『日本の音を聴く−文庫オリジナル版−』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
1日5冊紹介(当分)。
 

日本の音を聴く 文庫オリジナル版 (岩波現代文庫)

日本の音を聴く 文庫オリジナル版 (岩波現代文庫)

★『日本の音を聴く−文庫オリジナル版−』(柴田南雄/岩波書店/1092円)【→amazon
日本各地の遺跡から出土した石笛や琴、『枕草子』や『源氏物語』、芭蕉の句などに表現された日本の音に作曲家ならではの分析が展開される。さらに民俗芸能・社寺芸能の綿密な調査に基づいて作曲された氏独自の合唱作品『シアター・ピース』が産みだされる過程が克明に述べられる。本書は作曲に向けてのフィールドワークの記録であり、自己解説の書である。
 
哀愁の演歌 昭和21年からの流行歌・歌謡曲

哀愁の演歌 昭和21年からの流行歌・歌謡曲

★『哀愁の演歌−昭和21年からの流行歌・歌謡曲−』(野ばら社編集部・久保昭二/編/野ばら社/840円)【→amazon
「リンゴの唄」から最新「また君に恋してる」まで全118曲。
 
神は妄想である―宗教との決別

神は妄想である―宗教との決別

★『神は妄想である−宗教との決別−』(リチャード・ドーキンス/早川書房/2940円)【→amazon
人はなぜ神という、ありそうもないものを信じるのか?物事は、宗教が絡むとフリーパスになることがままあるが、なぜ宗教だけが特別扱いをされるのか?「私は無神論者である」と公言することがはばかられる、たとえば現在のアメリカ社会のあり方は、おかしくはないのか…『利己的な遺伝子』の著者で、科学啓蒙にも精力的に携わっている著者は、かねてから宗教への違和感を公言していたが、9・11の「テロ」の悲劇をきっかけに、このテーマについて1冊本を書かずにはいられなくなった。「もう宗教はいいじゃないか」と。著者は科学者の立場から、あくまで論理的に考察を重ねながら、神を信仰することについてあらゆる方向から鋭い批判を加えていく。宗教が社会へ及ぼす実害のあることを訴えるために。神の存在という「仮説」を粉砕するために。―古くは創造論者、昨今ではインテリジェント・デザインを自称する、進化論を学校で教えることに反対する聖書原理主義勢力の伸張など、非合理をよしとする風潮は根強い。あえて反迷信、反・非合理主義の立場を貫き通す著者の、畳みかけるような舌鋒が冴える、発売されるや全米ベストセラーとなった超話題作。
 
浅間山大噴火の爪痕・天明三年浅間災害遺跡 (シリーズ「遺跡を学ぶ」075)

浅間山大噴火の爪痕・天明三年浅間災害遺跡 (シリーズ「遺跡を学ぶ」075)

★『浅間山大噴火の爪痕・天明三年浅間災害遺跡』(関俊明/新泉社/1575円)【→amazon
一七八三年(天明三)、群馬・長野県境の浅間山が大噴火を起こした。膨大な量の土砂が山麓の鎌原村を一気に呑み込み、泥流となって吾妻川から利根川流域の村々をつぎつぎに襲った。その実相を発掘調査から明らかにし、遺跡・遺物による災害の語り継ぎを訴える。
 
クワイ河に虹をかけた男―元陸軍通訳永瀬隆の戦後 (教科書に書かれなかった戦争)

クワイ河に虹をかけた男―元陸軍通訳永瀬隆の戦後 (教科書に書かれなかった戦争)

★『クワイ河に虹をかけた男−元陸軍通訳永瀬隆の戦後 教科書に書かれなかった戦争』(満田康弘/梨の木舎/1785円)【→amazon
たった1人の戦後処理。いつも傍らに妻佳子さんがいた。枕木1本、人1人といわれた「死の鉄道」(タイメン鉄道)の贖罪に人生を捧げた男の物語。