『サバタイ・ツヴィ伝−神秘のメシア−』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
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サバタイ・ツヴィ伝―神秘のメシア (叢書・ウニベルシタス)

サバタイ・ツヴィ伝―神秘のメシア (叢書・ウニベルシタス)

★『サバタイ・ツヴィ伝−神秘のメシア−』(ゲルショム・ショーレム/法政大学出版局/15750円)【→amazon
謎のメシア、伝説の生涯。ユダヤの宗教と神秘主義の歴史において最も重要な17世紀のメシアニズム運動の発生と展開、およびその運動における謎のメシア= サバタイ・ツヴィの行跡を精査した、ユダヤ学の泰斗ショーレムの畢生の大作。民族の自立とパレスチナ回帰を希求するメシア運動の指導者サバタイ・ツヴィはなぜユダヤへの忠誠を棄てたのか。無類の作用を及ぼしたひとりの人間の異端的生涯を再構築する。
 
宗教で読む戦国時代 (講談社選書メチエ)

宗教で読む戦国時代 (講談社選書メチエ)

★『宗教で読む戦国時代』(神田千里/講談社/1680円)【→amazon
宣教師も驚いた戦国日本人の高度な精神性。その「ゆるやかな宗教性」のバックボーンとしての「天道」思想をキーワードに、一向一揆キリシタン論争から島原の乱まで、日本人の心性に新たな光を投げかける。
 
知覚の現象学 (叢書・ウニベルシタス)

知覚の現象学 (叢書・ウニベルシタス)

★『知覚の現象学 新装版』(モーリス・メルロ=ポンティ/法政大学出版局/8190円)【→amazon
近代哲学の2つの代表的な立場、主知主義=観念論と経験主義=実在論の両者を、心理学や精神病理学の提供する資料の解釈を通じて内在的に批判しつつ、身体=知覚野において具体的・人間的主体の再構築をめざす。
 
ドイツ哲学史1831‐1933 (叢書・ウニベルシタス)

ドイツ哲学史1831‐1933 (叢書・ウニベルシタス)

★『ドイツ哲学史1831−1933』(ヘルベルト・シュネーデルバッハ/法政大学出版局/5250円)【→amazon
ドイツ観念論体系崩壊後の歴史にあえてターゲットを絞り、新カント学派に下された認識論への還元主義という一面的な評価、生の哲学がおよぼした影響力の忘却など、偏った哲学的認識に再考を促す。
 
フランスの現象学 (叢書・ウニベルシタス)

フランスの現象学 (叢書・ウニベルシタス)

★『フランスの現象学』(ベルンハルト・ヴァルデンフェルス/法政大学出版局/8400円)【→amazon
20世紀思想の一大潮流をなす現象学。ドイツ生まれの“危機”の哲学の可能性を、他のどこよりも深く汲み尽くしたのは、両大戦間期以降のフランスであった。その受容期から、サルトルメルロ=ポンティレヴィナス、リクールらにおける独自の発展、マルクス主義構造主義との交錯からデリダに至るまでの運動を網羅し、超越論的思考の通史にして格好の注解としてドイツで読まれてきた名著の完訳。