「天声人語」と「地雷」に関する真実・おかわり

lovelovedog2004-07-26

すでに一膳目でお腹一杯の気もしますが。俺の日記の前の記述はこちら。
↓「天声人語」と「地雷」に関する真実
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20040722#p1
↓今の世界の「地雷(対人地雷)」はどうなっているのか
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20040724#p1
これに関して、天声人語の人は次のようなことを書いたみたいです。
朝日新聞天声人語2004年7月25日づけ
http://www.asahi.com/paper/column20040725.html


 来月、日本で「サミット」が開かれる。11カ国の子供たちが滋賀県新旭町に集う「地雷をなくそう!世界こどもサミット」である。昨年この町が開いた「全国サミット」の世界版だ。

 新旭町は、対人地雷禁止条約(オタワ条約)に基づいて政府が進めた地雷の爆破処理の中心になった所だ。先日、条約以前に続いていた地雷を巡る世界の構図に触れたが、日本では、研究・訓練などのために保有しているものを除いて、既に廃棄された。世界では、まだ2億個が保有されているという。英、仏などが生産と保有をやめる一方で、米、中、ロシアなどは作り続けている。

 子供を狙った地雷があるという。2枚の羽根が付いていて、ヘリコプターから落ちてくる姿がチョウに見える「ちょうちょ地雷」だ。この地雷の被害者は例外なく子供だったと、アフガニスタンなどで外科医として治療に当たったイタリア人、ジーノ・ストラダさんは書いている(『ちょうちょ地雷』紀伊国屋書店

 被害にあわないように教える仕事も重要だ。アフリカのザンビアで、アンゴラ難民の支援活動に携わったNGO「難民を助ける会」は、教会や市場、マンゴーの木陰などを「教室」にした。

 「これ、何に見える?」「お弁当箱かな」。現地のスタッフが様々な形の地雷の絵が描かれた布を掲げる。歌や人形劇も活用した。

 「世界サミット」には、アンゴラアフガニスタンなどから、地雷や不発弾で手、足を失った少年も参加する。地雷と共に生きることを強いられた人々と知り合う。そんな夏休みも意義深い。

「先日、条約以前に続いていた地雷を巡る世界の構図に触れたが」←触れてません
触れていたのは、『地雷問題ハンドブック』(自由国民社)という本に関して、で、
1・ 『地雷問題ハンドブック』が1997年刊行の本であること
2・オタワ条約が1997年末にできた条約であること
以上の2点に触れていなければ、「触れた」とは、やはり言わないんじゃないでしょうか。
強いて言うなら「先日、『地雷問題ハンドブック』に掲載されていた地雷を巡る世界の構図に触れたが」で、その後に続くのは「現在はオタワ条約というのがあり、その本が出版された1997年とはだいぶ状況は異なってきている」という事実の記載をしなければいけないでしょう。さらに「申し訳ない」とか「現状が記述と異なっていたのは残念だ」とか言えばいいだけのことです。何もそこまで真っ赤になって事実の捏造をしなくても
なお、「ちょうちょ地雷」なんですが、実物はこんな感じ。今日の日記に画像を載せました。
↓Mine awareness for children
http://www.help-germany.de/english/emines/ebih-mine-aware.html
この形状は、空中から散布する際に広範囲に均等にばらまかれるようにしてあるためで、おもちゃのような格好で子供を釣るような「子供を狙った地雷」ではありません。というか多分、正規軍が使用している兵器で「子供を狙った地雷」(子供を殺傷するのが目的の地雷)があるかどうか、俺自身は確認していません。もしあるとするなら、どなたかソースつきでコメント欄で教えてください。ゲリラのような非正規軍が、非公式に使った(使われた)例なら、ひょっとしてあるかも、ですが。
ただ、幼児や子供は目新しい形のものを遊び道具の一種として認識する傾向があるので、本来の目的以上にちょうちょ地雷によって子供が犠牲になった、ということでしょうか。元テキストの『ちょうちょ地雷』(紀伊国屋書店)ではどのように書かれているかが不明なので、その書物の中で「子供を狙った地雷がある」と書かれているようなら、天声人語の人はその本の紹介をしただけで、テキストとしては間違っていないと思います(間違っているとしたら、そのように書いた著者のほうでしょう)。ちなみに旧ソ連製の武器で、多く撒かれたのはアフガンらしいですが…。
 
↓これは以下の日記に続きます。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20050318#p2