「切り返し」に関する話

ここから、いろいろ。
ハナログ - ふたたび〆切週間

時間がなくてまだあまり読めてないですが、とりあえずあずまきよひこインタビューオモロ。マンガの「視線力学」についての論も面白げ…、と、ざっと目を通してたら、「映画における《切り返し》とは、《イマジナリーラインを破る演出》のことで、特別な演出意図がない限り使用は控えられる」といった説明が出てきてしばし愕然。そりゃいくらなんでも、誤解もしくは独自の解釈が過ぎますよ。しかし、「切り返し」=「クロス・カッティング」(たとえばボードウェル『映画の様式』の日本語訳版)という説明なども流布しているようで、最も基本的な映画用語のひとつであるにもかかわらず、日本語としての意味や用法にかなりの混乱があるのがそもそもの問題なのか、という気も。

ピアノ・ファイア - 「ユリイカ2006年1月号」拙稿における映画/漫画用語の混乱の問題

日本の映画界では、カットバック時にイマジナリーラインをまたぐことを「どんでん」と呼ぶそうですが、こちらは漫画界では殆ど見掛けません(個の現場レベルでは多用されている可能性が高いですが)。

小説の場合の「視点の問題」かな。少し違うな。主観の提示(モノローグ)を混乱させるな、というのは小説技法の鉄則なんですが(だったんですが)、1970年代の少女漫画的手法を小説に応用する人たちが増えてきて(複数モノローグの多用)、そこらへんは今は少しあいまいです。
単に「切り返し」「イマジナリーライン」をキーワード登録してみたくなっただけです、すみません。