)【→amazon
著者の学問研究の原点には、若き日の学生運動の体験がある。排除されたものへの共感と研究テーマとしての日本文化の中にあり続けた「闇の精神世界」が結合したのである。そのことが、「神」として祀られる存在がある一方で、祀られていない存在としての「妖怪」を発見することになる。さらに、学問研究の中心は「神」への関心が高いが、「妖怪」は研究の価値すら認めないアカデミズムへの批判にも繋がった。しかし、著者は、その原点を凌駕し、独自の人類学的な民俗研究を基礎に、好ましくない「超自然的な力や存在」である妖怪を研究することが、日本人の精神構造を理解する上で重要な学問的方法であることを提唱する。デビュー作『神々の精神史』以来、着実に積み重ねてきた「小松妖怪学」の基本テキスト。
私と20世紀のクロニクル

私と20世紀のクロニクル

★『私と20世紀のクロニクル』(D.キーン 著 角地 幸男 訳/中央公論新社/1,680円)【→amazon
ニューヨーク・ブルックリンで過ごした少年時代、戦雲迫るなかで没頭した『源氏物語』、一人の日本兵もいなかったキスカ島、配給制下のケンブリッジ、自動車の姿もまばらだった京都の街、日本で出会った終生の友、三島由紀夫の自決のあとさき、『日本文学の歴史』『百代の過客』『明治天皇』…そして現在の生活。85歳の今、思い出すことのすべて。
ケンブリッジの卵―回る卵はなぜ立ち上がりジャンプするのか

ケンブリッジの卵―回る卵はなぜ立ち上がりジャンプするのか

★『ケンブリッジの卵 回る卵はなぜ立ち上がりジャンプするのか』(下村裕/著/慶応義塾大学出版会/2,100円)【→amazon
コロンブスは知っていたのだろうか。ゆで卵をテーブルに置いて速く回すと、卵はやがて立ち上がる。そして、さらに高速で回すと、卵はテーブルからひとりでにジャンプするという…。