町村外務大臣の「謝罪」報道における言語障壁について

新聞ではこんな感じなわけですが
町村外相が「反省」・中国中央テレビが報道日経新聞

【北京18日共同】中国中央テレビは18日未明のニュースで、17日に行われた町村信孝外相と李肇星外相の日中外相会談について、李外相が「日本は侵略の歴史を反省し、中国国民の感情を傷つけないようにすべきだ」と指摘したの対し、町村外相が「深い反省とおわび」を表明したと報じた。日本側が、中国各地での反日デモについて抗議したことは伝えなかった。
一方で、李外相は、日本にある中国の外交施設や中国人の安全確保を強く要請したとしている。 (02:06)

中国の元記事はこんな感じ。
http://www.cctv.com/news/china/20050417/101048.shtml
…、すみません、うまく読めません。読める人は読んでみてください。
で、それに関して→「酔夢ing Voice」←の人はこう言っているわけですが、
酔夢ing Voice - 西村幸祐 -: 町村外相が、北京で謝罪した??!!

世界中で注目を浴びる支那反日暴動に日本がどう対応するのかに、日本の将来が掛かっていると言ってもいい。町村外相は、のこのこ北京に行って、謝罪と賠償を勝ち得ないばかりか、本当に「反省」したなら世界の笑い者になる。

別の人はこんなことも言っています。
Sasayama’s Weblog ≫ 中国における「わび」の程度

(原文略)
以上が、昨日の中国での報道だが、このなかで、「町村就日本侵略中国再次表示深刻反省和道歉」というところと、「町村表示,日本在近代历史上对中国的侵略给中国人民造成了巨大伤害,对此深感痛心,再次表示深刻反省和道歉」というところにある「道歉」という言葉に、日本のマスコミは、過剰反応したということだ。
中国語では、「わび」の程度を表す、いくつかの段階にわたる言葉があるようだ。
中国における「わび」の程度は、次のようになるのだろう。。
「遺憾(遗憾)(Regret)」 < 「抱歉(Sorry)=難過(难过)(Feels bad)」 < 「道歉(ApologyまたはVery sorry)=認錯(认错)(Admits mistakes)」
この「認錯」の「錯」という言葉の派生としては、「知錯、認錯、改錯」(過ちを知り、過ちを認め、過ちを改める)というような、言葉も中国にはあるようだ。
そのほか、ごく軽い意味で反射的に使う「対不起(对不起)」(「スミマセーーン。」という意味かな?)とか、「原諒」(「勘弁してね--」「かんにんね」程度の意味かな? )などもあるようだが。
さらには、“后悔”(Regret)、“懊悔”(Regret)、“内疚”(Compunction=悔恨 かいこん)“致歉”(Makes an apology)、“深表歉意”(Expresses deeply the apology)“表歉意”(Expresses the apology)(「歉意」=Apology)など、いろいろな「わび」の言葉が中国にはあるらしい。
(中略)
アメリカと中国との外交交渉で、アメリカのパウエルが中国に対して、regretというと、中国側は、それでは不十分だという。
今度はブッシュ自身が、regretというと、中国側は、「方向としては正しいが、不十分だ。」という。
そこで、今度は、文書で、sorry と書くと、それでも不十分だという。
そこで、次の文書で、 very sorry と書くと、外交交渉の終わったアメリカ政府職員を直ちに開放し、空港に車で送り届けて、本国に帰らせた。
本国に帰ってみると、今度は国内の反中国のマイノリティグループから、「ブッシュが中国側に、sorry といったのは、不快だ。なぜなら、中国では、sorry はapologizeの意味だから、そんなことをいうな」と、突き上げを食らう。
といった小話なのだが。
この「道歉(Apology)」をめぐる話は、中国との外交には、よくある話なのかもしれない。

と、やはり中国語に関する知識は必要みたいです。町村さんは「very sorry」の意味で「遺憾である」とでも言ったんでしょうかね。中国語ができるとは思えないので。それにまた通訳の人が入るわけで。
ちなみに日本語の知識が十分ある人には余計なことかもしれませんが、日本語で「遺憾である」というのは「残念である」とほぼ同義で、「申し訳ない」その他の謝罪・お詫びの意味はまったくありません。
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