『歴史叙述としての映画 描かれた奴隷たち』『ヒトはおかしな肉食動物 生き物としての人類を考える』『日本侠客伝-マキノ雅弘の世界』

本日の読みたい本・おすすめ版(2007年12月あたり)。

歴史叙述としての映画―描かれた奴隷たち

歴史叙述としての映画―描かれた奴隷たち

★『歴史叙述としての映画 描かれた奴隷たち』(ナタリー・Z.デーヴィス/[著] 中条献/訳/岩波書店/3,150円)【→amazon
数千年の昔から続く「歴史を語る」という行為。映画はその新しい手段の一つである。『スパルタカス』、『ケマダの戦い』、『天国の晩餐』、『アミスタッド』、『ビラヴド』。奴隷であるがために自ら記録を残すことのなかった人びとに注目し、かれらの誇り高き姿と抵抗の声を伝えようとした五つの映画作品が、あざやかに分析される。社会史、女性史、文化史、ジェンダー研究、歴史人類学の新しい地平を切り開き、また『帰ってきたマルタン・ゲール』において、自ら映画づくりに関わった著名な歴史家が、想像力と実証、真実と虚構との関係を厳しく吟味しつつ、映画による歴史の語りへの期待を綴る一冊。 ★『ヒトはおかしな肉食動物 生き物としての人類を考える』(高橋迪雄/[著]/講談社/680円)【→amazon
万物の霊長と自ら位置づけてはいるものの、「文明という厚化粧」を剥ぎ取ったときに現れる人類の姿は、「体毛のない一夫一婦制の哺乳類」に過ぎない。そしてヒトの食物獲得戦略や生殖戦略から浮かび上がる特性は、なんとネズミと恐ろしいほど似ているのだ!いったい、ヒトとは何者なのか!?目から鱗の「人類学」。
日本侠客伝―マキノ雅弘の世界

日本侠客伝―マキノ雅弘の世界

★『日本侠客伝-マキノ雅弘の世界』(山田宏一/著/ワイズ出版/1,680円)【→amazon
傑作・名作・凡作・駄作をとりまぜ、260本余を撮りまくったリメーク/創造的反復の名匠。マキノ雅弘監督へのオマージュ。