いろいろ「勉強」しようと思っている人のテキストなど

↓「がま口塾」の人の日記から
http://www1.u-netsurf.ne.jp/%7Ebdk/cgi-bin/diary/new.html
2004年2月13日づけ。


 我がHPへのアクセスカウントがちょっと落ち着いてきたようです。一時、パソコンが狂ったのだと思っていました。私を直接知らない方にもう一度。私は政治的に何の組織にも、団体にも所属していません。特定の政党や組合などに指示されて生活している者でもありませんよ。全てにフリーです。日記は自分の記録として日々書いている極めて素直なるものです。インターネットの書き込みで逮捕者も出る昨今。気をつけたいですね。
そうですね、「有事法制反対ピースアクション」という、何となく政治的な組織・団体の集会に指示されないで参加して、今村歩さんの署名活動のお手伝いをしていて、「マイクで発言するように」言われて発言しただけですよね(http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20040209#p1)。それから、「自衛隊イラク派兵差し止め訴訟の会」(http://www.haheisashidome.jp/)という、とても政治的に見える組織・団体の、原告募集ビラ撒きの手伝い(2004年2月11日)も、別にあなたがそこに所属しているからとか、指示されたからやったわけではないですよね。
誰かあなたに対して、本当のことを言っていない人がいるのでしょうか。ネット上の嘘や詐欺行為で逮捕されるというのは、金銭的な実害その他がない限りなかなか難しいことですが、誰にどのように気をつけたいと呼びかけているんでしょうか。
引用を続けます。2004年2月14日。

 私はこの日記を自分の記録としているのが基本ですが、友人・知人・会員の方達をイメージして親しみをこめてリラックスして書いている訳で、それをまるで学会か何かに発表している文章の様に吟味して下さって、色々英文の文献ももっとよく調べたらどうかというアドバイスまで下さっているサイトがあります。
 申し訳ない。私、英文の論文まで読んで日記書けない。英語で外国の人とお話はちょこっとはした事ありますけど、文章読むにも書くにも辞書が要るし、すぐ頭が痛くなります。でも、だからと言って私が適当にネットで検索して適当に劣化ウラン弾が怖いものと言ってる無知と批判されるとちょっとね。その方は核の汚染地域を実際に自分で歩かれたことがあるのかなあ・・・なんて思うのです。
その「アドバイス」をしているサイトがどこかは不明ですし、いったい何について「英文の文献ももっとよく調べたらどうか」というアドバイスをしたかも不明なので、少しだけ一般的な話をします。
実体験を土台にした身辺雑記的な話題ならともかく、新聞や伝聞情報など、二次的な媒体を使って得た情報を扱う場合は、個人サイトの日記でもそれなりの注意が必要かと。
「その話(情報)は本当か」と疑い、「もしそれが本当なら」という仮定で話し、極力本当のこと(一次情報)に近いものを得ようと考えるのは、時事的なものに興味を持つ人間には当然のことだと思います。特にジャーナリズム関係に身を置くがま口さんのようなかただったら、なおさらでしょう。メディアを通して何かを発信する(情報提供する)人間が、伝言ゲームみたいなことをやってはいけません。
「今日のブリはうまかった」と日記に書くことは悪いことでも間違っていることでもありませんが、某新聞に「小泉首相は『今年のブリはまずいな。もっと先生は生徒によく教えないといけませんよ。魚はサンマが一番』と言った」と書いてあったとしましょう。それを読んで、「ブリはうまいのにけしからん」とか「寒ブリはブリ大根が一番」とか「学校の先生はサンマがうまいと学校で教えろというのか」みたいなことを自分のサイトで何か言う(書く)前にもう少し、【その、新聞の記事はどこまで本当か】を考えてみたらどうか、ということですね。ちなみに俺もブリは好きな魚なので、小泉首相がそんなことを言ったら、ソースをあまり確認しないで腹を立てると思います。えーと、何の話だっけ。少し戻って、続けます。

その方は核の汚染地域を実際に自分で歩かれたことがあるのかなあ・・・なんて思うのです
「その方」というのが誰なのかさっぱり見当がつきませんが、その言いかたは「そのかたは午前三時の墓場を歩いたことがあるのかな、なんて思うのです」って言っている、幽霊実在主義者みたいな感じに俺には思えました。俺はこわがりなので、午前三時に墓場に行ったら、絶対に何かを見るとは思いますが、それだけでは「幽霊が存在するという証拠」にはなりません。
関係者の証言には記憶違いや誇張もあるだろうし、現場に行って何かを見て、それが何かを理解するためには、何かに対する基礎的な知識がないといけないことが多いと思います。花が咲いているのを見て、「赤い花が咲いていて、きれいだな」と感じるような、たわいもない情緒的なものならともかく、「核の汚染地域」で何をどのように見て、どのように判断するか、というのは、「かわいそうな子供がいて、とてもかわいそうだな」と思う以上の知識が必要でしょう。
現場に行ったら犯行現場における刑事のように、関係者の証言を聞く場合には法廷における検事のようにふるまわないと、真実はなかなか見えてきません。人道主義的なかたがたが「かわいそうな子供たち」のようなものを語ったり見せたりするレポートや映像に俺が不満を感じるのは、その視点が、被害者の弁護をしている弁護士のようにしか思えないことが多いからです。犯人は誰で、いったいどのような犯罪をしたのか。俺が興味を持つのはそれです。
引用を続けます。2004年2月15日。

よく勉強するようにと見知らぬ方に公のサイトで指摘されたので、謙虚に受け止め、勉強しています。 中国新聞の記者が書いた2000年4月3日の劣化ウラン弾のSpecial Reportsには、抜粋ですが、以下の記事があります。
引用テキストにはどこからリンクしたテキストなのか、引用元を明記することは、あまり間違っていないインターネット上の明文化されてはいないルールのように思えます。あなたが、その文章の次に引用されているテキストは、「中国新聞の記者」という匿名の者によるテキストではなくて、「田城明」さんによるこのテキストですね→http://www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/tokushu/index2.html
田城さんのテキスト全般に対する、俺の批判的な日記の記述は、以下のところにあります。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20040205#p3
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20040218#p2
とりあえず、田城明さんや森住卓さんのテキストや画像などは、劣化ウラン弾を「勉強」するためのテキストとしてはあまり重要なものとは考えないほうがいいと思います。勉強以外の役に立つ部分は多いですが。理由は以下のところに書いてあります。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20040218#p3
ついでに、そこで紹介している「おすすめ系」のテキストを3つ、まず読んでみてください。すでにご存じのようなら、えらそうな物言いで申し訳ありません。

・・・私は中国新聞社にはウクライナのネチポレンコ編集長さんや女医さんと表敬訪問した事があります。被爆に関する取材には、社をあげて並々ならぬ情熱を持っていた事を今でもはっきり覚えています。こういった記事は、でたらめなのでしょうか?小泉首相は「どこが危険かどこが危険でないか、私に分かるはずないでしょう!」と確か言ってらしたと思うけど、もう随分前にこんな記事が発表されているのにな。
田城さんの記事に関しては、
1・それが中国新聞という、ヒロシマのヒバクシャを多く購読者、およびその関係者に抱えている媒体に発表されたものであること
2・取材の眼目が「劣化ウラン弾によるヒバク」の検証・実態調査に傾いていること
を念頭に置いて読まなければいけないでしょう。つまり、劣化ウラン弾の「毒性」を、その放射性物質としての特性からもっぱら語っている、という意味で、ちゃんと読めば「でたらめではないが、劣化ウラン弾の一面しか語っていない」とは言えるでしょう。よく田城さんの記述を読んでみると、湾岸戦争症候群については、劣化ウラン弾によるヒバクだけではなく、化学的なものによる影響も考えられる、というような記述もあると思います。
なお、小泉首相の言っていたことは、正確には以下の通りです。平成15年07月23日の、国家基本政策委員会合同審査会(党首討論)です。どこにあるかはリンク貼るのが少し大変なんで、国会の議事録検索システムにだけリンクしておきます(http://kokkai.ndl.go.jp/)。

どこが非戦闘地域でどこが戦闘地域かと今この私に聞かれたって、わかるわけないじゃないですか。これは国家の基本問題を調査する委員会ですから。それは、政府内の防衛庁長官なりその担当の責任者からよく状況を聞いて、最終的には政府として我々が判断することであります。
この「戦闘・非戦闘地域」に関する話が、いったい劣化ウラン弾の何に、どのように関係あるのでしょうか。
「どこが非戦闘地域でどこが戦闘地域か」という小泉首相の言葉を、「どこが危険かどこが危険でないか」という風に、間違えて記憶していたとするなら、あなたの「今でもはっきり覚えています」という、中国新聞社への「表敬訪問」時の記憶も、何となく疑わしく思えてしまうんですが…。
最後に、ものすごく素朴でばからしくて、本当に訊くのも恥ずかしいようなことなんですが、一つだけ。あなたは、というかもう、この際だからこの俺の日記を読んでいるみんなにいっそ訊いちゃおうかな。みなさんはまさか、
半減期が45億年の放射性物質は、半減期が1年の放射性物質より45億倍危険である】
なんて思ってはいないでしょうね? だいたい1ミリグラムで死ぬ物質と、4.5トンで死ぬ物質の関係みたいなもんですか…1000×1000×1000だから、計算合ってますよね? テトロドトキシンが2ミリグラムで死ぬ物質みたいですが(http://www.fujitv.co.jp/jp/kurashi/tabe/j176.htm)水ですら、4.5トン飲めば死にます。というか、そんなに一度には飲めません。
中国新聞田城明さんが、
http://www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/tokushu/index2.html

 大量に生み出される強い毒性を持つこの金属物質を「劣化ウラン」と呼ぶ。劣化ウランは、主要にはアルファ線を放出し、半減期 は地球の歴史にも匹敵する四十五億年である。
って言っているのは、「劣化ウランは、主要には(紙一枚で防げる)アルファ線を放出し、半減期は地球の歴史にも匹敵する四十五億年である(という、放射性物質としてはあまり危険とは言えない物質である)」の、カッコ部分を言っていないだけです。(追記・このあたりにはいろいろな説があるようなので、コメント欄を見て各自勉強してみてください)
で、もしがま口さんがそのことを知っているようでしたら、今村歩さんの「請願書」の、
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20040208#p2

 劣化ウラン弾放射能が半減するには45億年かかるそうです。地球が誕生して46億年になります。これからの世界を担っていく子どもたちのために、劣化ウラン弾の影響を認めて対策にかかってください。影響を認め、放射能を正しく処理することで大気・地下水汚染を防ぎ地球環境保護にもなります。
という部分は、もう少し何とかならなかったのかな、と思いました。