長井暁NHKプロデューサー記者会見(2005年1月13日)

オリジナルの記者会見に関する全画像・音声は以下のところにあります。
NHKを内部告発した長井暁チーフ・プロデューサー記者会見(2005年1月13日)※いつまで残っているかは不明。
これをテキスト化したものが現在3つ確認されていますので、それを掲載しておきます。ただし、実際の内容は画像・音声のほうで見たほうがいいかもです。
[報道]「会長はすべて了承していた」という長井プロデューサーの発言は本当か(←愛・蔵太の気ままな日記より転載)※重要な部分のみ

で、このことについてですが、えー、このことについては、えー、…海老沢会長は、えー、すべて了解していたと、わたくしは考えております。えー、わたしの信頼すべき上司の、あの、発言によりますと、野島担当局長はですね、この事態の経緯を逐一。海老沢会長に、えー、報告いたしておりましたし、まぁ当然、海老沢会長の指示や諒承を得てですね、この作業がおこなわれたと。いうふうに考えております。それであのー、実際に、えー、総合企画室。と番組制作局が、それぞれ、会長あてに、えー、作成した報告書が存在しております。えー、これはあの、わたくしはあの、手に入れていませんけれども、目にしておりませんけども、存在していることは、えー、確かなようです。

長井暁CP記者会見(1/13)より(←pantomimeの日記より転載)※冒頭13分のみ

■ 井上氏
本来ですとNHK内の記者クラブでするのが一般的なんですけれども、長井さんの方から、NHK内でというのは今回の問題の性質上好ましくないといった趣旨の申し入れがありまして、大変異例なんですけれども、こちらの会場を記者クラブの幹事としてとることにしました。

■ 長井氏
まず、先ほど井上さんの方から説明がありましたように、NHKであればなんともっと簡単なんですけれども、外部でお願いしますということで、このような会場をご準備頂いたラジオ・テレビ記者部の皆さんに、まずお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。

それで、ご存じの通り、昨日の朝刊で朝日新聞のほうに記事が出てしまいましたので、取材が殺到していると言うこともありますので、記者会見を開いてですね、詳しく、正確を期すためにも記者会見を開いた方がいいかなというなことに判断になりまして、急遽今日開かせて頂くような事態となったわけです。

お手元に資料が言っているかと思うんですけれども、ETVの改変事件についてのあらましは資料の方をご覧戴ければ、これはあくまでも私が見聞きしたことでありますのですので、これが全て100%正しいかどうかということは、また皆様方にいろいろと裏を取って頂いた上で記事にして頂ければというふうに思うのでございますが、一応私が知り得た限りのことをなるべく正確に記したつもりでございます。

■ 事件のあらまし
まず、事件のあらましについてでありますが、実際、その放送は2001年の1月30日でございました。それで、その29日前日から、いろいろと政治的な圧力を背景とした作り直しというものが行われたわけなんですが、実はその以前も、この番組の性質上、非常に難しい番組であるということで、いろいろと編集には苦労しておりました。ただ、それまでのいろいろな議論、編集の作り直しというのは、あくまでも番組論の議論、取材相手との距離が近すぎるのではないかとか、歴史的経緯をきちんとふまえた方がいいとか、世界的な潮流のなかに位置づけた方がいいというようなそういう趣旨で、番組を作っておりました。

■ 29日、二人の議員へ説明に→夕方から異例の試写
29日、ご案内の通り、松尾放送総局長と国会対策をしてます野島担当局長、現在の理事ですけれども、この二人が中川・安倍氏のところに説明に出向きまして、そこから戻ってきた夕方、私も立ち会った形で、番組制作局長室で異例の試写を行いました。この段階というのは、オフライン編集というのをアップした段階のテープでありまして、それでこういうものを番組制作局長や、ましてや総局長、総合企画室の担当局長が見るということはまずあり得ないことだったわけです。ですから、非常に異例な事態であったということは、はっきり言えるというふうに思います。

■ 試写→議論→作りかえ
それで、実際、この日ですね、松尾さんと野島さんが永田町からお戻りになってそれで試写を始め、その後いろいろ議論があって番組の大幅な作り替えがなされたわけです。44分だった番組は、異例の43分というかたちで放送されることになりました。つまり、それまでの番組の議論とは、番組論に基づく議論とは全く異なる作りかえを命じられたということでありまして、これは、中川・安倍両氏の意向を反映する形、彼らの了解を得るための作りがえがあったことは間違いのない、明白な事実であろうというふうに思っております。

■ 「3分のカット」に現場の反対
さらに、NHKの方はこのことについて、NHKの独自の判断で編集したというふうにずっと一貫して申しておりますけれども、例えば、翌日にもまた、あと3分のカットということを命じられました。これは松尾放送総局長から制作現場に直接指示が出たわけですが、これについては現場の責任者である教養番組部長も、担当のチーフ・プロデューサーも、デスクであった私も全員反対いたしまして、なんとかその3分のカットということを思いとどまって欲しいということで、松尾放送総局長に何度もはたらきかけを致しましたが、これは全く現場の意向を無視する形で、3分のカットを業務命令として命じられたということが事実であります。

ですから、そのNHKが言っている、NHKの上層部が言っている、NHK独自の判断で編集したということはですね、全く現場を無視した、放送総局長や番組制作局長がどのようにかんでいたかはわかりませんけれども、そういう判断であったと。それは、あくまでも政治的な圧力を背景としたものだったと言わざるを得ないというふうに思います。

以上が事件の経緯でありまして、詳しくはまた書面の方でご確認頂きたいと思います。

■ 信頼すべき上司の発言「海老沢会長への報告?」
このことについてですが、このことについては、海老沢会長は全て了解していたと私は考えております。私の信頼すべき上司の発言によりますと、野島担当局長は、この事態の経緯を逐一、海老沢会長に報告致しておりましたし、当然海老沢会長の指示や了承を得てですね、この作業が行われたというふうに考えております。それで、実際に総合企画室と番組制作局が、それぞれ会長宛に作成した報告書が存在しております。これは、私は手に入れていませんけれども、目にしておりませんけれども、存在していることは確かなようです。

コンプライアンス通報制度
それで、このことについて4年間、私も非常に悩んでいましたけれども、一連の、ご存じのような一連の不祥事を経て、去年の9月に、コンプライアンス推進室というものがNHKの中に設置され、コンプライアンス通報制度という内部通報の制度ができました。そこで、私としては、NHKの自浄能力というものに期待をしてですね、去年の12月の9日にですね、内部通報を行いました。この事件を調査し、その事実を明らかにして欲しいという旨のお願いをしたわけです。で、結果的には、それが一ヶ月経ったのですけれども、まだ関係者へのヒヤリングすら始められていないという事実を私が知るにいたりまして、もうこれは皆様、マスコミの方に事実を語るしか仕方がないんじゃないかなということになりました。

朝日新聞のほうに先に出てしまいましたが、朝日の記者の方が12月の下旬に接触がございまして、私としてはとにかくコンプライアンス通報制度の結果を待ちたいので、しばらく記事にはしないでください、ということをお願いしていたのですけれども、一ヶ月経ってもなんら成果をあげられないということを知るに到り、記事にされることを私は了承いたしました。

それで現実問題としてですね、コンプライアンス通報制度は、末端の職員の不正については直ちに調査して直ちに発表しております。それはご存じの通り、音響効果部の職員が、自分で作曲した音楽を外部プロダクションに委託したかのようにみせかけて、不正にキック・バックを受けていたという事件をご存じだと思いますが、これは内部通報制度によって明らかになった事件なんです。つまり、末端の職員の不正は、発見次第すぐ調査し公にするにもかかわらず、NHKの会長やその側近が関わった出来事に関しては、調査する能力も意志もない、ということが明白だと思います。つまり、今の海老沢体制のもとでは、NHKの本当の改革というのはやっぱり難しいんだなというのが私の今回の経験で感じた点でございます。

■ 海老沢体制
それで今回私が経験したことというのは、非常に露骨なかたちで政治介入がなされたという希有なケースだと思いますけれども、実際、海老沢さん、海老沢体制になってからですね、いわゆる政治、放送現場への政治の介入、いろんなレベルのものがございますけれども、放送が中止になったり再放送が中止になったりというようなことは、もう非常に日常茶飯事におこるようになってしまいました。

私は、ひとつひとつ私が関係していないことについて、ここで述べる立場にはございませんけれども、私自身が経験したことから言ってもですね、政治家から批判や非難がくるとそれが放送現場に直に降ってきてしまう、というような状況が、海老沢会長のもとで行われております。特に報道の現場では、やはり政府に都合の悪い番組の企画を出しても通らないんだというような雰囲気といいますか、そういう萎縮した空気が蔓延しているというふうに私は思っております。

ですから、そういう意味で、不正経理、そういうようないろいろなものが注目されておりますけれども、海老沢体制の最も大きな問題というのは、そういう政治介入を恒常化させてしまったという点にあるのではないかというふうに思いまして、こういうふうなことをやはり明らかにすべきだというふうに思ってですね、このような記者会見に臨んだわけです。

■ 未曾有の危機・・・
ご存じの通り、今NHKは未曾有の危機にございます。受信料の、こうしている間にも受信料の不払いがどんどん増えている、というような情況であります。現場の営業スタッフの苦労というのは並大抵のものじゃない情況にきております。

奇しくも、今年は放送開始80周年という年でありまして、このままいくとNHKの受信料制度、公共放送のそれ自体が非常に危ういというような情況に今、いたっております。なんとかですね、視聴者の皆様の信頼を回復し、NHKが出直すということがですね、一日も早く求められているのだというふうに思います。

海老沢会長が辞任を示唆したかに言われていますけれども、その改革が軌道に乗り、予算編成が軌道に乗ったところで、というようなことを言っておりますけれども、私どもは、そうやって海老沢さんがそういうふうに言って一日延ばせば、それだけ受信料の不払いが増えるわけですから、とにかく一日も早く、べつに海老沢会長がいなくても予算編成はできると思いますから、一日も早く辞任して頂きたいというふうに思っております。

さらにこれからの問題としては、海老沢会長の側近でかためられた経営陣も即座に退陣し、人身を一新して、真の改革を推し進めないかぎり、視聴者の方々の本当の信頼回復というのはなされないのではないか、というふうに私は思っています。

会長が12月の番組でも何度も申していたとおりですね、その業務改革と予算編成が軌道に乗ったら自分自身で出処進退は判断したい、というふうに申しておりますけれども、そういう話を聞くと私どもの職員の多くは、自分の側近が経営に残るメドがたって、自分の影響力がある程度保持することが軌道に乗ったら辞める、というふうに言っているように聞こえて仕方がないわけであります。

そういうふうな意味でですね、私は、会長が辞任を示唆したということで安心するのではなくて、一日も早く会長には辞めて頂いて、その取り巻きの方々にも退場して頂いて、それで新しい体制でNHK改革を一日も早く始める必要があるのではないか、というふうに思っております。

以上です。どうもありがとうございました。

NHK番組政治家介入疑惑(1):長井記者会見(←kitanoのアレより転載)※全文その1

司会(0:00):本来ですとNHKなりの記者クラブでするのが一般的なんですけれども、長井さんの方からNHK内というのは今回の問題の性質上好ましくないといった趣旨の申し入れがありまして、大変異例なんですけれどこちらの会場を記者クラブの幹事としてとることにしました。

NHK番組制作局長井暁チーフ・プロデューサー(0:27):まず先ほど説明がありましたように、NHKでやれば簡単なんですけれども外部でお願いしますということで、このような会場をご準備いただいたラジオ・テレビの皆さんにまずお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。

御存知の通り、昨日の朝刊で朝日新聞のほうに記事が出てしまいましたので、取材が殺到しているということもありますので、記者会見を開いてですね詳しく正確を期すためにも記者会見を開いたほうがいいとの判断になりまして、急遽、今日開いていただいたという次第です。

それでお手元に資料が行っているかと思いますれども(と記者席を見る)、ETVの改変事項についてもあらましは資料の方をご覧頂ければ、これはあくまでも私が見聞きしたことでありますので、これですべて100%正しいかどうかということは、みなさまがたにいろいろとウラ*2をとっていただいた上で記事にしていただければというふうに思うんでありますが、一応、私が知り得たことをなるべく正確に記したつもりであります。

(1:44)まず事件のあらましについてでありますが、実際、その放送は、2001年の1月30日でございました。その29日前日から、いろいろと政治的な圧力を背景にした作り直しというものが行われたわけですが、実は以前にでもですね、この番組はその性質上非常に難しい番組であるということで、いろいろと編集には苦労しておりました。ただそれまでのいろんな議論、編集の作り直しというのはあくまでも番組論での議論であり、まあ取材相手との距離が近すぎるのではないかとか、歴史的経緯をきちんとふまえた方がいいとかですね、世界的な潮流の中で位置付けた方がいいというような、まうそういう趣旨で番組を作っておりました。

(2:30)で、29日、ご案内の通り、松尾放送総局長と国会対策をしております野島担当局長、現在の(NHKの)理事ですけれども、この二人が中川・安倍氏のところに説明に出向きまして、そこから戻ってきた夕方ですね、私も立ち会ったかたちでですね、番組制作局長室で異例の試写を行いました。

(2:56)で、この段階というのはですね、「オフライン編集」というのをアップした段階のテープでありまして、それじゃこういうものを番組制作局長や、ましてや総局長、総合企画室の担当局長が見るということはまずありえないことだったわけです。ですから、非常に異例な事態だったということははっきり言えるというふうに思います。

(3:16)それで実際この日ですね、松尾さんと野島さんが永田町からお戻りになってですね、それで試写を始め、その後いろいろ議論があってですね、番組の大幅な造り替えがなされたわけです。で、44分だった番組は異例の43分といった形で放送されることになりました。

(3:42)つまり、それまでの番組の議論とは、番組論との議論とはまったく異なる造り替えを命じられたということでありまして、これは中川・安倍両氏の意向を反映する形、彼らの了解を得るための造り替えであったことは間違いのない明白の事実であろうというふうに思っております。

(4:01)さらにNHKの方(上層部)はこのことについて、「NHK独自の判断で編集した」というふうにずっと一貫して申しておりますけれども、たとえば翌日にもまた「あと3分のカット」ということを命じられました。これは松尾放送総局長から制作現場に直接出たわけですが、これについては現場の責任者である教養番組部長も、担当のチーフ・プロデューサーも、デスクであった私も全員反対致しまして、なんとか3分のカットということを思いとどまってほしいということで松尾放送総局長に何度も働きかけをいたしましたが、これはまったく現場の意向を無視する形で、三分のカットは業務命令として命じられたと言うことは事実であります。ですから、NHKの上層部が言っている「NHK独自の判断で編集した」ということはですね、まったく現場を無視した放送総局長や番組制作局長がどのようにからんでいたかはわかりませんけれども、そういう判断であったと。それはあくまでも政治的な勢力を背景としたものだったといわざるを得ないというふうに思います。

(5:11)以上が事件の経緯でありまして、詳しくは書面の方でご確認頂きたいと思います。で、このことについてですが、海老沢会長はすべて了解していたと私は考えております。

(5:28)私の信頼すべき上司の発言によりますと、野島担当局長はですね、この事態の経緯を逐一海老沢会長に報告致しておりましたし、当然、海老沢会長の指示や了承を得てこの作業が行われたというふうに考えております。

(5:48)それで、実際に総合企画室と番組制作局がそれぞれ会長宛に報告した報告書が存在しております。これは私は手に入れて目にしておりませんけれども、存在していることは確かなようです。

(6:07)このことについて四年間私も非常に悩んでおりましたけれども、一連の不祥事を経て、去年の九月にコンプライアンス推進室というものがNHKの中に設置され、コンプライアンス通報制度というもの内部通報の制度ができました。そこで私としてはNHKの自浄能力というものに期待をしてですね、去年(2004年)の12月9日に内部通報を行いました。

(6:43)この事件を調査し、その事実を明らかにしてほしいという旨のお願いをしたわけです。で、結果的にはそれが一ヶ月経ったのですけれども、まだ関係者へのヒアリングすら始められていないという事実を私が知るに到りまして、もうこれは皆様、マスコミの方に事実を語るしかし方がないのではないかなということになりました。

(7:09)朝日新聞の方に先に出てしまいましたが、朝日の記者の方が12月の下旬に接触がございまして、私としてはとにかくコンプライアンス通報制度の結果を待ちたいのでしばらく記事にしないでくださいということをお願いしていたのですけれども、一ヶ月経ってもなんの成果も挙げられないということを知るにいたり、記事にされることを私は了承致しました。

(7:32)現実問題として、コンプライアンス通報制度はですね、末端の職員の不正については直ちに調査し、直ちに発表しております。それはご存知の通り、音響効果部の職員が自分で作曲した音楽を外部フロダクションに委託したかのように見せかけて不正にキックバックを受けていたということはご存知かと思いますが、これは内部通報制度によってですね、明らかになった事件なんです。

(8:11)つまり、末端の職員の不正は発見し次第すぐ調査し、公にするにも関らず、NHKの会長やその側近が関った出来事に関しては調査する能力も意思もないということが明白だと思います。つまり、今の海老沢体制のもとではNHKの本当の改革というのはやっぱり難しいんだなというのが、私の今回の経験で感じた点でございます。

(8:42)今回私が経験したことというのは、非常に露骨な形で政治介入がなされたという、稀有なケースかと思いますけれど、実際、海老沢体制になってからはですね、いわゆる放送現場への政治の介入、いろんなレベルのものがございますけれども、放送が中止になったり再放送が中止になったりというようなことは、非常に日常茶飯事に起るようになってしまいました。

(9:14)私は、ひとつひとつ私の関係ないことについてここで述べる立場にはございませんけれども、私自身から経験したことから言っても政治家から批判や非難が来ると、それが制作現場に直にふってきてしまうというような状況が海老沢会長のもとで行われております。特に、報道の現場ではやはり、もうそういう政府の都合の悪い番組の企画と言うものは出しても通らないんだというような雰囲気と言いますか、そういう萎縮した空気が蔓延しているという印象を私は持っております。

(9:53)ですからそういう意味で、不正経理やいろんなものが注目されておりますけれども、海老沢体制のもっとも大きな問題というのは、そういう政治介入を恒常化させてしまったという点にあるのではないかと思いまして、こういうふうなことをやはり明らかにすべきだと言うふうに思ってこのような記者会見に臨んだわけです。

(10:21)ご存知の通り、いまNHKは未曾有の危機にございます。こうしている間にも受信料の不払いがどんどん増えているというような状況であります。もう現場の営業スタッフの苦労というのはもう並大抵のものじゃない状況にきております。奇しくも今年は放送開始80周年という年でありまして、このままいくとNHKの受信料制度、公共放送の存立自体が非常に危ういという状況に到っております。

(10:54)なんとかこれは視聴者の信頼を回復し、NHKが出直すということが一日も早く求められているのだと思います。

海老沢会長が辞任を示唆したかに言われておりますけれども、改革が軌道に乗る、予算編成が軌道に乗ったところでというようなことをいっておりますけれども、私どもはそういうふうに海老沢会長が一日伸ばせはそれだけ受信料の不払いが増えるわけですから、とにかく一日も早く、海老沢会長がいなくても予算編成はできると思いますから、一日も早く辞任していただきたいというふうに思っております。

(11:35)さらにこれからの問題としては、海老沢会長の側近で固められた経営陣も即座に退陣し、人身を一新して真の改革をおしすめない限り視聴者の方のほんとうの信頼回復はなされないのではないかと私は思っております。

(11:57)海老沢会長も12月の番組*3でも何度も申し上げたとおりですね、業務改革と予算編成が軌道に乗ったら出処進退は自分自身で判断したいと申しておりますけれども、そういう話を聞くと私共の職員の多くはですね、自分の側近が経営に残る目途がたって自分の影響力がある程度保持することが軌道に乗ったらやめるというふうに聞こえてし方がないわけです。

(12:32)そのような意味で私は、会長が辞任を示唆したと言うことで安心するのではなくて、一日も早く会長には辞めていただいて、その取り巻きの方々にもですね、退場していただき、それで新しい体制でNHK改革を一日も早くはじめる必要があるのではないかと、そういうふうに思っております。

以上です、どうもありがとうございました。

 

司会:では各社、ここから自由に質問するという形にしたいと思います。マイクをまわしますので。

松本(日経新聞)(13:24) 日経新聞の松本と申します。長井さんのお歳をお伺いしたいのですけれども。

長井 42歳です。

松本 この資料にもあるように、冒頭仰っておりましたが、ご自身が見聞きした範囲内でできるだけ正確を期すということだったんですけれども、そもそも安倍・中川両氏からのああいう番組の改変の要求と言うのがどういうかたちだったのかということは、ご自身で確認の取れる範囲でどうなのかということと、それから松本さんがどういう形でそれを伝えられたのか、最終的に番組改変の制作現場への指示と言うのがどういう文言なり書面だったのか、どういう形で指示を受けたのかという三点を教えてください。

長井(14:16) 経緯としては、29日の数日前に、NHKの国会対策の職員が、中川さんたちに呼び出されて相当激しくその番組内容を批判され、放送を止めろということを言われたらしいです。それはおそらくこれは大変なことだということで、野島担当局長が手配して29日に放送現場の総責任者である松尾放送総局長を中川さんと安倍さんの所に説明にいっしょに行ったという経緯です。そこでも松尾さんはあれこれこういうふうに手直しするので放送させてほしいということを言ったらしいのですれども、まあ明確にお二人から了解は得られなかったと聞いております。で、そこから帰ってきたのが私が立ち会った試写でありまして、そこでは終始野島さんがリードするかたちで造り替えが行われました。その時、その時点では私自身は「ああこれは政治がらみだな」ということはわかっておりましたけれども、申し入れた相手が中川さん安部さんだということは全然知らなかったのですが、それを知ったのは放送の後にある上司から教えられてはじめて判ったわけですが、その時のやりとり等からもう政治的な圧力、その批判をかわすために番組を造り直すのだなあというようなことを私は認識しておりました。その時は一応議論を経てこういうふうにしたらどうかということで43分バージョンというものが作られたわけですが、その翌日というのはもうほんとにスタジオの作業は最終段階の局面になっていまして、もう完成間近というところに電話がかかってきまして、教養番組部長が呼び出されてですね、こことここを三分カットしろというような指示がございました。私はその時は断固反対してですね、組合にもそのことを訴えてなんとか松尾総局長の反意を促せないかということで話をしましたし、担当のチーフ・プロデューサーも私の意見に同意してですね、松尾放送総局長に会いに行きました。でもその時の話は、とにかく全責任は私が取るので指示通り作業を進めてほしいという松尾放送総局長が言ったというふうに聞いております。

本田(朝日新聞) 関連してよろしいでしょうか。朝日新聞の本田と申しますが、ということは安倍・中川両氏はですね、この二人が認めている29日に松尾総局長や野島担当局長と会ったということだけではなくて、その数日前に仰いましたね、数日前に野島さんとかそれから国会担当の役員を呼びつけて相当がんがんやったと。このことについては誰が長井さんに話して確認されているんでしょうか。

長井(17:13) 名前は明かせませんけれども、信頼すべき上司としか申し上げられないのですけれども、その最初に呼び出しのあった日にですね、中川さん安倍さんが全員揃っていたかは私は存じ上げません。とにかく中川さんたちのメンバーだということで、おそらく数人いらっしゃったんだと思います。そこに、役員というか国会対策の総合企画室の職員が出向いてですね、説明をして批判されたということだと思います。

本田 関連して、そこには野島担当局長がおられて他には誰がいたんですか。

長井 他のメンバーはよくわかりませんが、野島さんと中川さんがいたことは確かなようです。

本田 伊東律子局長はいらっしゃいましたか?

長井 そういうふうには聞いていません。

本田 もうひとつだけ関連して、今日配られた書面の中で、NHKのコンプライアンス推進室の方から12月17日に調査することになったという返事があって、そして一ヶ月も経った今日に到っても関係者にヒアリングすら行われていませんとありますが、これは開始されていないことはどのように確認されましたか?

長井 ちょっと説明いたしませんでしたが、このコンプライアンス通報制度と言うのは外に窓口がございまして、東京丸の内法律事務所というところでございますれども、私はこの外の窓口を通じて通報したということですので、この弁護士さんから17日にまず調査することになりましたというご連絡は頂きました。そのあと私が1月6日にもうすぐ一ヶ月経とうとしているけれども調査はどうなっているのですかという催促の書面を出しました。そうしましたら通報窓口になっております弁護士の方からご連絡がございまして、理由はこうでありました。野島さん、松尾さん、伊東さん、番組制作局長ですけれども、この三人にヒアリングを申し込んだけれども、この問題は裁判で争われている最中なので応えられないと言ってヒアリングを拒否されたというふうにですね、そういうような事情があって調査が進んでいませんという連絡を頂きました。

本田 念の為に確認ですけれども、私が入手しておりますNHKのコンプライアンス規定によりますとですね、推進室が調査を開始したらNHKの職員や機関は協力しなければならないという義務があるはずですが、ということはNHKの三人の松尾、伊東律子、それから野島担当局長はこのコンプライアンス規定違反ということが言えるんでしょうか?

長井 その辺は私もよくわかりませんけれども、裁判で争われているということが理由になるとはちょっと思えないです。

竹内(フリー) よろしいでしょうか。どうもフリージャーナリストの竹内*4と申します。こんにちは。二点質問させていただきたいのですが、さっく組合にお話をもっていかれたというところがございましたが、そのところをもう少し詳しくお聞きしたいのと、あと局内の考査室に放送活性化会議というムスタンの不祥事以降設置されてかけこみできるようなものが小さいながらもあったと思うのですけれども、そのことはご存知だったかなというのと、そこにこうなにか無かったのかというところを是非伺いたいと思います。

長井(21:08) ご存知の通りNHKは管理職になりますと組合員ではなくなるという制度になっておりますので私は現在組合員ではございません。ただこの事件が起った当時はデスクということでまだ組合員でございましたので、組合にはこの問題に関して、内部通報するということに関して11月からご相談を申しあげて、とにかく私が一番恐れましたのはこれだけ不祥事がたくさん出ていて、このことが出ることによってさらにNHKに不祥事がプラスされたというふうに視聴者の皆様に思われ受信料不払いが増えることを非常に危惧しました。ただ組合は、ご存知の通り会長と経営陣の退陣を要求しておりますし、その時の組合員の意見としては、この際、膿はすべて出しきってやり直すんだということで、そういう励ましのお言葉を頂きましたので通報にふみきったというような次第です。ですから組合とはそういう形で連絡がございます。

それから考査室云々の話は、私はよく存じ上げませんが、おそらくムスタンの時に作られたのでしょうが、まったく機能していないと思います。

竹内 事件直後ですね、なにかアクションをおこしたいと、つまり三年前ですよね…

長井 四年前です。

竹内 それはどうでしょう? 

長井 まあ本来は…あの時に徹底的に反対すべきだったという反省を今は思っております。ただ、これはほんとに言い訳になってしまいますけれども、非常に右翼からの攻撃がNHKのまわりにあり、非常な喧騒した状況の中で作業が進められ、まあほんとに突貫工事で何日も徹夜が続いているというような作業が続いておりました。ですからまずひとつは正常な判断能力がはたしてあったのかどうなのかということにちょっと疑問がございますし、あと私自身が最後まで戦えなかった理由は、私はいいのですけれども、現場に投入されたディレクター三名がございました。ですから、私が死守すれば彼らはそこで作業を止めて最後の三分は切らないというふうに作業の態度をとったと思いますが、そうすると彼らも全員処分の対象となるということがまず一点です。それと、私自身がその前の日の29日の造り替えを受け入れた理由についてですが、ちょっと前後しますけれど、申し上げますと、こういうふうになってもやっぱり元慰安婦の方々の証言というものがその時にはまだ手がついていませんでしたので、これがやっぱり放送されて一般の視聴者の皆さん、国民の皆さんに伝わるということは一定の意味があるだろうということは、私はその時は受けとめたんです。ただ、それは現実的には非常に甘い判断でして、翌日、手をつけられたのは主に元慰安婦の方々の証言部分がカットされたということなので、つまり29日の時点の造り替えを受けてしまったことが、結果として30日も踏みとどまれなかった原因だろうと私は思います。(目を閉じて俯く)

竹内 いまの話に関連してですけれども、もしその当時、長井さんはデスクで、上にチーフ・プロデューサーがいらっしゃって、現場全員が3分のカットに反対したのだったら、今日記者会見されているように反対して、そして業務命令違反で処分が下る前に全員で一致団結して記者会見をして、この上からの圧力や政治的介入を明らかにするという、そういう現場での解決の方法というのは、やっぱり思いつかなかったのでしょうか?

長井 ……ひとつはその時に私は実はスタジオから、私のよく知っている放送系列の委員長に電話をしまして、なんとかならないかということで話をしました。しかしそれはいまからすると私は非常に後悔しているのですけれども、そういう事態、実際には29日からですけれども、そういう事態になっているということを私は組合に伝えていなかったので、突然、放送の数時間前という段階で報告をしたんですれども、組合のほうはあまりにも急なことなのですぐに動けないというニュアンスでございました。組合がもし動くということになっていればまあもうちょっと事態は変っていたかもしれないですが、おそらくそれについては日報労の方にも反省があって、そういうこともあって今回は非常に私の内部通報に対して非常に協力してくださっているのではないかなというふうに理解しております。

本田 法の専門家の立場から近藤先生にお伺いしたいのですが、私の先ほどの質問で、コンプライアンス通報制度規定にあります職員とか機関は調査協力義務があると書いてあるのですけれども、ヒアリングを拒否した野島、それから松尾、それから伊東律子というこの三人の方々はこの規定違反になるんでしょうか?

近藤弁護士 対象は「職員等」ですね。定義が三条にあるようなので、厳密に言うと「現在のNHK職員」の方というのはやはりこれに該当します。現在のNHKでない方もいらっしゃるようなので、その点は若干これに該当するかという問題があるかと思いますが、職員等に該当するということになれば、これは内部規定でございますけれども、この規定の義務違反になるだろうということになります。もちろん正当な理由があればということはあるんですけれども、まあ裁判が正当な理由になるのかという、そういう問題になるかとは思います。ただまあ基本的には内部規定の義務違反ということにはなるんだろうとは思いますね、まったくの拒否をするということであれば。

本田 もう一点、長井さんの御見解をお伺いしたいのですが、一連の報道に対して安倍さんと中川さんと若干対応が異なっていてですね、安倍さんの方は自分は決して呼びつけたのではなく、NHK側が来て説明したんだと言っていますが、そういうことはあり得るのかということと、日常的にそういう政治の介入をゆるすということがですね、NHKの幹部の方が、しょっちゅう自民党に呼ばれたか説明に行くかは別にして、行く体質というのはいったいどういう中から生まれてきたんでしょうか。

長井 まず29日について、呼ばれたかどうかということについていえば、松尾放送総局長は呼ばれたと認識しているようです。全体になりますので、そもそも野島担当局長が手配するに到ったその前段の部分がもっと詳しくわからないとですね、その辺のところは明解にならないと思います。…もうひとつは?

本田 そういう体質の…

長井 ええ、それはもう、まったく違うことを申しあげるのはどうかと思いますが、海老沢会長自身は、政治的な、具体的には経世会の力をバックにして会長まで上り詰めた方なので、一見、政治家に対しては強いんじゃないかと思うきらいはあるんですね。現実には、政治部記者の方々が国会対策、政治家対策をされているわけですが、逆に、海老沢さんは政治家の方々にものすごく気をつかう方ですけれども、逆にそのことがつけいれられる。何か言えば説明に来るし、何か言えば影響力を行使できるというふうなことを議員の中に広めてしまったというということがあるんじゃないかと思います。

本田 すいません、これは長井さんでも近藤さんでもどちらでも結構ですけれど、コンプライアンス通報制度の窓口が丸の内法律事務所ですか。この法律事務所というのはNHKの顧問弁護士さんがいらっしゃる弁護士事務所だと思うんですけれど、こういうところに、これがまさにいま裁判をやっている時にですね、バウネットがNHKを訴えている裁判でNHK側に立っているわけですよね。そうすると、先ほど長井さんが仰ったこの制度自体が、外部窓口とはいえですね、NHKの顧問弁護士がやっていると。これは独立性が確保できないというか、最初からここは期待できないんじゃないでしょうか?

近藤 仕組みとしては、窓口にすぎないんですね、法律事務所は。法律事務所は窓口で、実際にやるのはコンプライアンス推進室でやるわけですから、少なくとも意味としては内部でそういうことをやるよりも、少なくともそういう申立があったということははっきりすると。そこがまあある意味では弁護士の義務と申しますか、そういうことになりますから、実際問題として本件は、くれぐれも申し上げますけれど、長井さんのこの問題は裁判とは一切関係無い。効果の問題は別として関係無い。長井さんとしてはこういう問題をしたいということでやっていますので。その場合、たしかに裁判で代理もやっているということになりますから、外部窓口の法律事務所としては非常に難しい立場にたつということはあるんだろうと思います。ただ、職務としてそういう申し出を受けてきちっとそれを調査しなさいと、そこまでの点で意味が無いということは無いと思います。あとは内部のコンプライアンス室、そこがどういう調査をするのかというところがやはり問題になるんだろうと思います。

?(21:51) …です。今回こういう政治的な圧力があったと。今後これを改善していく上で、たとえば海老沢会長以下、役員陣がかわれば、人の面で変ればかなり変わっていくのか、あるいはもう国会に予算がおさえられてしまっている部分があるので、なにかシステム自体を変えて行く必要があるのか、ここら辺は現場の方はどうお考えなんでしょうか?

長井 番組制作局の人間がこういうことをお話することかどうかはあれなんですけれども、ひとつジャーナリズム論として国家権力・政治権力とジャーナリストとの距離という問題がここにあると思います。欧米ではジャーナリストを志す人であればまずイロハとしてそういうことを、つまり国家権力に肉迫しなければならないけれども一体化してはいけない、癒着してはいけないということは当然まず学ぶわけです。NHKの政治部記者だけなのかどうかというのは私はよくん存じませんけれども、どうもそういうジャーナリズム論、倫理というふうなものがまだ日本では確立されていないんじゃないかなというふうなきがいたします。

(33:11)NHKの政治記者の方の中にも立派な方がたくさんいらっしゃるのではないかと思うんですけれども、かえってそういう方は偉くならずに、何のてらいも贖罪意識も感じないような人、それで政治家と一体化できるような方がまず偉くなっているということは言えると思います。それは島会長にしても海老沢さんにしてもそうですし、いま海老沢さんの取り巻きの政治記者出身者のひともみんなそうだと思んですね。NHKは行動倫理憲章というものを作ったんですけれども、ほんとうはそういう中に、たとえば政治権力と関係を持つ業務をしている方々にはどういう姿勢で望むべきなのか、どういう行為が不正行為に当たるのか。たとえば自民党のある派閥のために行動したり、ある政治家の委託を受けてなにか放送内容に影響を及ぼすと言ったことがあった場合は、それは明らかな不正行為であるということを規定して、それを守るというようなことが必要だと思うんですが、いままでそれはNHKのなかで実際は無かったんだと思うんですね。

ひとつはそういうことですし、やはり政治と癒着する可能性のある人たちが少なくとも経営に携わるというようなことをなんらかの形で制御するようなシステムっていうのが、なんらかの形で必要なのではないかというふうに、私の個人的な見解ですがそう思っております。

NHK番組政治家介入疑惑(2):長井記者会見(その2)(←kitanoのアレより転載)※全文その2

松本(34:51) ちょっと追加で細かいことですが、先ほどご年齢をお伺いしたのですけれども、念の為、生年月日をこの場でお聞かせいただいてよろしいでしょうか。

長井 1962年の8月■日です。*1

伊田(週間金曜日)(35:18) 週間金曜日の伊田*2と申します。安倍さんとか中川さんが、反論というかコメントを出しているのですが、それについての御見解をお伺いしたいと思うのですけれども、まず具体的にはですね、国際法廷を取材すること自体が法廷の趣旨に反しないという誓約書を出さなければいけないということ自体が放送が偏っている内容であると安倍さんは言っているのですね。それから拉致問題を含めて北朝鮮側の意図になっていると、それから弁護側の反論が、証人の部分が無いのでやっぱり偏った内容だと判断したというふうに言っているのですが、そのことについてはどう思われますか?

長井 誓約書云々ということは私はまったく存じ上げておりません。ご案内の通り、現場で取材を担当したのはドキュメンタリージャパンでありまして、その点については私は一切聞いておりません。あと公平性ということについて関して言えば、私共はそれについては非常に心を砕いて番組を制作。ですからあくまでも29日に到るまでの教養番組部長とチーフプロデューサーを含めた、当然ネップ21*3、ドキュメンタリージャパンとの議論と言うのは取材がちょっと充分ではないという中でどうやって取材相手と距離を作るのかということがまず一番大きな問題としてございました。それとやはり歴史的な経緯の中できちっと位置付ける、世界の動きみたいなこともきちっと前提としておさえると。やはり4本のシリーズでその当時を見ていただければよくわかりのですが、2回目のシリーズは非常に、第2回目の「問われる戦時性暴力」に関しては、まあそれしかご覧になられない方もいらっしゃるわけですから、そこをどういうふうにこの回だけを見た人にもその辺のことがわかるか、伝わるかということで心を砕いたわけです。それでその法廷の不成立の条件といいますか、弁護人がいないとかですね、これはあくまでも民間の法廷であってなんら強制力を持つものではないとかですね、そういうことは番組の中では再三申し上げてですね、あくまでもこれは法廷の中身を、民間団体の方がやられたことをそのまま伝えるんではなくて、あくまでもそれはひとつの素材としてそこでの取り組みを素材としつつ、スタジオでの話だったりNHKが我々が独自に作るVTR等をはさみながらやっていくということなので、おそらくそこのところが民間団体でやられたことがそのまま放送するというように、中川さん安倍さんは受けとめられたのではないかなというふうに思っております。

伊田(38:05) 実際ご存知だと思うんですけど、実際には法廷では弁護側の証人がいたわけですよね。(長井頷く) で、安倍さんのコメントを見ると、法廷自体に無かったのか、あるいは放送されようとした番組自体にそこの証言部分が無かったのかはちょっとはっきりせずあいまいなわけですが…

長井 証言というのは? 弁護人の?

伊田 はい、弁護人ですね。

長井 ああ。

伊田 それはバウネットの昨日の会見ではですね、もともと入ってたのが途中の製作過程でカットされたと。(長井「キューレーター何でしたっけ…弁護士の代りに…」と近藤氏にたずねる)カットされたのが急に秦さん*4なんかのコメントでそれが入って無いから偏った法廷だったというような、それが無いから偏った法廷なんだというようなコメントを番組の中で話しているんですけれども、そのあたりの経緯というかお伺いしたのですが。

長井(38:58) その弁護人がいないということに関して、その弁護人に代わるアミカツキを立てたということは、どこかの段階では編集の段階ではきちっと言うということになっていたのですが、結果的にどこでそれが入らなくなったかは今はっきりおぼえておりませんけれども、まあそれは落ちてしまったと。おそらくそれはそういうこともあって秦先生のですね、発言が非常に突出した形になってしまったんではないかというふうに思っております。当然それはその法廷の性格や、その法廷の持っている限界性みたいなことはきちっと言うべきでありますし、我々はそれに心を砕いたつもりではございますけれども、結果的には言い尽せなかったところはあるかもしれません。

伊田 最後の質問なんですけれども、海老沢さん経世会ということもあってですね、最終的には経世会の政治力で森派の方をおさえるのではないかという判断が上層部のほうであったのではないかという噂を聞いているのですが、それについてはどういうふうに思われているでしょうか。

長井 その辺の詳しい経緯は私は政治部記者では無いので詳しくはわかりませんけれども、とにかくひとつ私が印象として持ったのは、つまり、視聴者にソッポを向かれても、NHKの大多数の職員からソッポを向けられても、会長はやれるというふうに海老沢さんはお考えになっていた。つまりそれは政治家がソッポを向かなければ大丈夫なんだと、思っていたのだと私は思います。ですから私自身がほんとにどうすることもできないなと思ったのは、あれだけ視聴者の方々から批判が寄せられて自身での不払いが急増しているなかで、「私のところにはガンバレという声しか聞こえてこないんだよ」という発言があったかと思うんです。私はあれを聞いた時にこの人は完全に“裸の王様”なんだな、と。実際、話を聞きますと、たしかに会長室に来て話をする関連団体の社長さんや役員の方々はみんなガンバレガンバレと言っていたことは確かだったようですね。ただ、それはほんとにまに受けていたとすれば、非常に社会常識を疑わざるを得ないというふうに思います。

伊田 もう一点教えてください。今回の問題は、そもそも放送前に介入を受けたということがあるかと思うんですが、番組の製作過程或いは放送の前に何らかのかたちで中川安倍両氏に知るところとなった経緯についてどのようにお考えでしょうか。事前にというのはよくあるケースなのか、漏れるという、第三者がそういう番組の内容を知り得るということはどの程度…?

長井 それはあくまでも推測でしかないですからそうだとは言えないのですけれども、ひとつはバウネットの方の機関紙、インターネットも含めてかなりNHKでやりますということを宣伝されたんですね。おそらくそれをご覧になった方が安倍さん中川さんの方にですね、NHKでこんな番組をやろうとしているというふうにですねお伝えになったのではないかなというふうに私は推測しております。

? その関連ですけれども、それをご覧になった方というのはちょうど安倍中川両氏の圧力と同時並行というか、それより先行して1月の中旬から右翼団体がNHKにやってきて放送中止を求めますね。ということはこの右翼団体の人たちがそういう情報を持っていたということなんですか? その人たちということですか?

長井 そうだろうと思います。

? 最終的に4分カットされたオンエアされたものと同じもの、オンエアをご覧になった時のご感想をお聞きしたいのと、今回こういった行動を起こされることを思い至るときに、かつての番組メンバーに長田さんは声をかけたりはなさったかとこの二点について。

長井 まず後の方から言いますと、長田さんには一切相談しておりません。相談すれば迷惑がかかりますので相談しておりません。一つ目はなんでしたっけ…。

? …オンエアの時の…

長井 オンエアの時の、オンエアというか私自身製作過程で何回も試写をしているわけですから、まあはっきり言いますと29日の改変をもってこの番組の企画意図は大きく損なわれたと思っております。さらに三分カットされたことによって、非常に、さらに損なわれて番組としての体を為さないものとなってしまったというふうに私は認識しております。

? 今日、記者会見されるにあたって、昨日いろんな記者クラブを通じてたくさん通知がいったりしたんですけれども、NHK側からはですね記者会見しないようにというような何らかの圧力はありましたか?

長井 まあ圧力っていうことはありませんでした。ただ、まあなんといいますか、私の同僚から上の方の人たち、私のかつての上司がいま理事だったり局長だったりしますのでそういう方々が心配しているよとかですね、記者会見やめた方がいいんじゃないとか、そういうふうな話はありましたが、それがそういうふうな意を受けたものかは私はよくわかりません。

? やめた方がいいということは、記者会見をすれば長井さんの身の上になんらかの不利益があるんじゃないかと。

長井 というか、そうですね、そういうふうにみんな心配しているよというような話はございました。ただそれはそういうふうに上の方から直接の電話ではありません。同僚からの、友人として伝えるんだけどというふうな形で電話が何件かございました。

? すいませんちょっと資料が足りなかったので書かれていることかもしれないですけれども、さきほどから言われている最後の最後の3分カットの中身なんですが、どの部分が無くなったのかという具体的な部分と、最初の質問にもあったかと思うんですが、安倍さんたちが具体的にここをこういうふうに直せと言う具体的な指示、直接的には野島さんのリードということで言われておりましたが、そういう踏み込んだ指示があったのかどうかということと、最後に不利益をこうるかもしれないという心配が寄せられたということですが、その不利益を被ってもかまわないというご自身の決断があったのか、それは感想ですけれど三点お願いします。

長井 まず最初に、最後の三分でカットされたのは、中国人の被害者の方の紹介と証言部分。もうひとつは東ティモールの元慰安婦の方の紹介と証言部分。それから加害兵士、元日本軍の証言部分。この三点がまったく抜け落ちました。

それで安倍さん中川さんがどういうふうに発言したかということに関しては、総合企画室の報告書を見ればおそらく出ているのだと思いますけれど、私はそれほど詳しくは聞かされておりません。ただ、ひとつは日本国の天皇有罪の認定を下したということは、そういうふうなことは絶対やめろというようなことと、あとは中立のものにしろというふうな表現であったかに聞いています。

で、不利益の問題のことですが、まあおそらく不利益を被ることにはなると思うんですけれども、私自身もこの四年間、私もサラリーマンですし、家族もあります。まあ家族が路頭に迷うわけにはいかないので、この四年間非常に悩んで…(うつむく)。………………。でも、あの………………………やはり真実を述べる義務がある……というふうに…決断するに到りました。(涙をみせる)

? 川崎さんが書かれた本のなかでこの番組カットがあった後にですね、NHKの君が代の歌詞が一時流されると。それは右翼団体とのなんらかの取引があったんですなかったかと川崎さんが書かれていたのですが、そのことについてはなにかご存知でしょうか。

長井 まった存じ上げておりません。

田村(日経) 日経新聞の田村と申しますが、先ほど放送中止であったりということは日常茶飯事のように行われるようになってしまったというお話だったんですが、いまこの問題になっている番組以外にですね、具体的にご自身で担当されたものでこういう形でたとえば修正されたとか、あるいは周辺でご存知の番組でですねそういうものがあれば教えていただきたいのですが。

長井(49:23) まず噂で聞いていることはたくさんありますが、それについては私がやっぱりここで述べるべきことではないと思いますので、私自身が担当した番組のことだけを一点申し上げます。

私がデスクでやった番組で、同じ2001年の9月に放送されたNHKスペシャル「狂牛病 感染はなぜ拡大したのか」という番組がございました。

これはまだ日本で狂牛病というものがそれほど注目されていない段階で、私共の班の非常に優秀なディレクターがですね、イギリス政府が出した膨大な狂牛病に関する英文の報告書を全部読んでですね、企画を出してきた番組です。それで主にイギリスやヨーロッパを取材しですね、いち早く狂牛病の感染源が肉骨粉であるというようなことを番組で明らかにし、ヨーロッパからの輸入がされているので日本でも狂牛病が発生するおそれがあるということを初めて伝えたNHKスペシャルでした。

これは2001年9月16日の日曜日に放送されたんですけれども、それで視聴者からの非常に大きな反響があってですね、当時は再放の枠で「あなたのアンコール」という枠が日曜の午前中にあったんですね。翌週の「あなたのアンコール」という枠でこのNHKスペシャルが放送される予定が決まりまして、放送されるんだろうというふうに私共は思っておりましたが、自民党の農林部会でこの番組に対する批判が出まして、それがどういう形でNHKに伝えられたのかは私は存じあげませんけれども、海老沢会長の意を受けた当時の諸星報道局長がこの再放送をつぶしに回ってつぶしました。その時の理由としては、「政府が」、その時にはもう狂牛病の第一号が出ていたのだと思いますけれども、「政府がいま対策を考えているので再放送するんだったらそういう対策をいれてから再放送したらいいんじゃないか」というような、理由はそういう理由でしたが、その後結局再放送されないという事態になっております。

私が申し上げられるのはその一件のみです。

上杉(フリー)(51:48) フリーランスの上杉と申します。二点ありまして、29日の件ですが、午後に野島さんとか松尾さんが国会のほうから帰られてセンターに入った後にお会いしているのですが、長井さんが。(長井うなづく) その時に他に総合企画室で野島さん以外どなたか同席されたかということが一点と、先ほど一番最初の方で質問があったんですがその際に、政治家からの、まだ名前はわかっていないと思うのですが、圧力があったということで放送する番組の変更を求めたということですが、もう少し具体的にですね、野島さんから何を言われたのかということをお教え頂ければと思います。

長井 野島さんから永田町でなにかあったということは一切聞いていません。まずひとつは、野島さん一人です。それ以外の方はいらっしゃいませんでした。その時には野島さんは具体的に政治家からどうこう言われたとかですね、これでは了解が得られないなというような話は一切無かったです。ただ、番制局長室に入った時に、伊東律子番制局長が「この時期にはNHKは政治と戦えないのよ」というふうにいきなり切り出して、「天皇有罪とかそういうのは一切無しにしてよ」ということがいきなりございましたので、ああこれは政治家からかなり厳しい批判が来ているのだなということはすぐに理解いたしました。

上杉 「この時期に」と伊東さんが仰ったことは予算の…?

長井 そうです。そうです。まさにこの数日後に自民党の総務部会でNHKの予算説明というのが予定されていましたので、そういうことを意図していると私は直感的に理解しました。

日下部(サンデー毎日) サンデー毎日の日下部*5と申します。二点。ひとつ確認なんですけれど、政治家のだれかに事前に番組のビデオを見せたということはないのでしょうかということが一点と、もうひとつ、ご決断になった時期、こういう形でアクションを起こされることをご決断になった時期、先ほど11月というお話がありましたが、ご自身の中ではだいたいどの頃に決意が固まってその時に周囲の人たちに協力を、あるいはまったくまったくご自身ひとりでお決めになったのか、その辺をお聞かせ下さい。

長井(54:19) まず、ビデオに関しては見せていないと思います。もしビデオを見せているようなことがあれば私が、デスクというのは現場の責任者では無いですけれども、現場の作業一切をとりしきっていますので、それは全部わかります。ビデオということは無いと思います。おそらくメモ、なんらかのメモで説明したのではないかというふうに私は理解しております。

決心するに到った時期ですが、これは自分で11月ですやはり。11月に、まあ家内とはずっと話をしていたのですけれれども、家内の了解を得られたということで踏みきりました。それでそんなに多くの人には相談しておりません。私のほんとに信頼すべき友人数名と、あとは組合の方に先ほど申し上げた通り相談しただけです。

日下部 信頼すべき上司という方が先ほどから出ていらっしゃいますけれど、それがまあ安倍さんと中川さんの関与と言うのがはっきり仰られたと思うんですけれども、信頼すべき上司は直接たとえば安部さん中川さんに会った時に同席された方なのか、具体的になっちゃうとアレなんですけれども。

長井 つまりですね、私自身の問題として私がどういう不利益を被ってもそれはかまわないんですけれども、そういう形で、NHKの上層部にも非常に良心を持った方がいらっしゃるわけで、その方まで私は巻き添えにするつもりは全然ないので、それについては一切お答えできません。

?(56:58) 昨日(1月12日)ですね、安倍さんはこうコメントを申しておりますね。番組についてですけれども、「拉致問題に対する沈静化をはかり、北朝鮮が被害者としての立場をアピールする工作宣伝活動の一翼を担っているとにらんでた」(長井氏、プッと吹出して笑う)その上「薄汚い意図を感じる」とまで彼はコメントを出しておりますけれども、改めてですけれどこのコメントについてどうお考えですか。*6

長井 まったく事実無根だと思います。 NHKの中にはたしかにいろんな思想信条を持った職員が当然いると思うんですけれども、当然、番組化する、おそらくみなさんが記事を書くときも同じだと思いますが、当然それは企画会議を何回も経て企画が通るか、採択されるか採択されないか、それでまた取材した後もこれはまだ素材が足りない、取材が足りないということで追加の撮影だとか、延長作業ということで非常に大勢の方の制札現場に目が入るわけですよね。ですからたとえ一人二人の人間がなにある政治的意図や目的を持ってやろうとしてもそういうものは全部途中でふるいに落されてしまいますから、そういうふうな意味でNHKの中立公正、番組の中身に関してのですね、私は保障されているというふうに思います。ですからそういう政治意図というのはあり得ないですね。

? このコメント最初に聞いてどんなふうに思われましたか。

長井 や、びっくりいたしました。

(ビデオ中断)

? 報告書がすべてを物語っているところもございます。その報告書がどこにあるのかという、その存在自体、あるいはそれは公開の可能性等々どのようなことであるかと。ちょっとそのあたりについてお願いします。

長井 公開の可能性は私は全然わかりませんけれども、通常こういうふうな事態が起るとですね、NHKはきちっとした官僚機構がございますから、だいたい文書にしてメモとか報告書というかたちで会長の方に報告されるのが通常です。ですからまずひとつは総合企画室が作った報告書と言うのが、総合企画室と会長室にあると思います。番組制作局が作った報告書も同じように番組制作局と会長室にあると思います。

? わかりました。ということは総合企画室が文書をつくったということは、そういう事実はあるということですね。

長井 番組スタッフが作ったものは非常に後で、数ヶ月後にかなり体系的なものを作ったように聞いておりますが、総合企画室が作ったものは、体系的なものというよりは逐一、こういう発言があった、こういうやりとりがあったものだというものだというふうに推測しております。

近藤 ちょっとお待ち下さい。若干補足されていただきますけれども、長井さんがこういうことをやったからといって内部告発のこの手続きがストップすると、やらなくていいということはどこにも書いておりませんので、こちらとしては内部通報のこの制度にしたがってですね、いまおっしゃった報告書のことも含めて、きちっとそれは内部通報制度の推進室がやっていただけるものだというふうにはこちらは考えておるんです。きちっとした結果をですね、だから長井さんがこういうことをやったから、この内部通報の制度をストップしてということはどこにも書いてありませんので、きちっと最後まで調査して、報告書を出して、きちっと公表してほしいというのが、もちろんこちらの希望であるということになります。

? すいませんもう一点簡単に。先ほど中川氏に見せたのはビデオではなくメモではないかというお話でしたが、これは台本というのが出来ていて、台本をめぐって会合が行われていた(長井氏首を横に振る)と思いますが、台本を見せたんでしょうか?

長井 台本は見せていないと思います。もし台本をコピーしろということであれば、そのことも私が把握すると思いますので、あくまでも先程来説明しているように野島さんも松尾さんもですね、そこで29日にはじめて見たわけなんですね、番組についてはですね。で、私の台本というのはまだ完成稿ではなくてですね、試写段階のものは完成稿ではなかったわけです。ですからこれを持っていくということはちょっと考えられないので、あくまでも見た結果として、まずは番組についてどんな番組なんだという概略はメモでまず説明して、最終的にはその変更点を伝えたのかということはわからないのですけれども、ビデオや台本を中川さんに渡すということは無かったというふうに理解しております。

? 今回、こういう話は今後起きては困るとおもわれるんですけれども、こういう問題を根本的に防ぐためにですねどういう手だてをとればいいか。現場にいらして考えておられるところがあれば聞かしていただきたいのですが。

長井 先程も申し上げましたけれども、やはりきちっとした制度を作るという、そういう倫理規定が当然必要ですし、制度を作ってやっぱりそういうこと、つまりある政治勢力や派閥のために行動するようなことがあったら直ちに処罰するような、そういう制度がまず必要なんじゃないでしょうか。あとはやはりそういうことを二度と起こさないという意味で、NHKの経営陣がですね、固い決意でそういう制度やいろんなものを作っていかなければならないのではないかと思っております。

?(赤旗)(1:01:53) 赤旗のにだい(?)と申しますが、長井さん、いまどのようなお仕事をされているのか、コンプライアンス委員会に訴えて以降お仕事に変化があったのか、そしてあと今後ですね、ご自分の身分を含めて事態がどのように展開していくのか、またいってほしいのかということをお聞きしたいと思いますが。

長井 私は現在、所属はここにご案内の通り、教育番組センターのチーフプロデューサーですが、放送総局の放送80周年事務局というところに出向しております。内部で出向しているという形ですね。放送80年の関連の特集番組や世界遺産、そのような番組を担当しております。一昨年は放送テレビ50周年ということで、テレビ50年関連の特集番組「国際協力イベント 未来の航海」とかですね、そういうふうなものを担当しておりました。

あともう一点ございましたね。とにかく私自身はそういう大きいことを言うつもりは全然無いんですけれども、やはり先程来申し上げた通り、海老沢会長に責任があるわけですから、ただちに辞任していただきたい。経営陣も責任がありますから経営陣も直ちに辞任して頂いて一日も早く新しい会長と新しい役員、経営体制のもとでNHKが徹底的な改革を進めて蘇ってほしいと、そういうふうに思っております。

 各社よろしいでしょうか。…。では一時間過ぎましたのでこのへんでおわりにしたいと思います。長井さん、近藤弁護士どうもありがとうございました。

長井 どうもありがとうございました。(拍手)

(撮影:ビデオニュース)