水で描かれた物語

1970〜80年代に描かれた漫画のカラー原稿が溶けつつあることは知ってるでしょうか。
特に、描かれた時点での発色の良さがウリだった、カラーインクで描かれた原稿(少女漫画を中心に多かったと思います)の、紫系の色が、もうほとんど、日々に色あせている、という話。このすごさは、ちょっと褪色した実物を見ないと分からないんでしょうが、飛鳥・奈良時代の古墳壁画よりもすごいことに。
幸いにして、原画は美術館に展示などして強い照明をあびることなどは滅多にないし、最近の印刷のデジタル技術の進歩で、「本として刊行する」という分には、愛蔵版・復刻版などを世に出すには特に問題にならないみたいですが、文化・芸術として漫画を考えるなら、その保存方法も問題になって来そうな感じです。
具体的には鳥山明とか大島弓子とか。
最近はどの漫画家もCG使用のデジタル化が進んでいるので、褪色も原画紛失事故もあまり心配しすぎる必要はなくなりましたが、違法な「デジタルコピー」という罠もあるようで。まぁこれは別の話ですが。