分かりやすく間違っている感じな人のテキスト他

↓以下のサイトのテキストから引用
ボケさせてはならない「劣化ウラン弾」のこと
http://line.sub.jp/gsblog/index.php?id=1076642154


ボケさせてはならない「劣化ウラン弾」のことを取り上げて書くことにするのだ。

で、そもそも、この劣化ウラン弾とはなんぞや?という疑問をもし投げかけられれば、アタシなら次のようなことに重点を置いてお答えしたいと思う。

それは、この兵器、劣化ウラン弾が、なぜこんなに多く用いられるのか?ということを、ただ単純に一人でも多くの人に理解してもらいたいということが最大目的なので、それには、難しい言葉や専門用語はあまり役に立たない。従って、それを安易に用いない説明の方が多くの人に理解してもらいたいという最初の目的に近づきやすいということをお答えの重点に選ぶということである。

分かりやすく書こうという志は悪くないとは思いますが、それは「ものごとを簡略化して語る」というのとは意味が違います。また、分かりやすく書くためには、むずかしく何かを書いている人よりも、そのものに対する知識が豊富でなければなりません。まず、「劣化ウラン弾」とは、そもそも攻撃対象が極めて狭い想定の武器なので、広範囲に何かを破壊するものとは比較にならないほど少ししか用いられていません。湾岸戦争で使われた劣化ウランは300トンということで公的にも確立していますが、それに対して他の金属や火薬がどれだけ使われたか、考えてみても分かりますね。

今回の劣化ウラン弾だけでなく、アタシのコラムはいつもこのことを重点に置いて書いているつもりだ。なのでこの劣化ウラン弾についても、アタシふうに言わせてもらえばこうなる。

劣化ウラン弾とは、純正ウランをとりだしたあとの残り物のウラン、それを今まで使ってきたミサイルや砲弾の中に入れて廃物利用し、今までのミサイルがお話にならないくらいのエネルギーを持ち、且つ、破壊力が何百倍にもなってくれるという実に合理的な廃物利用兵器なのだ」

1・「純正ウラン」というものが何を指しているか不明ですが(検索しても2件しか引っかかりませんでした)。多分そのようなものはこの世に存在しないと思われます。
2・ミサイルに使われた、という例を俺は知りません。使われた可能性がないわけでもない、と言われている「バンカーバスター」ですら、あれは「爆弾」です。
3・「破壊力が何百倍」というのは、過去に使われた類似の兵器と比較してのことだと思いますが、どう計算してもフタケタも向上しないでしょう。これは「単純に一人でも多くの人に理解してもらいたい」ための「難しい言葉や専門用語」を「安易に用いない説明」というよりは、難しい知識を自分のものにしていない(する気もない)ことが原因の「説明」にしかなっていません。具体的に、「何百倍」という場合は、ちゃんとその根拠を理解し、訊かれても説明できるだけの知識があった上での数字でないといけないのでは。「正確には○倍ですが、単純化するためにこの数字を出しました」みたいな。根拠がはっきり示されるようなら、この部分のテキスト批判は訂正します。

けっこうこのレベルの、抜かりのある「反・劣化ウラン弾」の人はけっこう多いので、別にこのサイトの人だけを責めるという気はありません。一つのサンプル・テキストとしてこれを挙げてみました。

「高校生・今村歩さんの請願書」にも劣化ウランのことが出ていましたが、「幽霊は人を呪い殺すのでこわいです」「幽霊は墓地や川端の柳の下など、ひとけのないところにいると言われています」レベルで反・劣化ウラン弾運動をやっている人は、少しまずいんじゃないかと。まず、幽霊は本当にいるかどうか、そしてもし仮にいたとしても、呪い殺すことが本当にあるかどうか。そして、どういう条件だったら出て来るのか。またその条件で出て来たものが本当に「幽霊」なのか。都市伝説や伝言ゲームではなくて、ちゃんと語ってもらいたいものです。劣化ウラン(弾)は、幽霊とは違って、存在することだけは確かなんですから、幽霊を語るよりも、ちゃんと。

以下、まだ元のテキストは続きますが、UMRCドラコヴィッチ博士に関する批判になりそうなので、テキストそのものの批判は略します。

ドラコヴィッチ博士とか、ダグ・ロッケダグラス・ロッキー)氏、ヘレン・カルディコット博士、それにローレン・モレ氏あたりが、反・劣化ウラン弾な人たちの「科学者外人部隊」として講演その他をやる常連のようですが、この4人のかたに関しては、俺自身は「論文や実証的な研究よりも、講演・インタビューに力を入れている、『なんちゃって科学者』」みたいな感じで見ている部分があります。俺自身の語学力の問題で、このかたがたのちゃんとした研究論文を読み解けていないせいもあるかも知れませんが、普通に検索しただけでは「○○で講演」「××で反・劣化ウラン弾集会に出席」というような、論文や学術会議への出席の記録とは違うものしか引っかかって来ないような人は、やはり「学者」というよりは「学者の肩書きを持つプロ市民」と思われても仕方ないのでは。
(この部分に若干の異義があるかたは、4人の科学者の、科学的・実証的な論文がどこで読めるか教えてください。追加訂正したりいろいろします)