「道の駅・キララ多伎」ってどうよ

相変わらず人のテキスト引用ばかりが多い日記ですが、自分で書くより楽だからではありません(面白いテキストを見つけてくるのも、それなりに大変)。
で、人様の日記の過去ログというか古文書からこんなの見つけてきた。
↓Flange/Web(2001年7月16日)
http://www.h2.dion.ne.jp/~flange/flange/0107.html

島根県周辺の主要な国道沿いには”道の駅”という公共施設がいたるところに存在する。これは、高速道路でいう、サービスエリアのようなものだと思ってもらえれば良いだろう。

その中でも、僕が実家へ行き帰りする際に、休憩所としてよく利用するのが多伎町(「たぎちょう」と読む)にある「キララ多伎」という”道の駅”だ。

この「キララ多伎」は海を望む急傾斜地に建っていて、建築デザイン的には「北欧の教会堂が湖のほとりに静かにたたずんでいる姿」がイメージされているらしい。と言っても、このイメージは、たまたま敷地が水辺に近いということ以外、ほとんど何の脈絡も無いのだが。

このような安易な連想が具現化した結果、島根県多伎町という「イチジク」が特産の地味な町に、何の因果か「北欧の教会堂」がそびえ立つことになってしまった。

しかも困ったことに、この「キララ多伎」は海水浴場に隣接している。

そのため、夏になると「多伎町」の「北欧の教会堂」の周辺には「ハワイアン・ミュージック」が流れ、ビキニ姿の若い娘やフルチンのガキがウロチョロするという事態が発生してしまう。
 
もう、ここが地球上のどこなのか、よく分からないことになっている。
 
さらに、この建物は「北欧の教会堂」というだけあって、壁には煉瓦タイルが張り付けられている。その姿は、冬ならまだしも、夏は暑苦しくて仕方がない。(もちろんこれは見た目の問題であって、当然、内部はきちんと空調されているのだが。)

しかも、正確な北欧ゴシック様式のディテールの知識を持たない人間が設計したらしく、妙な異国情緒ばかりが強調されていて、インチキ臭いこと この上なし。

人間にたとえるならば、さしずめこの建物は「コートを着込んだインチキ外国人」といったところか。こんなキャッチコピーが思い浮かぶ。
 
「コートを着込んだインチキ外国人」と「水着ギャル」が、島根県多伎町でランデヴー。
 
フランスの詩人 アンドレ・ブルトンが、「ミシンと蝙蝠傘が手術台の上で出会う美しさ」と表現したシュール・レアリスムの美学に近いような気さえしてくるからすごい。
 
島根県多伎町の夏は、えらいことになっている。
 
前述の”インチキ外国人”を、「実は埼玉県出身」という疑惑のあった”デーブ・スペクター”にたとえると、シュール感もひとしお。

(追記:アンドレ・ブルトンじゃなくてロートレアモンだそうです)
ということですが、興味を持っていただけたでしょうか。そのすごそうな建築物ですが、当然サイトがあったりします。こちらです。
島根県多伎町・道の駅 キララ多岐
http://www.etaki-kirara.jp/
うわぁ、すごいよ。この紹介テキスト以上にすごいよ。建物は説明通りだけど、バックに風力発電の羽根が回ってる(本当に回ってます)。日本の風景のようなそうでないような。
映画『ガープの世界』の海辺の家を少し思い出した。引き波に気をつけるんだよ、引き波に!
↓あと、「多岐いちじく温泉」というのもなかなか
http://www.etaki-ichijiku-onsen.jp/
別に痔疾には効果ないみたいですが、トップページの画像が。
↓次の日記に続きます
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20041201#p1