「本の雑誌」2003年7月号における弁護士・木村晋介による『半落ち』批判
あまり本を読まないと自称しているキムラ氏による本の感想・4回目。最近の「本の雑誌」の連載中では、坪内祐三をわずかに俺私感では抜いて面白いです。過去には『海辺のカフカ』の小説的メチャクチャさを痛快に暴いた回がものすごかった。で、今回は、
ではじまり、
この「落ちに欠陥があるのは本当か」ということについては僕は一切ここではふれない。そのわけは、その欠陥の有無は本書がフィクションである以上無視してよい類のものと思うし、第一、そのことを詳しく書くとこのミステリーのネタバレになってしまうからである。しかもこの小説には、そんな細かいこと以外に、もっと重大な欠点が多々あることに気づいたからだ。
で結んでいる快楽の飛ばしぶり。あまりネットでこの件について触れている人を見ないので紹介してみました。
このような欠陥小説でも、大売れに売れているのは読者の勝手でどうでもよい。しかしこんなものをミステリーのベストワンに推したり、直木賞候補にあげたりした人々には、強い憤りを禁じえないキムラである。
やはり推理作家協会は、小説中の瑕瑾を減らすためだけの顧問弁護士を一人、それもできたら現役の若手(今の法律にくわしい人)を置いておくと、あれこれややこしいトラブルが回避できるのでは、と思いました。