『ジャズの起源はベートーベンにある』
『ジャズの起源はベートーベンにある』(田幸正邦、東京図書出版会 星雲社(発売))(→bk1)(→amazon)(→書籍データ)
ベートーベンのピアノソナタの、最晩年の曲に込められたモチーフなどから、ジャズ的なものを探る、というのが基本的なテーマの本みたいですが、具体的な中身はベートーベンの生涯を分かりやすく書いた伝記っぽい部分がメインで、曲の解釈に関しては、その曲そのものに関する俺自身の知識が乏しいせいもあるのか、著者の主張がおしつけがましくてどうにもこうにもでした。というか、全体に押しつけがましくて本のタイトルほどには楽しめず。評伝における主観とか私的解釈はさほどつまらなくはないんだけど、創作物に関してそういう主張をわずらわしくないように読ませるのは難しいな、と思わせられた一冊です。