その後の「「マスコミは非常識」首相が批判」

↓前の、俺の日記の記述はこちら
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20030617#p1
でもって、参議院決算委員会での議事録が見られるようになってたのでご報告。
↓全文を見てみたい人は以下のところ
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0115/main.html
俺がネタにした部分だけ引用してみると、以下のようになります。


岩本荘太君 国会改革連絡会(自由党無所属の会)の岩本荘太でございます。
(中略)
 一つは、政治と金の問題、大分今国会で審議をされました。大変いろいろと表ざたになったわけでございまして、これは、私どもも含めて、国会議員としても何とかしなければいけない、我々自身も心配している問題でございますし、本当に国民の皆様に対してしっかりと釈明できるようにしなきゃいけない、しっかりと対応を組み立てなきゃいけない、このように我々も考えておるわけですが、そういうことに関していろいろと質問もございました。
 私が一つ取り上げたのは、これ、今年の三月十一日、予算委員会で、民主党福山哲郎議員の質問でございました。
 これは御本人に了解を得ておりますのでここで取り上げさせていただくわけでございますけれども、彼もやはり心配しているわけでございますけれども、そういうものに対する総理の御答弁が、これ議事録なんですけれども、一部で、私の説明だけでは言い尽くされないかもしれませんが、総理の御答弁で、法律がありながら、法律を尊重すべき立場でありながら、法律を守らなきゃいけないのに守っていないところにおいてこういう問題が出ている。まず、法律を守れと言いたい、議員も秘書も。幾ら法律作っても法律守らなかったらこれはどうにもなりませんよと。ごく当たり前のことだと思いますよ。
 しかしこれは、質問する側はそれを期待しているんじゃないんですね。総理といえば、例えば法律がもし悪くて改正するとすれば、これは国会ですよね。国会人として最高の地位におられる方である。それからまた、法律を作った後、これを守らすといいますか、これをしっかりと軌道に乗せる行政の最高におられる方、そういうお立場の方が、ごく一般の人のお答えのようなこういう御答弁をされると非常にフラストレーションがたまるわけですね。その辺を、この際、総理、しっかりと国民に向けて、総理はこの金と、政治と金の問題に対する総理としてのお考えといいますか、その辺をはっきりお答えを願いたいと思います。
内閣総理大臣小泉純一郎君) 今、法律を守っていれば不祥事は起こらないんですよね。それを私は言っているんです。国会議員だから法律を守りなさい、国会議員じゃなくても法律を守るのは当たり前なんですよ。肝心な国会議員が法律を守らないようじゃどうにもならぬと。今の不祥事は法律を守らないから不祥事になっているんでしょう。まず法律を守る、これがもう基本的な問題なんです。そして同時に、今に問題点があったからどういう改正するかということを私は言ったんです。
 基本的なことを、まず国会議員が自分たちが作った法律を守る、この発言がいけないと言われたんじゃどうしようもないんですが、そういう点で、お互い日ごろの政治活動においても不信が持たれないような、法律以前の問題というのがありますから、それについてもよく議員は国民から信頼を得られるような活動をすべきだというのが私の趣旨でございます。
岩本荘太君 恐らくそういうことだと思うんですけれども、これは解釈の違いだと思うんですけれども。法律を守らない人が今いるわけですよ。それに対してどうするのかというのが国民の思いなわけですよ。だからワンテンポ遅れているんですよ、総理は。その辺が非常に気になるところなんです。これは主観の差があるでしょうからこれ以上は言いません。
 言いませんけれども、私はこの問題が非常に気になっていたものですから、これは、総理になかなか御質問できる機会がなかったので決算委員会でほかの閣僚の方に質問いたしました、総理のお気持ちになってどう思うかと。今日お見えになっている森山大臣もそのお一人で、答弁をいただきました。総理を守るような御答弁、確かに閣僚の一人ですからそういうことは分かるんですけれども、一ついいことを言っている。私、非常に分かりやすいことを言っているんですね。「国民の総意を反映した国会において決められた法律であるということで、普通の常識のある国民であれば当然守るべきものであるという前提で決まっているもの」と、このとおりだと思うんですよ。これを逆に取りますと、国会議員というのは常識がないということになるわけですから。そういうように解釈できるわけですよね、これは、疑いもなく。
 その辺、総理、どうですか。
内閣総理大臣小泉純一郎君) 確かに、ある行動を見ますと、一般の国民から見れば常識がないと思われる行動をせざるを得ない面があるんですね。
 選挙運動一つ取ってもそうです。一般の人から見れば、自分はいい人間ですよとよく公衆の面前で言えるな、自分のポスターをべたべた張ってよく恥ずかしくないな、常識のある人間にはとてもできないよとよく言われますよ。よほど厚かましい人じゃなきゃ立候補できないと。人に票をもらうだけじゃなくて、お金までもらうように頭下げて回ると。こんなことは、とってもそんな恥ずかしいことはできないという国民一杯いますよ。しかし、それしないと立候補もできないし当選もできないでしょう。
 マスメディアもそうですよ。迷惑も省みず、だっと人の周り寄ってきて、泣いているところにマイク向けて、あの取材活動を見てごらんなさい、もう常識を逸していますよ。しかし、仕事を考えると、あれもマスコミの人にしてみれば、こういう非常識な行動をしないと特だね取れない、いい報道はできないといって、相も変わらず、もう人の迷惑省みず、どんどんドアをたたいてプライバシーを侵害して平然としている。これも非常識でしょう。
 だから、マイク活動を見ても、寝ているところを向かって、でっかいマイクを拡声機使って、何々です、よろしくお願いしますと、うるさいと言われることよくありますよ。
 こういう面から見れば、確かに非常識な活動をせざるを得ないような面もあります。しかし、これはやっぱり政治活動の一つの側面としてある程度認めてもらわないと、選挙運動というものもなかなか難しい、当選するのも難しい。ある程度、どんな仕事にもつらい面があるわけであります。しかし、そういうのを乗り越えて国会議員になったからには、常識といいますか良識を発揮して、国民から信頼されるような言動に日ごろからよく注意すべきだと私は思いますし、議員の御指摘ともそう相違はないと思うんであります。
岩本荘太君 ただいまの総理の御答弁、総理の答弁の姿見たりの感がございまして、私は何も恥知らずで、声を、大声出して普通の人ができないことをやる、非常識なこともやらなきゃいかぬと、そういう非常識さを言ったわけじゃないんで、法律を守るか守っていないか。法律を守らないというのは、森山大臣はその常識のある人は守るんだと、これは確かだと私は思うんですよね。それを今、総理は、本当に私は今、総理のその、何ですか、枯れ尾花じゃないですけれども、その擦れ違いという姿を明らかにここで見せてもらったような気がしてなりません。
 ただ、これ以上申し上げませんが、ただ一言言っておきますと、総理のお好きな相撲、日本の国技の相撲、お好きだと思います、感動されたわけですから。あの相撲は、はぐらかしの手を使って勝っても評価されないんですよ。そんな、勝ったからといって横綱に昇進させてもらえないわけです。横綱は、負けたとしても、胸をかしてでも相手に当たっていかなきゃいけない。総理といえば国会の横綱ですよ。私は、その辺をしっかりわきまえて、私も総理が総理大臣になられたときは支持した一人だと思っております。その初心を忘れずに、しっかりと受け止めてもらうのが総理のやるべき道じゃないかなと思っておる次第でございます。
(後略)
長い引用になっちゃいましたが、これを読売新聞はこんな形で記事にしました。
↓読売新聞2003年6月17日の記事より(ネットのソースによる)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20030616ia28.htm

「マスコミは非常識」首相が批判
 小泉首相は16日の参院決算委員会で一部の報道のあり方に触れ、「マスメディアも非常識だ。特ダネがとれないといって、人の迷惑を顧みず、プライバシーを侵害して平然としている。人の周りに寄ってきて、泣いているところにマイクを向ける。あの取材活動は常識を逸している」などと批判した。
 岩本荘太氏(国会改革連絡会)の質問に答えた。
(2003/6/17/00:36 読売新聞 無断転載禁止)
まさに「はぁ?」というのが俺の感想。情報としての記述に間違いはない(言っていないことを言ったとは言ってない)から、誤報でも捏造でもないんですが、発言の趣旨を歪めた、歪曲報道だと俺は思います。「一部の報道のあり方に触れ」てはいますが、「こういう非常識な行動をしないと特だね取れない、いい報道はできないといって」いるマスコミも、政治家と同じで大変だ、と、批判というより擁護しているのでは、と俺は解釈しました。
こういうマスコミの報道というか、ニュースの作りかたを見ると、政治家や有名人でない俺(や、あなたたち)が、事件と関連して報道されることはまぁ滅多にはないとは思いますが、その際には必ず「本当はなんて言ってたのか」に関する証拠(音声の記録)を残しておき、もし可能ならテキスト化したり、あるいはそのままでもいいからインターネットで直接「情報を知りたい人」たちに提供する、ということが必要でしょうか。