また謎の「試薬」が登場
以下の記事から。
→＜劣化ウラン弾＞被ばく状況の確認に成功 米英の研究者（毎日新聞） - Yahoo!ニュース
＜劣化ウラン弾＞被ばく状況の確認に成功 米英の研究者
12月6日1時11分配信 毎日新聞
【ニューヨーク小倉孝保】劣化ウラン弾の健康被害を調べている米英の研究者が５日、これまで困難とされてきた劣化ウランの被ばく状況の確認に成功したと発表した。研究者は調査で用いた新技術を、湾岸戦争（１９９１年）などでの劣化ウラン弾による被ばくの調査に活用すべきだと主張している。
調査したのは英レスター大地質学部のランドール・パリシュ教授をリーダーとする研究者７人。米ニューヨーク州オールバニ郊外で５７〜８４年に米軍用劣化ウラン弾などを製造していた「ナショナル鉛産業」の元工場労働者５人と周辺住民１８人の計２３人の被ばく調査を実施した。特別な試薬を使って２３人の尿を分析した結果、元労働者５人の尿から１リットル当たり６３．７ナノグラム〜１２２ナノグラムのウランを検出した。周辺住民は０．９１〜５．４２ナノグラムだった。
パリシュ教授らによると、劣化ウランの被ばく状況については英国政府が湾岸戦争帰還兵を対象に調査した例などがあるが、劣化ウラン弾が原因とみられる被ばくの数値は確認されなかった。２０年以上前に工場で働いていた元労働者からウランが検出されたことで、パリシュ教授らは「この技術を利用すれば湾岸戦争などの被ばく調査にも役立つはずだ」と話している。
工場は、周辺にウランの微粒子が飛散していたことが分かったため、裁判所の命令を受けて８４年に閉鎖され、その後、跡地の除染が実施された。元労働者や周辺住民に健康被害が発生しているとされるが実態は不明で、パリシュ教授らは調査した２３人の健康状態について明らかにしていない。
劣化ウラン弾は湾岸戦争、コソボ紛争（９９年）、イラク戦争（０３年）などで使用された。最終更新:12月6日1時11分
この記事にある「特別な試薬」が何であるのか、またそれは単に「ウラン」ではなく「劣化ウラン」、要するに「ウラン235の含有率が天然ウランより低いもの」だったのか、この記事を見る限りでは不明だったのでもう少しくわしく知りたいところ。
いちおう、以下のもので検索。
→parish Leicester depleted uranium - Google 検索
このあたりが元ネタか。
→Poison From Depleted Uranium Munitions Site LingersNew study shows people who lived near or worked at former munitions factory in Colonie have depleted uranium in their bodies - CommonDreams.org
これは報道なので、プレスリリースが見たいところ。どなたか見つけたら教えてください。
あと、リンクが切れているが残念なんですが、過去にこんなテキストなど。
→指の欠損している子供の父親＆退役軍人の「ジェラルド・マシュー」さんの尿からは本当に劣化ウランが検出されたのか
→「原子力のすべて」（リンク切れ）
肺に取り込まれた可溶性のUは、その90％が24時間以内に、残りは数週間で血液を経由して尿として排泄され、数％が骨に残る。通常、Uの尿中排泄量は0.04−0.5μg/リットルであるので、骨中DUの尿中排泄は、この量の変動によって検出することができる。
1μg（マイクログラム）＝1000ng（ナノグラム）なので、1リットルあたり40〜500ナノグラムのウランが検出されてもそんなに問題はない（周辺住民の「０．９１〜５．４２ナノグラム」のほうが異常）という感じです。
→イラスト練習帳 塹壕乗り上げ
1999年６月のコソボ戦争終結後、バルカン半島で平和維持活動を行ったドイツ人が劣化ウランによる健康被害を受けていないかどうか関心が集まり、その評価のための研究が実施された。その調査は、コソボや南セルビアといった、劣化ウラン弾が使用された可能性のある地域に住んでいる住民にも対象を拡大して実施された。劣化ウランの潜在的摂取量を判断するため、ボランティア住民の尿中ウラン排泄量および水サンプルをプラズマ質量スペクトロメトリーで測定した。1300以上の尿サンプルが平和維持部隊および曝露されていない対照から採取され、ウラン排泄量の測定に使用された。113の曝露されていない人から採取した尿サンプル分析の結果、ウランの１日排泄量は13.9ngであった。平和維持部隊から採取した1228の尿サンプルを分析した結果、１日排泄量は12.8ngだった。よって、平和維持部隊と対照群ではウラン排泄量がほぼ同じであることがわかった。
まぁ今後の報道の発表を待ちたいところです。報道するのかな。
