『ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争』『上海 - 多国籍都市の百年』『昭和天皇の艦長 沖縄出身提督漢那憲和の生涯』『世界でいちばん小さな三つ星料理店』『東条英機 阿片の闇 満州の夢』『日本を惑わすリベラル教徒たち』『信長の天下所司代 筆頭吏僚村井貞勝』

今週の読みたい本・おすすめ版。
 

ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争 上

ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争 上

★『ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争 上』(デイヴィッド・ハルバースタム/文芸春秋/1995円)【→amazon
クリスマスまでに戦争は終わるはずだった。中国軍は参戦しない。鴨緑江北朝鮮軍を追い落とし戦争はクリスマスまでに終わる―。マッカーサーの言葉に、浮足だつ米兵たち。毛沢東が、大軍を朝鮮半島に潜入させて軽装の国連軍を待ち受けていたことも知らずに…。ハルバースタム、最後の作品。
 
ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争 下

ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争 下

★『ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争 下』(デイヴィッド・ハルバースタム/文芸春秋/1995円)【→amazon
野望と虚飾のかけひきの向こうで、兵士たちは死んでいく。戦場の現実を見ようとしないそれぞれの上司に苛立ちをつのらせる両軍の指揮官、リッジウェイと彭徳懐。右傾化の国内政治の嵐のなかでマッカーサーを切れないトルーマン政権。スターリンに疎まれる自主独立の中国共産党毛沢東。巨人たちが激突する!スターリンが、金日成が、トルーマンが、マッカーサーが、毛沢東が、そして凍土に消えた名もなき兵士たちが、血の肉声をもって語るあの戦争―。
 
上海 - 多国籍都市の百年 (中公新書)

上海 - 多国籍都市の百年 (中公新書)

★『上海 - 多国籍都市の百年』(榎本泰子/中央公論新社/840円)【→amazon
アヘン戦争後、一八四二年の南京条約によって開港した上海。外国人居留地である「租界」を中心に発展した街は、二〇世紀前半には中国最大の「華洋雑居」の地となり繁栄を極める。チャンスと自由を求めて世界中からやって来る移民や難民たち、英米日の角逐、勃興する中国の民族運動。激動の時代のなかで人々はいかに暮らし、何を思ったのか。本書は国籍別の検証を通じ、上海という都市独特の魅力を余すところなく伝える。
 
昭和天皇の艦長 沖縄出身提督漢那憲和の生涯

昭和天皇の艦長 沖縄出身提督漢那憲和の生涯

★『昭和天皇の艦長 沖縄出身提督漢那憲和の生涯』(惠隆之介/産経新聞出版/1890円)【→amazon
大正十年、皇太子であられた昭和天皇が、皇室史上初めて欧州をお訪ねになった。御召艦「香取」艦長としてその大役を果たしたのは、沖縄出身提督、漢那憲和。退役後は、民政党代議士としてシビリアン・コントロールを提唱し、賛軍派とことごとく対立する。昭和天皇は、深い御心で漢那を支援された。埋もれた戦前史を照らす衝撃と感動の書。
 
世界でいちばん小さな三つ星料理店

世界でいちばん小さな三つ星料理店

★『世界でいちばん小さな三つ星料理店』(惠隆之介/産経新聞出版/1890円)【→amazon
夢を描きにくい現代にあえて一石を投じる若き三つ星料理人の波乱の人生、仕事の哲学。
 
東条英機 阿片の闇 満州の夢

東条英機 阿片の闇 満州の夢

★『東条英機 阿片の闇 満州の夢』(太田尚樹/角川学芸出版/1890円)【→amazon
内閣誕生のわずか5年前、2.26事件勃発時には、満州憲兵隊司令官にすぎなかった男が、なぜ戦時の絶大な権力を手に入れるに至ったのか。共産主義の脅威、内乱勃発の危機、皇室の思惑、そして莫大な阿片の黒い金―。戦時宰相「東条英機」を生み出した背景と要因、その人間像を通して、日本敗戦へ至る道と昭和史の闇を暴く。
 
日本を惑わすリベラル教徒たち

日本を惑わすリベラル教徒たち

★『日本を惑わすリベラル教徒たち』(潮匡人/産経新聞出版/1500円)【→amazon
「正論」連載の「リベラルな俗物たち」待望の単行本化。俎上に載せられたのは、姜尚中森永卓郎井上ひさし高橋哲哉半藤一利保阪正康井筒和幸中沢新一渡邉恒雄上野千鶴子宮台真司立花隆氏の12人。いずれも現在のマスコミ界やアカデミズムの世界で活躍している人たちです。潮氏は、彼ら12人が憲法9条と東京裁判を根拠とする戦後民主主義を絶対視し、まるで「リベラル教徒」のごとき言説を振りまいていると指摘。さらに、書いてもいないものを書き下ろし称し、明らかな誤りや誤解を無反省に繰り返し、また恥知らずな悪徳を擁護し、私怨で不潔で卑猥な主張をしていると、12人の欺瞞性と俗物性を明らかにしています。
 
信長の天下所司代 - 筆頭吏僚村井貞勝 (中公新書)

信長の天下所司代 - 筆頭吏僚村井貞勝 (中公新書)

★『信長の天下所司代 筆頭吏僚村井貞勝』(潮匡人/産経新聞出版/1500円)【→amazon
元亀四年に足利義昭を追放した後、信長は「天下所司代」を置き、京都支配を行った。本能寺の変までの九年間、一貫してその任にあったのは村井貞勝である。彼は信長の絶大な信頼を得て、市政から朝廷・公家との折衝までを一手に担い、ルイス=フロイスからは「尊敬すべき異教徒」と呼ばれた。武功とは無縁の吏僚でありながら有能を認められて「天下」=京都を仕切り、織田政権の要となった村井貞勝の活躍に光を当てる。