『海鳴り−内務官僚村田五郎と昭和の群像−上巻』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
1日5冊紹介(当分)。
 

海鳴り〈上〉―内務官僚村田五郎と昭和の群像

海鳴り〈上〉―内務官僚村田五郎と昭和の群像

★『海鳴り−内務官僚村田五郎と昭和の群像−上巻』(村田光義/芦書房/1470円)【→amazon
清廉かつ剛毅な一人の内務官僚村田五郎。彼と出会った多くの人びとが各々の激動の昭和を刻み過ぎ去っていった。東条英機近衛文麿武藤章・井上成美などの軍人、幾多の大臣、代議士、官僚たち、そして尾崎秀美、白洲次郎、長尾よね…。五郎の目に映った彼らの行動を通して戦前・戦後の歴史の内実が忌憚なく語られる。上巻では、陸海軍の激しい相互憎悪、日中事変長期化と大戦への道、海軍の陸軍に先んずる対米開戦主張、ゾルゲ事件による日独の損害、日米交渉の決裂、などそれぞれの事象がつまびらかになる。
 
海鳴り〈下〉―内務官僚村田五郎と昭和の群像

海鳴り〈下〉―内務官僚村田五郎と昭和の群像

★『海鳴り−内務官僚村田五郎と昭和の群像−下巻』(村田光義/芦書房/1470円)【→amazon
内閣情報局次長として『東京新聞』の創刊に関わり、「竹槍事件」での東条による『毎日新聞』廃刊要求を取り下げさせる五郎。敗戦色の濃いなかなお本土決戦を主張する軍、重臣たちは東条内閣打倒にやっと立ち上がった。そして五郎は…。戦後、東京裁判の「戦犯」救援に奔走、近衛新党を巡り白洲次郎と対立、さらには自由社会を護る自由民主党を資金面から支える「国民協会」の会長に就いた五郎。五郎を取り巻く人間模様から敗戦前後の日本の歴史を描き切る。評伝を超えた歴史長編の完結編。
 
古河藩 (シリーズ藩物語)

古河藩 (シリーズ藩物語)

★『古河藩−信任厚き譜代が城主の関東平野枢要地。雪の殿様や桃まつりにみられる小江戸の優美が煌めく。−』(早川和見/現代書館/1680円)【→amazon
一国の統治は過ぎても不足でも適わない、中庸こそが大切だ。幕閣の中核となって大名統制を断行した土井利勝は、徳川の世の礎を築いた。藩主と共に学問振興を図った家老・鷹見泉石の勉学の精神が、今なお脈々と連なる古河の街。
 
ショッキング・ピンクを生んだ女 私はいかにして伝説のデザイナーになったか (P-Vine BOOks)

ショッキング・ピンクを生んだ女 私はいかにして伝説のデザイナーになったか (P-Vine BOOks)

★『ショッキング・ピンクを生んだ女−私はいかにして伝説のデザイナーになったか−』(エルザ・スキャパレリ/ブルース・インターアクションズ/2310円)【→amazon
画家のダリが寵愛し、シャネルが嫉妬し、ピエール・カルダンやジヴァンシーを育てた“ファッション業界の女帝”の自伝がついに解禁。
 
新訳 フランス革命の省察―「保守主義の父」かく語りき

新訳 フランス革命の省察―「保守主義の父」かく語りき

★『〈新訳〉フランス革命省察−「保守主義の父」かく語りき−』(エドマンド・バーク/PHP研究所/1365円)【→amazon
フランス革命は、以後のあらゆる革命の基本になった。社会主義はもちろん、いまの日本の「改革」志向も、すべてこの革命に通じている。だが、その真実は何だったのか?221年前、フランス革命が進行するさなかに書かれた名著が、バージョンアップされて21世紀によみがえる。
 
連続講義 一九六〇年代 未来へつづく思想

連続講義 一九六〇年代 未来へつづく思想

★『一九六〇年代未来へつづく思想−連続講義−』(高草木光一/編/岩波書店/2625円)【→amazon
人類の危機がさまざまな局面で顕在化した1960年代。その時、動き始めた学生運動市民運動に関わってきた、吉川勇一原田正純最首悟・山口幸夫。彼らを講師に迎え、同時代をともに過ごした彼らにとって忘れがたき人物を取り上げ、その体験を生々しく語った連続講義の記録。編者による序論と同時代年表を付す。