キーワード編集について

こんなところから。
劣化ウラン弾ネタ

この問題に関連し、はてなキーワード劣化ウラン弾」が、id:kitanoさんとid:lovelovedogさんがキーワード編集合戦状態になっているようです。傍から見ていると「必要なのは出典であり、ネットアーカイブの公開を伴わなければキーワードを編集できないとのlovelovedog氏の見解は、過去のlovelovedog氏自身のキーワード編集姿勢と矛盾しており、はてなキーワードの実際の編集に照らしても極論と思われる。」というところでlovelovedog氏がキレた線が濃いな、とおもわれます。この文書が、著作権上のリスクを背負って自身のBlogに「テレメンタリー2005「埋もれた警鐘」〜旧ユーゴ劣化ウラン弾被災地をゆく〜」を画像つきで紹介したkitanoさんに対し「アーカイブ的に第三者敵な事実確認が難儀なので、はてなキーワード的に削除(アーカイブ化された際に復活検討)」と削除したこと*1に対するkitano氏の静かな怒りが「過去の〜」に感じられます。

なるべく私的には感情的な行動を取らないようにしようと思っているのですが、ちょっと根拠があいまいな理由を元に、単純な(修正をともなわない)テキスト復活をされたのでは、「納得いかない」という判断。「俺のキーワード編集姿勢として「ネットアーカイブの公開を伴わなくてもキーワードを編集できる」的なものって、ありましたっけか」という質問を、「劣化ウラン弾」のキーワードのコメント欄でしておいたんですが、特に回答はなかった様子。
過去には俺のほうで、事実かどうかの確認が難しいものに関しては、「自衛隊劣化ウラン弾を持っている」とか「劣化ウラン弾ジュネーブ条約に抵触する、と言っている法律の専門家もいる」とか、削ったものもあるわけで(事実の確認が可能になったら復活、という条件つきで)。
現状では「テレビでこう言っていた(証言していた)」というのは、「戦争ではこんなことがあった」というような、「関係者(テレビを見た人)の記憶」以上のものではなく、事実かどうかの確認は第三者的には不可能、とまでは言いませんが難しいので、「それは置いておいて、キーワードのテキスト編集をするべきである(ていうか、してもらえませんか)」ということですが。それに対して「テレビで誰かが何かを言ったことも、キーワード編集において採用できる」というのなら、その理由を述べてほしいところ。俺が「採用できない(もしくは、難しい)」とする根拠は「第三者に事実(かどうか)の確認(=それは本当にテレビの中で言ったことなのかどうか、の確認)が不可能である(あるいは、難しい)」だからなので、「そんなことはない、簡単である、理由は○○だからだ」と言ってもらって、それに俺が納得すれば問題は解決するのですが。「テレビで誰かが何かを言った」ことは事実である、ということでテキスト編集したいのなら、俺としては「ただしその事実の確認は困難あるいは不可能である」と、すべてのそれらのテキストに添付するしかないですね。
繰り返しになりますが、俺のキーワード編集姿勢は
1・事実でないことを書かない(「事実であるかどうか確認できないこと」も含む)
2・「1」に反しない限り、人が書いたテキストは、極力尊重する(異論がある場合はテキスト追加して、両論併記の形にする)
という感じです。
あとこれはさらに重要なことですが、「(劣化ウラン弾の)放射線による奇形」「(劣化ウラン弾は)核兵器」という件に関してのテキストを、「奇形」「核兵器」のキーワードでやってくれ、と俺に対して言って削除しながら、「マンハッタン委員会メモ」に関する件は「(そういう考えなら、それは)キーワード放射線兵器でやってね」と言い返しても「マンハッタン委員会メモは「放射性重金属を使用した兵器」である劣化ウラン弾の関連情報として有意のため復活」というダブル・スタンダードぶりも「ものすごく納得いかない」という判断。
削除したテキストから。

1943年10月30日、原爆を開発したマンハッタン委員会内の「S-1実施委員会」が、マンハッタン計画の責任者L.R.グローブス将軍宛に発した報告「放射性物質の兵器としての利用」には、「放射能物質を吸い込んだ人間を死なせるのに必要な量は極めて微量である」との報告が含まれている。

いやだからそれは劣化ウラン弾」とはまったく関係ない、「放射線兵器」の話ですから。どうしても復活させたい、と考えるなら、このテキストのあとに「…というテキストは存在するが、それは「微量な放射性重金属」でしかない劣化ウラン弾とは無関係のテキストである(元テキストには「ウラン」という言葉は一言も出て来ていないし、速攻速効の効果としての「放射線兵器」に関する話であり、キーワード「放射線兵器」でやるべきテキストである)」という一文を、俺としては付け加えさせてもらって、さらに「(劣化ウラン弾の)放射線による奇形」「(劣化ウラン弾は)核兵器」という件に関する俺のテキストを復活させてもらわざるを得ないですね。
「the dose」って何よ(俺の日記から)

全文をご覧になればお分かりのとおり、「Use of Radioactive Materials as a Military Weapon」というのは要するに、核兵器の開発中に、核爆弾ができなかったとしても(1943年当時なら、核爆弾に至る道はまだとても長いものだったでしょう)、「放射性物質の利用法としては、こんなのもあるよ」という、それも「ガス兵器の一変種」的な利用を軍事関係者に示唆した科学者の参考メモです。そして、そのテキストの中には「uranium」「uran」という単語は一つも出てきていません。出ているのは「radioactive material(放射性物質)」という語だけです。まぁ、当時の技術で、ウラニウム以外の放射性物質が、ガス兵器的に使われるようなノウハウがあったとは思えませんが…。今だったら、プルトニウムを筆頭に、相手にダメージを与えるための「放射性物質兵器」はいくらでも考えられそうな気がします(自軍もダメージをくらいすぎるでしょうが)。

要するに、劣化ウラン弾というのは、放射性物質の兵器的利用としては、発生する放射線が微弱すぎて、その目的で使われる兵器ではない、ということのように思われます(人体に影響がない放射線とは思えませんが、その影響力は不明です)。
左寄りの人が劣化ウラン弾の元になったと言っている(ように俺には思える)「Use of Radioactive Materials as a Military Weapon」は、読めば読むほどその根拠を否定するだけのテキストのように思えます。劣化ウラン弾はあくまでも、その比重と入手の安易さのために使われるようになった兵器で、その放射性物質としての特性のために使われるようになった兵器ではありません。

1・劣化ウラン弾核兵器、と言っている人間は存在する
2・劣化ウラン弾の影響で奇形の子が増えている、と言っている人間は存在する
という2つの「劣化ウラン弾」に関するテキストを「核兵器」「奇形」で言及しろ、と言っている人間は、
3・劣化ウラン弾と「マンハッタン委員会の文書」は関係ある
というテキストについては「放射線兵器」で言及しろ、と言われても仕方ないのでは。
俺のほうでは、1〜3のいずれも「劣化ウラン弾」のキーワードで言及するべきだと思います(テキスト削除しない両論併記の形で)
ところで、「劣化ウラン弾核兵器放射線兵器」と公的に定義している法律は存在しますか。これは単純な質問なので、単純に答えていただけるとありがたいです。
誤解があるとまずいので、さらに付記。
俺はその、TVで放映された映像を見てますし、ビデオも撮りましたが、基本的にテレビの提供する情報については、省略と誘導がはなはだしいので、それを別の人間がちゃんと見られるような状況になっていない現状で語るのは、ヘタなプロパガンダアジテーション)か、徒労にしかならない批判(否定)以上の意味を持ちません。それについては、テレビ局のほうが「新聞の縮小版」のように、アーカイブを保存・提供(有料でもいいと思います)という対応を取って欲しいものです。
id:kitanoさんが、テレビの提供した情報にあくまでもこだわるようなら、著作権者の許諾を得て自サイトで「元情報(ソース)」を読める・見られるようにするしかないと思うのですが。
なお、確認できる限りでも、WHO放射能環境保健課マイク・レパチョリ課長の証言部分を
「埋もれた警鐘」WHOの劣化ウラン弾健康被害報告で隠された事実

要するに、マイク・レパチョリ課長は、「証拠不充分なので、推定無罪と考え公開しない」との立場ではないか。
では、いつ証拠は集まるのか? どれだけの証拠があれば公開されるのか? 何人死ねば情報は公開されるのか?
マイク・レパチョリ課長は、根拠が不明だが「10年後かもしれない」と言っている。

とテキスト化していますが、画像で確認できる限りでも「だから今よりもっといい結論が出るのは10年後かもしれないね(=現在でもそれなりの「結論」が出ている?)」と言っているわけで、太字の部分の省略にどういう意味があるのか、少し説明が欲しいところ。だいたい、英語(元発言)では何と言っているのか、という問題もあるわけですが。
さらに、故意か無意識な処理かは不明ですが、id:kitanoさんはマイク・レパチョリ課長の証言の一部を省略しています。俺がビデオで確認した字幕で、id:kitanoさんが省略した部分を太字にしてテキスト化します。

劣化ウランのせいで病気が起きていても それを証明する確かな証拠はない
イラクボスニアみたいなところに がんの統計を調べる良いシステムがないからだ
バイスタンダー効果と イラクの一般住民への劣化ウラン弾の影響
WHOが持っている知識の中では まだギャップがある
だから、今よりもっといい結論が出るのは 10年後かもしれないね

どういう理由で「根拠が不明だが」と判断したかが、俺には不明なのですが。
「がんの統計を調べる良いシステムがない」という根拠により、「証拠不充分」だ、としっかり言っています。
この「イラクボスニアみたいなところに がんの統計を調べる良いシステムがない」というのは俺も感じるところで、まずたとえばイラクの「がん死亡率」が世界標準の「10万人あたり100人」になっていない状況では、「がんが増えている」というイラクの人の証言でも「それは元のデータ(統計)のシステムがあやしい」としか、俺には言えないわけですね。