またもやマスコミの「言ったことを間違って・歪曲して伝える」という手法の犠牲者に、今度はパウエルさんがなっている様子

コリン・パウエルさんが本当はなんて言ったか、については、俺が前の日記で述べた通りなんですが(http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20040418#p3


And the Japanese people should be very proud that they have citizens like this willing to do that, and very proud of the soldiers that you are sending to Iraq that they are willing to take that risk.
(試訳)
日本の人たちは,すすんでこういうことをする彼らみたいな市民がいるということをすごく誇りに思わなきゃいけないよ。それに,日本の市民がイラクに送りこんでる兵隊たちについても,彼らがそういうリスクを自分から引き受けてるんだってことをとっても誇りに思うべきだよ。
(太字は引用者=俺による)
これを、TBSは以下のように伝えた様子。
↓米国務長官「3人を誇りに思うべき」
http://news.tbs.co.jp/20040416/headline/tbs_headline944100.html

 アメリカのパウエル国務長官はJNNの単独インタビューに応じ、人質となった3人について、「イラクの人々のために、危険を冒して、現地入りする市民がいることを日本は誇りに思うべきだ」と語りました。
 JNNとの単独会見に応じたパウエル国務長官は3人が解放されたニュースを聞いて、「とても喜んでいます。日本人人質のことを心配していたので、無事解放され、とてもうれしい」と語りました。
 また、パウエル長官は日本人人質とは反対にイタリア人民間人1人が殺害されたことに弔意を表すとともに、日本、イタリアの両首相が誘拐グループの部隊撤退要求に応じなかったことを高く評価しました。
 「大切なことは小泉総理も、イタリアのベルルスコーニ首相も『テロに屈してはならない』と言っているということです。テロリストの言いなりになってはいけない。人質の状況は気の毒に思います。家族が人質になるとは誰も思っていません。私たちは人質の救出に全力を注ぎますが、犯人に屈してはいけません。『何でも言うことを聞く』などと言ってはいけません。彼らは新たな要求をしてくるだけです。文明世界はこうした動きに立ち向かわなければならないのです」(パウエル国務長官
 さらに日本の一部で、人質になった民間人に対して、「軽率だ、自己責任をわきまえろ」などという批判が出ていることに対して、「全ての人は危険地域に入るリスクを理解しなければなりません。しかし、危険地域に入るリスクを誰も引き受けなくなれば、世界は前に進まなくなってしまう。彼らは自ら危険を引き受けているのです。ですから、私は日本の国民が進んで、良い目的のために身を呈したことをうれしく思います。日本人は自ら行動した国民がいることを誇りに思うべきです。また、イラク自衛隊を派遣したことも誇りに思うべきです。彼らは自ら危険を引き受けているのです。たとえ彼らが危険を冒したために人質になっても、それを責めてよいわけではありません。私たちには安全回復のため、全力を尽くし、それに深い配慮を払う義務があるのです。彼らは私たちの友人であり、隣人であり、仲間なのです。」と述べています。
 パウエル国務長官のこの発言は自己責任論を強調する日本政府の見方とは著しい対照ぶりをみせています。アメリカ政府は有志連合の結束に影響が出ることを警戒していますが、アメリカ人、民間人をターゲットにした誘拐事件が今後も頻発すれば、世論にも大きな影響が出るものとみられ、イラク情勢は予断を許さない状況が続きそうです。(16日 16:26)
よく読めば確かに自衛隊についても言及してますが、よく読まないで「見出し」と最初の段落だけ読むと、パウエル長官は「3人を誇りに思うべき」と言っている(としか言っていない)ように思うようなテキストです。本当は、自衛隊についても同じように「誇りに思え」と言ってるんですが。
でもって、さっそく誤誘導されたかたが何人か。
↓パウエル長官、良い事言うねぇ!!
http://aidaroai.exblog.jp/170289

私だって、母国の政府の悪口なんて
本当は言いたくないんですよ。(いや、ほんと)
でもね、外相だけではなく、総理も官房長官
ハートを全然感じないんですよ。残念ながら。
私は、嘘で良いからハートを感じさせてくれるような
政府を希望します。

トラックバックさせて頂いた「逃避日記」さんも
仰っていますけれど、今回のパウエルさんのような
内容の発言を日本政府の誰か一人くらい
なさっても良いのではないかしらん?
厳しい父をフォローする優しい母みたいな感じで?!
(または厳しい母をフォローする父)

みなさん(たぶん)選挙の事ばかり考えていそうなわりに
国民の扱い方を知らないなぁという印象です。
その点、パウエルさんは本心はわかりませんが(笑)
扱いを心得ていらっしゃる頭の良い方で
いらっしゃるな・・・と思いました。

非常に勉強になったこと。
自分が知っている情報だけで考えたり判断したりしては
いけないという事。知らない真実がたくさんあるという事。
また、知った情報をそのまま受け取るのではなく、
本当にそうなのか追求する必要があるという事。
社会的に偉い人が発言した事でも、
実は違う事をなさっていたり嘘つきだったりするんですね。

あの〜、「自分が知っている情報だけで考えたり判断したりしてはいけないという事。知らない真実がたくさんあるという事。また、知った情報をそのまま受け取るのではなく、本当にそうなのか追求する必要があるという事」というのは、メディアリテラシーの基本ですが、このテキスト書いた人は、俺にはいったい何が非常に勉強になったのか、勉強した結果が何なのか、さっぱり分かりませんでした。
↓匿名の功罪
http://roughtone.air-nifty.com/passing_strangers/2004/04/post_5.html

 しかし小泉の拝み奉るアメリカは、仮に人質が政権に批判的だからといって、救出や帰国の費用を自国民の人質に請求するだろうかね。そのアメリカのパウエル国務長官が「日本人は3人を誇りに思っていい」と発言したのが興味深く感じられた。
(中略)
 どこでも、声をあげる奴、声がでかい奴の意見がまるで多数派のように見える。ネットならなおさらだ。リアルワールドにおける世論調査のようなものはないからね。
 古今東西、匿名が保証されると人は饒舌になる。もちろんそれで真実を語れるようになる人もいるし、無名の大衆にまぎれて他人を攻撃する卑怯者もいる。
こういう意見を見ると、俺などはもっと声を大きくしないといけないな(少なくとも、大きくても邪魔にはならないな)、と思ったり。まだまだ俺の意見などは少数派のように思えてしまいます。なるべく卑怯者にはならないように努力したいとは思いますが。
↓◆ 「危険を知りながら良い目的のためにイラクに入る市民がいることを日本人は誇りに思うべきだ」パウエル長官 - TBS
http://www.videonews.jp/?itemid=30
このかたは「Videonews」という情報の発信者という大物だったので、そこからあたかも伝言ゲームか悪いウィルスのように、パウエル発言の歪曲された情報が流れます。こんな感じ。面倒なので引用はしません。
↓テロリストの演出でも情報統制だな。
http://blog.634.jp/archives/000011.html
パウエル国務長官の言葉
http://nako.cocolog-nifty.com/nakolog/2004/04/post_26.html
↓パウエルさんの発言vs日本政府の発言
http://aranxp.ddo.jp/blog/archives/000207.html
↓危険を知りながら良い目的のためにイラクに入る市民がいることを日本人は誇りに思うべきだ
http://www.yakyuweb.com/mt/archives/000817.html
繰り返しになりますが、外国の人が日本のことについて何かを言う場合は、いったいその人が日本についてどれだけのことを知っているかを知る必要があるし、発言内容は多分に国内(自国)を向いている、ということを念頭に置いていたほうがいいでしょう。
俺の判断では、パウエル長官は3人に対するバッシングやその背景(裏事情)については具体的な知識は多分持ってないだろうし、自衛隊による日本の支援に感謝している(撤退されては困る)んだろうな、と思います。あの3人の主張が「自衛隊イラク派遣には反対している」ということを、パウエルさんが知っていたら、はたしてどのようなコメントをしたか、に興味を持ちました。知っていてなおかつ、あのようなコメントを出したとしても、左寄りの人の混乱を招く、という意味では、それはそれで面白いんですが、左寄りの、あるいは反・政府寄りの(と俺には思われる)かたがたは、自衛隊に関して言及している部分を「なかったことにしておく」という手もありましたか。