『理想の食事−武玉川に見る元禄の食事とマクガバン・レポート−』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
1日5冊紹介(当分)。
 

★『理想の食事−武玉川に見る元禄の食事とマクガバン・レポート−』(太田保世/東海大学出版会/1890円)【→amazon
江戸の食事は健康食。元禄時代の庶民の俳諧「武玉川」に見る、江戸時代の日本人の食事とは。
 
ルポ 餓死現場で生きる (ちくま新書)

ルポ 餓死現場で生きる (ちくま新書)

★『ルポ餓死現場で生きる』(石井光太/筑摩書房/903円)【→amazon
飢餓に瀕して、骨と皮だけになった栄養失調の子供たち。外国の貧困地域の象徴としてメディアに描かれる彼らも、ただ死を待っているわけではなく、日々を生き延びている。お腹がふくれた状態でサッカーをしたり、化粧をしたりしているのだ。ストリートチルドレンや子供兵だって恋愛をするし、結婚をするし、子供を生む。「餓死現場」にも人間としての日常生活はある。世界各地のスラムで彼らと寝食を共にした著者が、その体験をもとに、見過ごされてきた現実を克明に綴る。
 
移行化石の発見

移行化石の発見

★『移行化石の発見』(ブライアン・スウィーテク/文藝春秋/2200円)【→amazon
ダーウィンが『種の起源』で進化論を提唱したとき、もっとも有力な反証となったのは、化石として出土している古代の動物と現生の動物とをつなぐ、「移行期の種」の化石がみつかっていないことであり、それは「ミッシング・リンク」(失われた鎖)と呼ばれた。だが1980年代以降、とりわけ21世紀に入ってから、クジラ、鳥、ゾウなど様々な動物について、「移行化石」が相次いで発見されている―。
 
化石から生命の謎を解く 恐竜から分子まで (朝日選書)

化石から生命の謎を解く 恐竜から分子まで (朝日選書)

★『化石から生命の謎を解く−恐竜から分子まで−)』(化石研究会/編/朝日新聞出版/1575円)【→amazon
太古に絶滅した生物と現在生きている生物とをつなぐさまざまな化石。刻まれているのは「進化の証拠」や「謎を解く手がかり」だ。恐竜の足跡化石からは恐竜の姿勢や歩き方、移動の速さ、社会行動が、海に棲む有孔虫の化石からは当時の海水の温度や塩分濃度が推定できる。肉眼で観察可能な骨や貝殻はもちろん、電子顕微鏡で見るミクロの分子化石、身近に見られる「生きている化石」など、意外なモノが語る生命と地球の歴史。古生物研究の最前線。
 
ポアンカレ予想―世紀の謎を掛けた数学者、解き明かした数学者 (ハヤカワ文庫 NF 373 〈数理を愉しむ〉シリーズ)

ポアンカレ予想―世紀の謎を掛けた数学者、解き明かした数学者 (ハヤカワ文庫 NF 373 〈数理を愉しむ〉シリーズ)

★『ポアンカレ予想−世紀の謎を掛けた数学者、解き明かした数学者−』(ジョージ・G.スピーロ/早川書房/945円)【→amazon
代数学を代表する分野、トポロジーを独力で創りあげた天才数学者が遺した、ポアンカレ予想。並みいる数学者たちがそれに立ち向かっては敗れ、いつしかそれは100万ドルが掛けられる難題とみなされていた。しかし経験と知識は蓄積され、100年が経ち、リッチ・フローという武器をひっ下げた、謎めいた数学者ペレルマンが大胆不敵な解答を示したが、数学界はさらなる激震に襲われる…知に汗握る出色の数学ノンフィクション。