『チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
1日5冊紹介(当分)。
 

★『チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石』(武田尚子/中央公論新社/819円)【→amazon
カカオは原産地の中米では飲み物であると同時に薬品であり、貨幣にもなった。ヨーロッパに到来したときも、この珍貴な実の食用について激論が交わされたが、一九世紀にはココアパウダーや固形チョコレートが発明・改良され、爆発的に普及する。イギリスの小さな食料品店だったロウントリー家もまた、近代的なチョコレート工場を作り、キットカットを開発、世界に販路を拡大するが…。ヨーロッパ近代を支えたお菓子の通史。
 
民芸運動と建築

民芸運動と建築

★『民芸運動と建築』(藤田治彦/淡交社/3990円)【→amazon
作品と記録から見えてくる「民芸」の多様性・可能性。日本、アジアから発信する現代世界の建築へのメッセージ。主要作品13件を外観・内部の図版とともに解説。全国の民芸関連建築(16件)も合わせて紹介。民芸運動、そして「民衆の芸術」を再発見する一冊。
 
ユニクロ症候群

ユニクロ症候群

★『ユニクロ症候群(シンドローム) 退化する消費文明』(小島健輔/東洋経済新報社/1575円)【→amazon
ユニクロ」の驚異的成功の背景は、「経済の衰退と若者の感性圧縮による消費文明の退化」にある。本書は「ユニクロ症候群」とも言うべき広範な社会現象を捉えて「退化する消費」という現実を明らかにするとともに、「グローバル平準化」という消費スタイルから産業構造にまで及ぶ歴史的変化を、衣料品業界のみならず家電業界や自動車業界まで視野を広げて浮き彫りにしたものである。
 
昭和の家事 (らんぷの本)

昭和の家事 (らんぷの本)

★『昭和の家事 母たちのくらし』(小泉和子/河出書房新社/1680円)【→amazon
100年前に生まれた女性たちの日常は!?昭和戦前の主婦たちがごく当たり前に行っていた「家事」。洗い張りをする、洗濯板で洗う、布団をつくる、浴衣を縫う。おはぎをつくる、たくあんを漬ける、おせち料理をつくる。…今ではその手順さえわからなくなっている家事の貴重な記録。
 
文豪の食卓

文豪の食卓

★『文豪の食卓』(宮本徳蔵/白水社/2310円)【→amazon
井伏鱒二と鰻、三島由紀夫と酒、埴谷雄高とトンカツ、泉鏡花とウドン……稀代の碩学が流麗な文体とともに、名作の背景に潜む食文化を披瀝する、知的興趣あふれた書き下ろし「美味礼賛」。