1月3日の朝日新聞意見広告

↓「劣化ウラン関係に言及している俺の日記テキストへのリンク」はこちら
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20021001#p1
興味のあるかたは、そこからあれこれご覧ください。



自衛隊のイラク派兵に反対する医療人の会」がその名前の通りの意見公告を朝日新聞2004年1月3日版に載せた.

誰がどんな意見をもって,それを公表しようとかまわないのだけど,意見広告に使われている写真を見て目を疑った.

この公告には,マガジンに掲載された漫画,「汚れた弾丸」で紹介された森住卓氏が写真を提供している.「マンスール小児病院白血病専門病棟」で撮影されたという子供の写真.

森住氏のサイトによると,「マンスール小児病院白血病専門病棟」には,劣化ウランにより健康被害を受けたとされる子供が収容されているのが分かる.

ちょっと確証はないけど,公告に掲載されている写真は,「汚れた弾丸」に劣化ウランの害で白血病にかかったとして紹介されていた サフィア嬢のように思う.

つまり,「自衛隊のイラク派兵に反対する医療人の会」は,「医療人」のくせに医学的根拠のないイラクプロパガンダを鵜呑みにしている.

ウランの発ガン性は証明されていないはずだ.そして,イラクではもっと危険な物質が使用されたことが明らかになっている.


 イラク各地で先天性異常やガンの発生が急増しているとするなら、それは、フセイン政権が1983年から1988年までの間にマスタードガスや神経ガスなどの化学兵器を使用したためである可能性が最も高い。サダム・フセインは、1980年から1988年まで続いたイラン・イラク戦争の際、イラク南部および北部に居住したイラン人に対し化学兵器を使用した。また、広く知られているように、北部の町ハラブジャでは、少数民族クルド人に対し化学兵器を使用した。マスタードガスがガンを引き起こすことは以前から知られており、先天性異常の原因となることも強く疑われている。
劣化ウランによる子供の被害を旗印に自衛隊イラク派兵に反対する「医療人」は,医学にコミットしていないと認めているに等しい.彼らは意見広告で墓穴を掘っているわけである.

ちなみに,サフィア嬢はけっこう元気そう.薬が効いたのか,それとも実は白血病は….まぁ下衆の勘繰りはやめておこう.病気の子供は一人でも少ないほうがいい.

↓「自衛隊のイラク派兵に反対する医療人の会」のサイトはこちら
http://www.yuiyuidori.net/iryoujin/
医療人のかたには、劣化ウラン弾イラク化学兵器の両面から、イラク国内の子供の被害を医学的に調査してもらいたいと思いました。
劣化ウラン弾による被害の実態と人体影響について
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/UMRC/du_human_effect.htm
どこからどうツッコんだり、「ソースが知りたい」と言ったらいいか不明のテキストですが、これを元に少し考えてみようかな、と。

 米ブッシュ政権は、対イラク戦争に向けた最終準備を着々と進めています。アメリカは、90年代以降の戦争で必ず劣化ウランを使用してきました。1991年の湾岸戦争、1995年のボスニア軍事介入、1999年の旧ユーゴ空爆、2001年の対アフガニスタン戦争。イラクに対する戦争でも必ず使用するに違いありません。戦車砲弾だけでなく、誘導爆弾や巡航ミサイルにも劣化ウランが使われているという重大な疑惑も浮上しています。
 報じられているように、アメリカの対イラク攻撃は、最初の1日で300〜400発の巡航ミサイルを打ち込むなど、高密度の集中した空爆を加え、極短期間でイラクを徹底的に破壊・崩壊させるというものです。当然、貫通爆弾も大量に集中的に投下されることになるでしょう。もし疑惑の通り、貫通爆弾が劣化ウラン製であれば、対イラク戦争でまきちらされる劣化ウランの量は、前回とは比較にならないほど膨大なものになります。
「貫通爆弾」(バンカーバスター)については、こんなテキストなども。
イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法特別委員会 参考人意見陳述書(藤田祐幸
http://www.jca.apc.org/DUCJ/siryo/sanko-fujita030701.html

 私たちは、バクダッド市内のマンスール(Mansur)地区、および郊外のラシッド(Rashid)イラク軍基地において、バンカーバスター攻撃によると思われるクレーターの調査も行ないました。クレーターは直径20メートル程度、深さ7〜8メートルほどの大きさで、その底部からは0.1マイクロシーベルトほどの放射線を検知しました。これは環境放射線の1.5倍程度のもので、有意の差であると認識しています。
 このことは、対戦車用砲弾だけではなく、バンカーバスターの弾頭にもウラン金属が使用されている可能性を示唆しております。バンカーバスターは地下20ないし30メートルほどまで貫通してから爆発する爆弾であるとされており、もしそこまでウラン金属が打ち込まれているとすれば、近い将来地下水の汚染が憂慮されることになります。マンスール地区の住民の多くは井戸水を飲用に使っており、住民の不安は大きなものでありました。
「0.1マイクロシーベルト」というのは、「環境放射線の1.5倍程度のもので、有意の差である」という認識でいいんでしょうか。
一方、こんなテキストも。
↓<劣化ウラン警告>
http://www.jca.apc.org/DUCJ/DU-kekoku.html

日本人のジャーナリスト豊田直己氏が、2003年4月10日から1週間程の取材中、ガイガーカウンター(Geiger-Muller counter )による計測を試みた。バグダッド市内およびバグダッド南郊の街の何カ所かで、測定値3マイクロシーベルト/時(mSv/h)から10マイクロシーベルト/時が計測された。バックグランドが0.1マイクロシーベルト/時であるとして、通常の30倍から100倍にあたる。これは、藤田祐幸慶応大学物理学教室助教授が、コソボボスニアで測定した線量とほぼ同じレベルである。また100倍(10マイクロシーベルト)というのは、通常の環境では許容されるものではなく、この水準は原子力発電所(nucler power plant)の放射線管理区域(radiation controlled area)に匹敵する。
ここでは「バックグランドが0.1マイクロシーベルト/時であるとして」と、通常のレベルをその数値にしているみたいなんですが…。
劣化ウラン弾による被害の実態と人体影響について」(http://www.jca.apc.org/stopUSwar/UMRC/du_human_effect.htm)のテキスト中の、「戦車砲弾だけでなく、誘導爆弾や巡航ミサイルにも劣化ウランが使われているという重大な疑惑も浮上しています」という部分の、疑惑の根拠が知りたいところです。また、「当然、貫通爆弾も大量に集中的に投下されることになるでしょう。もし疑惑の通り、貫通爆弾が劣化ウラン製であれば」という部分の、「当然」と「もし〜ならば」の根拠なども。数値だけだと、「貫通爆弾」に劣化ウラン弾が使われた可能性は、そんなに高くないような気もします。また、「疑惑」が「誘導爆弾」「巡航ミサイル」から「貫通爆弾」にまで、言及テキストの中で拡大している理由なども知りたいところです。
兵器や軍事関係に多少とも知識のある人間の間では、巡航ミサイル(トマホーク)に劣化ウランは使われていない、ということになっているみたいですが(正確には、バラスト部分には使われているが、「弾」的な部分には使われていない、かな)。
↓BGM-109 Tomahawk
http://www.fas.org/man/dod-101/sys/smart/bgm-109.htm
俺もあまり軍事方面には詳しくないんですが、比重が大きい物体を、高速の初速で発射して、堅い物体を貫く、という用途には劣化ウラン弾は効果あると思うんですが、ミサイルのようなものは、初速も遅いし、何かを貫くというよりは爆発によって破壊する、という目的に使われるのでは、と。
対戦車用の砲弾(A-10やアパッチ、それにM-1戦車の砲弾)などには、使われた可能性は高いとは思います。
しかしこの劣化ウラン弾放射能放射線)の影響に関しては、軍事だけではなく、放射線や医学など、かなり専門的な知識を要するので、言及その他難しいですな〜。