いくつかの疑問点に回答をいただく・その2

もう一つのメールは、「アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局」に出したものです。
↓俺の日記の言及テキストは、以下のところにあります
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20040107#p1
↓俺が出しましたメールの本文は、以下の通りです


はじめまして、私は劣化ウラン弾に興味を持っている者です。

そちらのサイトの、以下のページに

http://www.jca.apc.org/stopUSwar/UMRC/du_human_effect.htm

以下のような記述がありましたが、

戦車砲弾だけでなく、誘導爆弾や巡航ミサイルにも劣化ウランが使われているという重大な疑惑も浮上しています。

この、「誘導爆弾や巡航ミサイルにも劣化ウランが使われているという重大な疑惑」の、具体的な根拠は何かあるのでしょうか。もし資料などがありましたらお伺いしたいと思いましてメールを差し上げた次第です。

なお、同じページの、

アメリカは、90年代以降の戦争で必ず劣化ウランを使用してきました。

という記述は、事実と異なっているような気がするので、「アメリカは90年代以降、しばしば劣化ウラン弾を武器として使用してきました」というような記述に改めたほうがいいと思うのですが…。「戦争」と「軍事介入」とはちょっと違うみたいです。

以下のところに、「アメリカ軍事介入の1世紀」という記述がありますが、

http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Databank/interventions.htm

この全てにアメリカ軍は劣化ウラン劣化ウラン弾)を使用したのでしょうか?

↓これに対しまして、いただきましたメールは、以下の通りです

初めまして、愛・蔵太さん
 私はアメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局の吉田正弘と申します。ていねいに読んで頂いてありがとうございます。
 まず、初めの点についてですがご指摘の文書は昨年の2月に出したものです。基本的な点は変わりませんが、「誘導爆弾や巡航ミサイル劣化ウランが使われている」という部分の劣化ウランは、非劣化ウランが使われているのではないかと考えております。昨年の2月にこの文書を出した理由は、ウラニウム医療研究センターUMRCアフガニスタンでのウラン汚染調査の支援運動を始めるためでした。この調査の結果は貫通型の爆弾が使用された場所ではアフガニスタンの人々が深刻なウラニウムによる体内汚染を受けているという驚くべき結果でした。その結果、私たちはこの種の爆弾が非劣化ウランでできていると考えるようになっています。
 なぜ貫通型の爆弾や巡航ミサイル劣化ウランが使われていると疑うようになったのかについては、以下の「アフガニスタンにおける劣化ウラン戦争」というパンフレットのはじめにと経緯と検証をぜひ読んでください。

http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Bushwar/pamphlet_du_war_in_afghanistan.htm#context
の中の
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Bushwar/pamphlet_du_war_in_afghanistan.htm#context
です。

 第2の点については、どれを戦争と定義するかという問題はありますが、ご指摘のように全部の戦争・軍事介入というわけではありません。しかし、戦車を含むような本格的な戦闘では必ず使われています。
 ご存じのように、(1)1991湾岸戦争、(2)ボスニア・ヘルツェゴビナ、(3)ユーゴ戦争、(4)アフガニスタン、その間でもイラクに対する武力行使には使われています。(1)から(3)は米軍が認めています。それ以外では使ったかどうかは公表されていませんが、アパッチやLAVなど劣化ウラン発射可能なプラットフォームが出動しているときは使用されている可能性があります。アフガニスタンではA−10で劣化ウラン弾が使用され、その他に貫通型の爆弾で大量の非劣化ウランが使われたと思っています。これについてはドラコビッチ博士の日本講演を参照下さい。

「非劣化ウラン」という用語が今イチ不明ですが(劣化ウランではないものの意? 劣化してない・されていない「ウラニウム」そのものの意?)テキストの中に含まれている固有名詞(人名・団体名)は、少し検索などして、根拠となった元テキストなどを分析する時間があったらしてみたいと思いました。ていうかこのサイトは、前にも述べましたが元資料や元テキストに当たるためのリンクの貼り具合が割としっかりしていて、「○○は××と言われています」という左寄りのかたがたのテキストを読むたびに感じる「どこの誰がそのように言ったのよ!? ソース示してよ」というツッコミ気分にはあまりならないサイトではあります。
ただ、繰り返しになりますが、やはり「全部の戦争・軍事介入というわけではありません」ということをご承知のようでしたら、「90年代以降の戦争で必ず劣化ウランを使用してきました」という部分は、訂正しておいたほうがよろしいのでは、と引き続き思います。プロパガンダとしての煽り部分に、言葉にこだわるかたがたの無用な抵抗を招いているような気がするもので…。

最後になりましたが、愛・蔵太というある種ふざけたようなハンドルしか明らかにしていない、どこの誰とも分からない人間の、いささか懐疑的な意図のある(見方によっては悪意すら感じられても不思議ではない)メールに対しまして、丁寧な回答をどうもありがとうございました、藤田祐幸様、吉田正弘様。この日記で、メール紹介に当たりまして添付しました部分に、また何かご意見でもありましたら、メールでご連絡いただけましたら、ご紹介させていただきます。