堺市議会の水ノ上成彰市議会議員の「教育映画」に関する発言

あと、議事録を見て、水ノ上成彰市議会議員のこの発言も少し気になりました。少し長いけど関連テキストを全文引用してみます。

◆水ノ上 委員  先ほど私の発言に対して山口委員より発言の訂正の動議がありました。この件について私の意見を申し上げます。
 先ほど私の発言の中で、朝鮮初級学校で行われている民族教育の内容については、衆目の一致するという言葉を使用いたしましたが、このことに関しては、さまざまな意見があることは理解しておりますので、この部分を修正削除いたします。なお、私は民族教育を否定するつもりはありませんし、もちろん民族差別をするつもりは到底ございません。子どもの学習の機会を保障するという意味からも、純粋に補助金の交付のあり方について発言したところであります。この点をご理解いただきたいと、このように思います。
 それでは、先ほどに続きまして第2の質問をさせていただきます。
 修学旅行の事前学習についてご質問をいたします。近年、中学校の修学旅行に沖縄に行くところが多いと聞いております。ことしもたくさんの中学校が沖縄に行くということですが、ことし春に修学旅行で沖縄に行った中学校のうち、事前学習として、ある映画鑑賞を行った学校があり、この映画はGAMA月桃の花というのですが、GAMAとは洞窟のこと、月桃の花のゲットウは月と桃という字書きます。6月ごろ沖縄に咲く花だそうですけれども、この映画を見た生徒の母親から私に連絡がありました。子どもが学校でひどい映画を見せられた。この生徒、これは女の子ですけれども、感想ですが、気持ち悪かった、残酷だった、不快だったということでした。沖縄戦を題材にした映画は、住民が多数犠牲になっていることがありますので、映像やストーリーともに残酷で反戦色の強いものが多いのはよく知っております。しかし、話を聞いておりますと、その映画はそれ以上に生徒たちに暗い記憶を残すようなものがあるように思われました。これらのことを前提に以下ご質問いたします。
 まず最初に、中学校における沖縄修学旅行の現状についてお答えをください。
◎小山 学校指導課参事  沖縄修学旅行の現状ということでございますけれども、中学校学習指導要領の特活の目標、望ましい集団活動を通して心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図り、集団や社会の一員としてよりよい生活を築こうとする自主的、実践的な態度を育てるとともに、人間としての生き方についての自覚を深め、自己を生かす能力を養う。そのようにございますが、この目標に照らしまして、各学校において、修学旅行の目的地や、あるいは活動内容を考えて決定しております。平成16年度につきましては、実施済みの学校を含めまして、中学校、全40校中13校が沖縄修学旅行を実施いたしました。
◆水ノ上 委員  それでは、沖縄修学旅行における学習内容及び事前・事後学習について、どのような取り組みがされておりますか、お答えください。
◎小山 学校指導課参事  各学校におきましては、学校行事の中でも、旅行、そして集団宿泊的行事については、生徒が各教科の日常の学習や経験、これを相互に発揮し、発展させる活動として位置づけておりまして、特にさまざまな体験的な活動を重視しております。沖縄修学旅行につきましては、沖縄のすばらしい自然に触れたり、琉球文化に親しんだり、マリンスポーツを楽しんだりするとともに、太平洋戦争における日米戦の戦跡を訪問する、このような平和学習を実施しております。また、現地での学習がより効果的なものになるように、事前学習といたしまして、子どもたちが図書やインターネット等で、その興味関心に基づいて、自然や文化、歴史について調べ学習を実施したり、平和に関するビデオ鑑賞を行ったりということをしております。さらに、修学旅行実施後は、それぞれが学習してきたことをテーマにまとめまして、報告集を作成しましたり、他学年とか保護者に対しまして発表会、報告会を実施しておる状況でございます。
◆水ノ上 委員  13校行かれるということですが、そのうちの2校で、ことし月桃の花という映画が子どもたちに見せられたと聞いております。この月桃の花という映画について、市教委としてはどういうご認識でしょうか、お答えください。
◎小山 学校指導課参事  月桃の花は、沖縄戦終結50周年記念作品として制作された映画でございます。昭和20年に沖縄本島で繰り広げられた日米の地上戦が中心の内容となってございます。沖縄戦で亡くなられた人々の冥福を祈るとともに、平和へのメッセージを世界に向けて発信するという願いを込めまして、平成8年に作成され、文部省選定並びに沖縄県教育委員会推選の作品となっておりまして、教材として適切なものであると考えております。各学校に対しましては、教材の選定にあたりましては、より適切に引き続き指導してまいりたいと思っております。
◆水ノ上 委員  適切なものだという判断ですけれども、この中で、この映画をごらんになった方、いらっしゃいますでしょうか。もしいらっしゃったら、よければ挙手をお願いしたいんですけれど、私の知る範囲、周りだれも見た方がいらっしゃらなくて、私も見たことはありません。ビデオ化されておりません。映写機を回して、各学校で回るそうですので、ですから、この映画について私もインターネット等で調べるしかございませんでした。そのインターネットで調べた結果を皆様方にご報告するんですけれども、見られたことがないのに、適切かどうかと判断されるということはどうかなと。ただ、文部省選定、沖縄県教育委員会推選というだけで適切と判断するのであれば、実に無責任な回答だと、このように思いました。
 堺の中学生ではありませんけれども、インターネットで掲載されている中学生の感想文が約60ほど載っております。その感想は、戦争は残酷、平和はとうといなど、反戦の感想を書いた生徒は非常に多い。これは当たり前でしょうけれども、しかし、不思議なことに米軍に対する憎悪がほとんどないんですね。現在、イラク戦争が問題になっていますが、問題の一つに米軍の誤爆問題があり、誤爆により、たくさんの非戦闘員が亡くなったとして米国を非難する声があります。沖縄戦におきましても、沖縄全土に100メートル四方に合計25発の爆弾を落とした。それこそ、住民がいることをわかった上で、情け容赦なく落としました。沖縄の住民は米軍の艦砲射撃と爆弾と火炎放射器により何万という犠牲を出しました。イラク戦争など問題ではありません。
 このような史実を知っていれば、米軍に対する批判も少しはあってもいいかなと思うんですけれども、米軍に対する憎悪はほとんどありません。映画の説明には、敵は米軍だけではなかったと、暗に日本兵が敵であったのようなにおわす文章もあります。生徒の感想文には、日本軍に対する憎悪のみ書かれておりまして、時間がないですけど、一部ご紹介いたします。
 一番印象に残ったのは、国民が盾になりながら戦うべき日本人兵士が避難所を奪って、そこから追い出したり、無理な命令に逆らった国民を鉄砲で撃ち殺すところだった。それにしても、私は日本兵がどうしても許せません。国のために戦っているといって、本当は戦っていない。GAMAの中で人々に八つ当たりをしていただけに思えてなりません。時間の関係で以上にしますけれども、こんな日本兵に対する批判ばかりが載っております。実に不思議だと思います。
 沖縄戦においては、現地の地上戦では、兵士も勇敢に戦って、住民のために戦っている方がほとんどですし、鹿児島からは特攻隊、また、大和が水上特攻など、本当に沖縄を助けるためにたくさんの命が流れました。もちろん、この映画で描かれているであろう心ない行為をした日本軍人もいたかもわかりませんが、しかし、ここまで偏った感想が書かれるのは、偏った映画であるからだと思わざるを得ません。私は見ていませんが、推測するしかないのですが、明らかに反戦を超えた反日の映画ではないだろうか、このように思うわけです。
 学習指導要領には、歴史分野の目標の中に、我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てるとなっております。皆さんもごらんになっていないということですので、これ以上質問いたしませんが、どこかで上映の予定があれば、ぜひご連絡をいただきまして、この映画を皆さんとともに見て議論をしていきたい、このように思います。

(太字は引用者=俺)
『パパママバイバイ』と並んで、『GAMA月桃の花』も見てみたい映画になりました。ビデオになってないそうなんで、見るのは難しそうですが。
映画の感想は、少し見た限りではこんなところになど。
↓FORUM(掲示板)
http://www1.ezbbs.net/16/hosoya/
アメリカが憎い、許せない!」なんて反米な感想ばかりあるのもナニかとは思いますが。