「ガセビアの沼」で言ったことを、正確に横山きっこさんは引用しているのか(メガワロス)

横山きっこさんは、以下のようなことを言っているようですが、
きっこのブログ: ベロカンダ

‥‥そんなワケで、確か、前々回の放送だったと思うけど、「トリビアの泉」の中の「ガセビア」で、「舌で感じる味覚は場所によって違う‥‥と言うのは、ガセ!」って言うのをやってた。つまり、ベロって、先端のほうでショッパサを感じたり、真ん中あたりで甘みを感じたり、脇のほうで苦みを感じたり‥‥みたいなのはデタラメで、ホントは、ベロ全体ですべての味覚を感じるんだって説明してた。あたしも、子供のころに、ベロは場所によって感じる味覚が違うって教わった気がして、ずっとそう思ってたから、「トリビアの泉」を見て、「ヘェ?!」って思った。
そしたら、それからしばらくして、5月30日のフジテレビの深夜の「孝太郎プラス」をナニゲに見てたら、太田和彦って言う居酒屋の研究をしてるおじさんがゲストで、コイズミのバカ息子をお薦めの居酒屋に連れてくって企画をやってた。そこで、実際に2人で飲みながら、このおじさんが、お酒の飲み方だとか、オツマミの注文の仕方だとかをあーでもない、こーでもないって、ウンチクってたんだけど、その中で、こんなやり取りがあった。
このおじさんに薦められたお酒を飲んだバカ息子は、口に入れて、すぐに飲み込んで、すぐに「美味しいですね?」って感想を言った。そしたら、おじさんは、「それじゃあダメだねぇ?人間の舌ってものはね、場所によって感じる味覚が違うんだよ。だから、口の中にお酒を入れたら、すぐに飲み込まずに、舌全体を使って様々な味を楽しむのが、本当の酒飲みってものだよ」って、得意満面で言っていて、それに対してのバカ息子は、「なるほど?サスガですねぇ?」って、この嘘にマンマと騙されていた。
嘘って言っても、このおじさんも、誰かに騙されて、それをそのまま信じ込んでるだけなんだから、正確に言えば、嘘をついてるワケじゃない。だけど、誰かのデタラメを信じ込んで、それをいかにも自分の知識みたいに吹聴する人って、真実を知った状態で見てると、ホントに滑稽だ。オマケに、このおじさんは、居酒屋の紹介の本だとか、居酒屋でのお酒の飲み方の本だとか、色々と出してる人みたいなので、この人の味覚に対する信憑性が、これで一気に無くなっただろう。
だって、いくら誰かに、「舌で感じる味覚は場所によって違う」って教えられたとしたって、実際に自分が色んなお酒を飲んだり、色んな美味しいものを食べて来たりすれば、「舌の味覚はどの部分でも同じだ」ってことに気づくだろう。あたしみたいに、大ザッパに生きてる一般人なら、「トリビアの泉」でホントのことを知るまでは、「そんなもんなのかなぁ?」って思っててもしょうがないけど、一般人よりも何倍も多くのお店を回って、色んなものを飲んだり食べたりしてて、それも、本にまとめて出版するつもりで研究までしてる人が、こんなことにも気づかないなんて、ハッキリ言って、味覚音痴なんじゃないの?
この、太田和彦って人は、きっと、今までに数え切れないほど、口に含んだお酒をすぐには飲み込まず、舌全体に行き渡らせて、それで、お酒の細かい味を分かったようなツモリになってたんだと思う。まあ、自分ひとりが、くだらないデタラメを信じ込んで、そう思ってただけならいいけど、それを他人に言ったり、本に書いたりなんかしたら、あまりにも恥ずかしいことだろう。

(太字は引用者=俺)
まず、俺の確認した限りでは、「舌の味覚」に関して「ガセビアの沼」で語られたことは、きっこさんが言及した内容とは少し異なります。正確には、俺もその番組を直で見たわけではないので「違う可能性が高いと思います」なんですが…。
これは(多分)2005年5月19日放送分。
きっこさんは、「舌で感じる味覚は場所によって違う‥‥と言うのは、ガセ!」と、番組の中では言っていた、と言いますが、
■ガセビアの沼データベース

舌の甘味や苦味を感じる場所はそれぞれ完全に分かれているというのはガセ

(太字は引用者=俺)
こねこの手帳・2005年5月19日

ガセビアの沼…舌の甘味や苦味を感じる場所は、それぞれに完全に分かれている…というのはガセ!
実は完全には分かれておらず「甘味、苦味をより強く感じるところ」だそうです
今でも私は苦いお薬を飲む時は、下の奥に薬を乗せてから水を飲みますね〜

Air-be 〜トリビアの泉〜

ガセビアの沼 No.14 「舌の甘みや苦味を感じる場所はそれぞれ完全に分かれている」というのはガセ

面倒くさくなったので省略しますが、要するに「完全に分かれているわけではないが、場所によって違う、ということはないある」、つまり「舌の中で、特定の味覚を感じやすいところは存在する」ということです。
こんなところなど。
舌の味覚地図

味覚について良く知られている常識があり、それは「舌の味覚地図」と言われるものです。味の感受性は舌の部位によって異なり、先端部で甘みを、舌縁部で酸味を、舌根部で苦味を、そして舌全体で塩味を感じる四つの部位(地図)に別けることができます。
最近、舌根部でうま味が感じられることがわかりました。甘味・塩味・酸味・苦味の四つの地図に、うま味(日本人特有の味覚)が加わったわけです。もっとも、その部位だけで「その味」を感じるといった極端な解釈は間違っています
食べ物・飲み物をじっくりおいしく味わうには、口の中の隅々までころがしながら滞在時間を長くすることが大切です。四種(五種)の味覚神経からの味覚情報は、脳に送られてあたかも四つのスピーカーから出る音を立体的に聞くように味わうことができるのです。 "のど越し"の味を伝える部位は上喉頭神経でビールの「キレ」とかがわかるところです。当然、うどんの"のど越し"も上喉頭神経で感じているのでしょう。

(太字は引用者=俺)
まぁ適当に検索してみてください。
googleで「舌 味覚地図」を検索
 
長くなりましたが、横山きっこさんが「ガセビア」をネタに「太田和彦」さんを批判しているやりかたは、「自衛隊自衛隊員のヒバク?)」をネタに「小泉首相」を批判しているやりかたとまったく同じです。要するに、「事実の勘違い、あるいは勝手な解釈で、実際には批判・非難すべきではない部分を批判している」ということですね。
もちろん、太田和彦さんや小泉首相の言動は、人によっては批判・非難すべきところもあるように見えるでしょうし、批判・非難するな、とはいいません。ただ、もう少し「事実の勘違い・勝手な解釈」を避けるようにしないと、批判している側が客観的にはあまり賢そうには見えない、ということは留意すべきでしょう。
さて、こうなると太田和彦さんが本当に「孝太郎プラス」という番組の中で本当に「口の中にお酒を入れたら、すぐに飲み込まずに、舌全体を使って様々な味を楽しむのが、本当の酒飲みってものだよ」みたいなことを言ったのかどうか、も気になりますが、「トリビアの泉」と違って、少し確認が難しそうです。太田和彦さんの居酒屋本はけっこう出てるので、とりあえずそれで確認してみましょうかねぇ。