『イギリスに花開くヘレニズム パルテノン・マーブルの光と影』『音楽業界で起こっていること』『フンボルト 地球学の開祖』

本日の読みたい本・おすすめ版(2008年10月あたり)。

★『イギリスに花開くヘレニズム パルテノン・マーブルの光と影』(西山清/著/丸善プラネット/2,730円)【→amazon
啓蒙時代の後期にあたる十九世紀初頭、大英博物館に「エルギン・マーブル」と呼ばれる一群の大理石像が展示された。駐トルコ大使のエルギン伯がギリシアパルテノン神殿遺跡から持ち帰ったこれらの群像は、ヨーロッパの造形芸術にも大きな影響を与えることになる。大理石群像をめぐる人間模様と、群像の文化的価値を実証的に論じた書。
音楽業界で起こっていること

音楽業界で起こっていること

★『音楽業界で起こっていること』(落合真司/著/青弓社/1,680円)【→amazon
心ときめく音楽が聴きたい!もっとワクワクしたい!でも、音楽業界は瀕死の重症だ。病気の原因は音楽配信だろうか。なぜCDは売れなくなったのだろうか。カバーブームの裏には何があるのか。レコード会社が臆病になった理由とは。音楽を愛するすべてのリスナーのために、音楽業界の病巣にメスを入れる。
フンボルト―地球学の開祖

フンボルト―地球学の開祖

★『フンボルト 地球学の開祖』(ダグラス・ボッティング/著 西川治/訳 前田伸人/訳/東洋書林/5,040円)【→amazon
30代で南北アメリカ大陸(とりわけ、人跡未踏のベネズエラ、コロンビア、ペールの高山地域)を探検し、60代でシベリアや中央アジアを探検したフンボルトは、地質学から自然地理学、動物学、植物学にいたるまで、あらゆる学問分野に影響を及ぼし、気象学や海洋学、植物生態学など、その後の近代科学の生みの親となり、さらには国境を越えた科学者の組織化や情報交換、広範囲に及ぶ地磁気共同観測の実現に奔走し、後進の育成にも尽力した。ゲーテやフリードリヒ・ガウスと親交を保ち、チャールズ・ダーウィンをして「フンボルトの著書を読んで」自分の人生の方向が決まったと言わしめるほどの影響を与えた。この巨大な地球人の生涯をあまねく描写。

読みたい本・次点。
『巨人軍に葬られた男たち』(織田淳太郎/著/宝島社/540円)
『江戸三百藩大名100選 江戸時代の全国の大名を一挙100名紹介!!』(清水昇/[著]/リイド社/550円)
『オーケストラの経営学』(大木裕子/著/東洋経済新報社/1,680円)
『六十一歳の大学生、父野口富士男の遺した一万枚の日記に挑む』(平井一麦/著/文芸春秋/945円)
『論争若者論』(文春新書編集部/編/文芸春秋/777円)
『プロレス「リングとカネ」 暗黙の掟を破った男たち』(別冊宝島編集部/編/宝島社/460円)
『マイルスからはじめるJAZZ入門』(後藤雅洋/著/彩流社/1,680円)
『マリー・アントワネットの「首飾り事件」』(アンタール・セルプ/著 リンツビヒラ裕美/訳/彩流社/3,150円)
『マリリン・モンローの最期を知る男』(ミシェル・シュネデール/著 長島良三/訳/河出書房新社/2,940円)
『マンガのなかの〈他者〉』(伊藤公雄/編/臨川書店/2,520円)
『明治精神史 下』(色川 大吉 著/岩波書店/1,260円)
『バブル』(田中森一/著 夏原武/聞き手/宝島社/520円)
『なにもかも小林秀雄に教わった』(木田元/著/文芸春秋/788円)
『定本 日本近代文学の起源』(柄谷 行人 著/岩波書店/1,260円)