音楽・インディーズ業界を中心に売れる・売れないについて

 これは以下の日記の続きです。
もう世の中の人間は、売れているものしか買わない
 
 いろいろ面白い意見があったのでご紹介だけしておきます。
(コメント欄)
(ブックマーク)
 ↑これらのほうはまだいろいろ増えるとして、独自エントリーでトラックバックいただいたテキストを。
 
KAZAANATOMY - 恐竜の首と尻尾の間にとりのこされたインディーズミュージック

僕の周りのバンド好きな友達を勝手に例としてあげてみます。僕の友達、ごめん。
(中略)
上記に示したサクセスストーリーって、いわゆるリア充の香りがしませんか?基本的にバンドとか、夏フェスとか、文化祭とか、キーワードの時点でリア充なんですよ。ネットとは相性が合わないとは言い切りませんが、それほどネットを使って何かしてやろうという機運は起こりにくい。

 ↑バンドとネットの相性の悪さとかいろいろ。
震撼書店員の日々 - 2007-09-09

売れているものが面白いとは限らないのに、何故か売れるのはベストセラーばかり。売れている本が読みたいのか、面白い*1本が読みたいのか?

 ↑これは新刊書店員のかたの現場のご意見。他の日記テキストも興味深いものが多いです。
自由に歩いて愛して - 私も「生活者」に入れてください

映画が好きだから配給会社に、本が好きだから出版社に、音楽が好きだからレコード会社に行くんじゃないの?だったら、出版社とかレコード会社の中の人も、これはじぶんが面白いと思うものを売るようにするというので、状況が変わったりはしないのかな?

 ↑引用テキストは後半からですが、前半の「生活者」「売れているものしか興味がないし買わないし見ない」人の話も面白いです。
ええ、もちろん、卵は武器になります。攻撃力は軽微です。 - 「もう世の中の人間は、売れてないものにはお金を払わない」…が正解だと思うんですが。

確かにインディーズはじめマイナーなものが「売れない」時代にはなったとは俺も思うんですけど、決してそれが「注目されない」ってことじゃないんだと思うんです。

 ↑エントリーの見出しが心に痛いです。
くだらない踊り方 - 世の中の人間は売れているものしか買わないわけじゃない

「インディーズ系のCD」だけが「危機的状況」にあるわけではない。
そもそも発端は音楽産業そのものの不振だ。
(中略)
少なくてもCDに関しては、世の中の人間は売れているものしか買わないわけじゃない。
というか、世の中の人間はそもそも買わないんだ。CDを。
 
それは、まあ、雑誌売れないね。車売れないね、というのと、あんまり変わらない。
多様化、情報過多、供給過多、そもそも購買層の人口減ってるし当たり前じゃん。という変わりばえのしない話にしかならないわけで。

 ↑これは「音楽産業」からさらに「一般産業」まで含めての話というか。モノ作っている側と買っている側のバランスがどうも悪くなっているというのが、○○売れない、みたいな形になってて、それは構造的なもので、メジャーのCDだって売れてない、という状況に。
 ちょっと「車」まで含めた一般産業まで話を広げるのは難しいんですが、本・映画・音楽、と、私的に考えている「娯楽産業」に流れている金って、確かに全体的に落ちている気がする。映画はそんなでもないのかな。しかし本(書籍)と音楽(CD)の売り上げはなんかずっと前年割れのイメージがある(すみません、もう少し調べてみます)。
 ちょっと前までは中古市場やケータイに客を取られちゃって、みたいな感じが、特に本に関してはあったんですが、今は中古市場もどうなんだろうなぁ。ちょっと前の本、半額とか100均でも読まれなかったり。映画はDVDでいつでも昔のものが見られる状況にあるにもかかわらず、レンタルDVDで回転するのは「新作」「ちょっと前の新作」「新作のシリーズものの過去作品・関連作品」だけ、みたいなイメージがある*1
 本の場合はさらに言うと、売れているものは売れている(ベストセラー本はちゃんとある)わけなんですね。発行点数・部数と「売れているもの」の比率とかが悪くなっているとか、一生懸命宣伝しないと(「これは売れてます」みたいな告知を、書店の店頭でしないと)売れないとか、問題はあるんでしょうが。
 しかしぼくが「読みたい本」でベストセラーになったようなものはあまり多くない。50点に1点ぐらい? 実際に読んで面白かった本もけっこうあるんだけど、それはどの程度売れているんだろう。アマゾンの売れ行き順位を見ればいいのか*2
 
(追記)
 以下のテキストは「オタク系インディーズ」について語っていて、これもまた興味深いです。
ロリコンファル - サブカル系インディーズ音楽とオタク系インディーズ音楽

(追記)
「(追記:2000〜2002年では)インディーズ市場は伸びているのでは(特に、メジャー市場の落ち込みと比べて)」というコメント欄の指摘&リンクもありましたので(http://www.ohmynews.co.jp/news/20070911/14986)そこらへん別のデータなどくわしいことを知りたいと思いました。
 
 これは以下の日記に続きます。
「世の中の人間は、売れているものしか買わない」なんて、ただの見出しの演出です
  

*1:これは、ディズプレイから受けるイメージだけで、実際には旧作もそれなりに回転しているのかな。そういうのにくわしい人がいましたら、ちょっと発言を参考に自分の意見を訂正するかも知れません。

*2:ちょっと「アマゾンの順位」もリアル書店の売れ行き順位とは微妙に違ってたりはしますが。