ダラダラとツッコンでみる

↓「劣化ウラン関係に言及している俺の日記テキストへのリンク」はこちら
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20021001#p1
興味のあるかたは、そこからあれこれご覧ください。


以下のテキストで疑問に思ったり、ソースを示してもらいたいと思ったりする部分を。
劣化ウラン弾による被害の実態と人体影響について
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/UMRC/du_human_effect.htm


 米ブッシュ政権は、対イラク戦争に向けた最終準備を着々と進めています。アメリカは、90年代以降の戦争で必ず劣化ウランを使用してきました。1991年の湾岸戦争、1995年のボスニア軍事介入、1999年の旧ユーゴ空爆、2001年の対アフガニスタン戦争。イラクに対する戦争でも必ず使用するに違いありません。
この人の「戦争」という言葉の定義が不明だけど、厳密に定義すると戦争というのは「対国家の宣戦布告」が前提なので、湾岸戦争とアフガン戦争(後者はその意味では微妙かも)以外はどうかと思います。強いて言うなら「軍事介入」とかですが、「必ず劣化ウランを使用してきました」というのは間違いかも。
アメリカ軍事介入の1世紀
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Databank/interventions.htm
これは左寄りの人によるリストだけど、有名なところではソマリアとかザイールなどとかでは、使われたというソースを見たい気がします。
それから、多分「1995年のボスニア軍事介入」というのは「1994-95年のボスニア空爆」だと思うんですが、正式にはそれに携わったのはNATO軍だし、湾岸戦争多国籍軍なので、「アメリカの戦争」とも言えず。
まぁここらへんは、もう少し厳密に言葉を使用して、「反米」的な煽りを控えめにすれば、全部間違ったテキストとは言えないとは思います。
続き。

戦車砲弾だけでなく、誘導爆弾や巡航ミサイルにも劣化ウランが使われているという重大な疑惑も浮上しています。
その「重大な疑惑」が浮上してくる、具体的なソースが知りたいんですが…。
↓誘導爆弾というのは、これかなぁ。JDAM
http://homepage3.nifty.com/weapons/jdam.htm
さらに検索すると、こんなすごいページが。
劣化ウラン戦争を許すな!
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/DU/stop_du_war1.htm

 これらの硬化目標誘導爆弾が疑惑通り劣化ウラン製でれば、GBU-24(1トン爆弾)で最大750kgの劣化ウランを含みます。仮に500発使われればそれだけで湾岸戦争で使われた全劣化ウラン弾の量を超えます。これがイラク全域、とりわけ人口密集地のバグダッド周辺でばらまかれた場合に環境に与える影響はきわめて深刻です。
いや、「疑惑通り」だとしても、「最大750kgの劣化ウラン」を含むのは難しい、というか意味ないだろうし(劣化ウランそのものは、砲弾の場合でも先のほうに少しだけ、堅いものを貫通することを目的としてつけられているだけみたいです)(←この部分に関しては誤認がありましたので日記に追記しました。http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20040108#p1)、「仮に500発使われれば」という前提は、「B29が都市爆撃に使った焼夷弾が、もし仮に全部原爆だったとしたら」というのと同程度に、人間の想像を突飛な方向に飛躍させて、その「影響はきわめて深刻です」というようなものでしょう。
俺の想像力が及ぶ範囲では、アメリカ軍は劣化ウラン弾を、対戦車相手の砲弾として、湾岸戦争時の何分の一ぐらいのレベルで使用しただろうな、というぐらいです。
念のため補足しておきますと、「劣化ウラン戦争を許すな!」のテキストが掲載されている「アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名運動」(http://www.jca.apc.org/stopUSwar/index.html)というサイトそのものが提供する情報は、リンクなども比較的ちゃんと貼ってあって、情報に対するコメントを軽視することが可能ならば、左寄りのサイトとしてはさほど悪くないような印象はありました。ツッコんだり何かについて考えたりするには、こちらのサイトのほうが有意かもです。