『なぜ無実の人が自白するのか―DNA鑑定は告発する』『ヒトゲノムを解読した男―クレイグ・ベンター自伝』『新聞再生―コミュニティからの挑戦』

本日の読みたい本・おすすめ版(2008年12月あたり)。

なぜ無実の人が自白するのか―DNA鑑定は告発する

なぜ無実の人が自白するのか―DNA鑑定は告発する

★『なぜ無実の人が自白するのか―DNA鑑定は告発する』(リチャード・A.ドリズィン/日本評論社/2,000円)【→amazon
ミランダ原則は死んだのか?DNAの光に映し出された125の誤判例、そして電気椅子から生還した9人の男たち。プレ・ミランダ、プレ・DNAのわが国の刑事司法に今必要なものはなにか。取調官の心理的誘導の中で人は簡単に虚偽の自白をする。そして自白は今日でも「証拠の王」である。代用監獄での23日間の拘置・取調べを基礎に有罪率99.9%を誇る日本。ミランダ原則下のアメリカでこれほど誤判があるとすれば、日本での誤判率はいかほどか。正しい裁判のためには取り調べ過程の完全な録画化しかないという本書の到達点は、アメリカの趨勢でもある。裁判員制度への賛否をこえて、わが国刑事司法の目標が見えてくる。
ヒトゲノムを解読した男 クレイグ・ベンター自伝

ヒトゲノムを解読した男 クレイグ・ベンター自伝

★『ヒトゲノムを解読した男―クレイグ・ベンター自伝』(J.クレイグ・ベンター/(京都)化学同人/2,800円)【→amazon
ベンチャー企業「セレーラ」を率い、世界中の科学者を敵にまわして、熾烈なヒトゲノム解読競争を繰り広げたクレイグ・ベンター。その桁違いの情熱と行動力は、一体どこから来るのか。重鎮ジェームズ・ワトソン、ヒトゲノム計画リーダーのフランシス・コリンズらとの確執も包み隠さず語る。今、最も熱い科学者の待望の自叙伝。
新聞再生―コミュニティからの挑戦 (平凡社新書)

新聞再生―コミュニティからの挑戦 (平凡社新書)

★『新聞再生―コミュニティからの挑戦』(畑仲哲雄/平凡社/760円)【→amazon
「新聞の危機」が唱えられて久しい。しかし巷で議論されているそれは、たんに「新聞業界の危機」に過ぎないのではないか?大手紙の視点からは見過ごされてきた周縁的な場所、そこにこそ、「新聞なるもの」の本質と可能性が見いだされるのではないか?コミュニティからの挑戦と挫折、そして再生。地方紙の試みから新聞の可能性を探る。

読みたい本・次点。
『シュトラハヴィッツ機甲戦闘団―“泥まみれの虎"の戦場写真集』(マイケル・H.プルット/大日本絵画/3,300円)
『鐘馗戦闘機隊―帝都防衛の切り札・陸軍飛行第70戦隊写真史』(伊沢保穂;柴田一哉解説/大日本絵画/3,300円)
『チック・フリック 恋する映画ガイドブック』(キム・エーデルマン/晋遊舎/1,200円)
『檀一雄―言語芸術に命を賭けた男』(相馬正一/人文書館/4,800円)
『文学の未来』(清水良典/(名古屋)風媒社/2,000円)
『ヒップホップはアメリカを変えたか?―もうひとつのカルチュラル・スタディーズ』(S.クレイグ・ワトキンス/フィルムアート社/2,200円)
『絵に描けないスペイン』(堀越千秋/幻戯書房/2,700円)
『民俗学と現代―批評の宝石たち』(石井正己/三弥井書店/1,980円)
『地図から消えた地名―消滅した理由とその謎を探る』(今尾恵介/東京堂出版/1,800円)
『古典落語の人間像―古今亭志ん朝の噺を読む』(幸津國生/花伝社;共栄書房〔発売〕/2,000円)
『ファンタジー文学案内』(海野弘/ポプラ社/1,800円)
『私の好きな時代小説』(常盤新平/晶文社/1,900円)
『ロバート・バーンズ―スコットランドの国民詩人』(木村正俊;照山顕人編/晶文社/6,000円)
『TOKYO JOE―マフィアを売った男』(エレイン・C.スミス/講談社/1,800円)
『F‐22はなぜ最強といわれるのか―ステルス、スーパークルーズなど最新鋭戦闘機に使われるテクノロジーの秘密に迫る』(青木謙知/ソフトバンククリエイティブ/952円)
『毒と薬のひみつ―毒も薬も使い方しだい、正しい知識で毒を制す!』(齋藤勝裕/ソフトバンククリエイティブ/952円)
『もっと知りたい旅客機の疑問50―エンジン2基の双発機と4発機はどっちが安全?預けた荷物がときどき“迷子"になるワケは?』(秋本俊二/ソフトバンククリエイティブ/952円)
『きのこ文学大全』(飯沢耕太郎/平凡社/880円)
『恋する西洋美術史』(池上英洋/光文社/880円)
『C62日本最大の蒸気機関車―「ニセコ」「ゆうづる」「安芸」の時代』(齋藤晃;三品勝暉;林嶢;杉江弘/誠文堂新光社/2,800円)
『大人のなぞなぞ絵本 「日本名画」ミステリー310』(榊原悟監修;講談社編/講談社/1,905円)