『ヒトの進化七〇〇万年史』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
1日5冊紹介（当分）。
　

ヒトの進化　七００万年史 (ちくま新書)

★『ヒトの進化七〇〇万年史』(河合信和/筑摩書房/903円)【→amazon】
二一世紀に入って、先史人類学をめぐる状況は大きく変わった。新たな発見が相次ぎ、人類の起源が従来の説より大きく遡る七〇〇万年前となるとともに、その進化の道筋にも大きな見方の変更が迫られている。人類は単線的な進化をたどってきたのではなく、複数の人類種が複線的に生まれては消え、現生人類はそのうち生き残った一つでしかないとわかってきたのだ。最新の学説や調査状況を紹介しつつ、現在も書き換えられつつある人類史の基本的な内容をわかりやすく説き明かす。
　

ベッドルームで群論を――数学的思考の愉しみ方

★『ベッドルームで群論を−数学的思考の愉しみ方−』(ブライアン・ヘイズ/みすず書房/3150円)【→amazon】
数学の専門家ではない著者が、玄人筋の支持を得ているのもうなずける。ヘイズは科学を歪めることなしに、数学的思考ツールの妙味をひきだす書き手だ。一次文献はもちろん、しばしばコンピュータの力も借りて、素朴な疑問の奥にひそむ数理科学の愉しさを垣間見せてくれる。各編に、かならず興味深い趣向がほどこされている。たとえば万年時計についての瞑想が、環境危機をめぐる現在の社会心理の一面を映しだす、といった具合。共感した数学者や数学愛好家がこぞってアイデアを持ち寄り、エッセイに絶妙なひねりを加えているのも、心憎い一冊。
　

ロングセラー商品のパッケージデザイン (MONO Visual series)

★『ロングセラー商品のパッケージデザイン』(新星出版社編集部・編/新星出版社/1365円)【→amazon】
懐かしい、そして新しい。日本のロングセラー商品28品のパッケージ変遷とデザインの秘密に迫る。
　

香水─香りの秘密と調香師の技 (文庫クセジュ)

★『香水−香りの秘密と調香師の技−』(ジャン＝クロード・エレナ/白水社/1103円)【→amazon】
エルメスの人気調香師による香りの手引書。香水の歴史、嗅覚のしくみから、調香師の訓練と仕事、香水の市場とマーケティング、知的財産権保護にいたるまで、あらゆる角度から解説する。著者の代表作「地中海の庭」の創作プロセスをとおして、調香の現場にも触れることができる。
　

飛翔への挑戦―国産航空機開発に賭ける技術者たち

★『飛翔への挑戦−国産航空機開発に賭ける技術者たち−』(前間孝則/新潮社/1680円)【→amazon】
YS‐11誕生から半世紀ぶりの国産旅客機MRJ、そして次世代の超音速機とは?“日の丸の翼”初飛行から100年、防衛省機から民間機まで果てなき情熱の記録。