牛乳を飲んでいる人間の半数は試験の成績が平均点以下なので体に悪い

…いやそれ、「水を飲んでいる人間」でも、多分同じですから。牛乳を飲んでいる人間の、多分半数の人間は試験の成績が平均点以上だと思うし。
元ネタ。
パンは危険な食べ物
なぜか、以下のようなものが→「はてブニュース」←の注目エントリーに出てきたので驚いた。
「牛乳はこんなに身体に悪い」(新潮45 6月号)に対する農林水産省の申し入れについて
これ、「平成13年5月23日」、今から、えーと5年前のテキストなんですが。
きっかけは、これかな。
はてなQより 牛乳は体に悪いらしいですが、どう思いますか?finalventの日記)
人力検索はてな - 牛乳は体に悪いらしいですが、どう思いますか?新聞記事などURLを貼付して、それに関する意見や根拠などを詳しく説明してほしいです。よろしくお願いします
……くんくん探偵の出番だわ(すいません、ちょっと『ローゼンメイデン』見てたもので)。
しかしなぁ、元テキストの『新潮45 6月号』を見つけることがまず大変そうだ。近くの市立図書館に頼めば、県立図書館に保存してある奴まで取り寄せてくれるそうですが。
一応、ネット内でみつけた、他の人のテキスト。
牛乳は体にいいのですが!!!(Seasons of Love)

この話題は、先週かその前の週に、特命リサーチという番組で、似たようなことを放送していました。
腸の中にひそむ特殊なバクテリアか何かが、体内で栄養を作り出すというないようだったと思います。
多分、この記事を書いた記者もそれをみて、「いける!!」と思ったのではないかと思われます。

1・「特命リサーチ」という番組はもう終了している
2・「この記事を書いた記者」は2001年の人
なので、もう少しくわしいことが知りたいです。
あと、「Seasons of Love」の中の人の、「アメリカ人の友人」って誰。
もうひとつ。
成層圏の向こうでは: 牛乳が毒だと誰かトクするのかな?

……と,こういった要素を次々と剥ぎ取っていくと,結局のところ「有害」という話はどこかに消えてしまって,残った否定的なニュアンスを持つ要素は「牛乳で摂れる栄養素(カルシウムなど)は他の食品でも摂取可能で,体質的に合わない人までもが無理して飲むことはない。 だから,牛乳を絶対視するな。」という,ある意味あたり前のことだけになってしまうように見えます。

で、調べたいことのメモ。
1・「牛乳はこんなに身体に悪い」(新潮45 6月号)という記事は誰が書いたのか、ということと、その記者(テキスト製作者)のスタンス
2・「今や牛乳の本家のアメリカでさえ、「牛乳1Lでベーコン5枚の脂肪、0.12gのコレステロール!」というキャンペーンを行い、心臓病や糖尿病の予防を訴えている時代なのです。」(248頁上段18〜22行目)という記事の記載は本当か(そのキャンペーンは実在するのか)。また実在するとしたら、そのキャンペーンはどういう団体がやっているのか。その脂肪値・コレステロール値は本当か(最後の奴は簡単に調べられそうな気がします)。
3・「牛乳を飲みすぎることが、逆に骨をもろくし、骨折を招いているのです。それが証拠に、世界中で最も牛乳を飲んでいるノルウェー人の骨折率は日本人の5倍」(244頁中段5〜10行目)という記事の記載は本当か。ノルウェー人の骨折率が日本人より5倍も多いとしたら、その原因は何か。世界一骨折しやすい国の人はどこなのか。その原因は何か。
とにかく、「新潮45 6月号」の元記事を読んでおかなくては。
俺個人は、たいていの日本人と同じく、牛乳を飲むとお腹の調子が悪くなる(消化する酵素分=ラクターゼが足りない)のであまり飲むことはないのですが、寝る前に少し、あたためて飲むと安眠できるような気がするので飲むことはあります。ただ、俺基準では少しカロリーが高すぎるのが難点か。
 
(追記)
http://d.hatena.ne.jp/tonmanaangler/20060423/1145758916
早っ。

著者は「外山利通(とやま としみち)」氏。

外山利通

1946年千葉県生まれ。専修大学経済学部卒業後、千葉県の県紙・千葉日報の記者として取材・執筆にあたる。87年に産経新聞社に入社し、千葉総局エリアの松戸・柏通信部勤務のほか、千葉総局サブデスクを兼任。紙面企画・ライティング・デスク業務などを担当する。
97年、(株)日本医療企画に入社。健康情報誌「ホスピタウン」編集部の医療(病院)キャップとして、特集・連載企画、出版企画などを担当。99年に(有)ライフウエルの編集責任者として「治療前に読む本・歯医者編」(泰光堂刊)、「健康管理完全ガイド」(同)などを手がけたあと、2000年から健康ジャーナリストとして活動している。

外山利通 - Google 検索
「牛乳はこんなに身体に悪い」(新潮45 6月号)に対する農林水産省の再申入れについて

2 また、著者である外山氏の回答についても、次のように多くの誤りがあるので再度指摘する。

↑新潮社のほうから出された「著者回答」が読みたいな。
新・犬橇舎地下ページ 「牛乳通信プチミルク」

…ってな具合に、肝心なところで「〜という説がある」「〜という報告がある」とかいって、その情報源を明かすことなく自論に都合のいいように「他の誰か」の言葉を引用してるのですから…。

情報源に関してあまり知られたくないのは、新聞記者をやっていた経歴があるからかなぁ、とか思いました。
で、新潮45の記事はここにありました。おお、これで図書館に行かなくてもよくなった。
http://www.maff.go.jp/www/houdo/houdo/sincho45.pdf(pdfファイル)
↓以下のブログテキストなどは、とても参考になりました。ていうか、この話をするためには必読。
牛は何を食べたらいいのか?: 171.牛乳は飲まない方がいい?

『牛乳の飲みすぎに注意しましょう!牛乳神話完全崩壊2004年版』では
(自分の意見に対して)科学的な根拠がないと執拗に言われるが、そもそも牛乳神話のもとになっているデータこそがずさんであり、例えば、牛乳の吸収率が高いと根拠にされているデータも明治乳業中央研究所や社団法人牛乳普及協会の支援を受けて作成された、業界サイドの身びいき的なもので客観的に検証されたものではないじゃないか’と反論しています。

(太字は引用者=俺)
『牛乳の飲みすぎに注意しましょう!牛乳神話完全崩壊2004年版』は、外山利通さんの著作です。
引用を続けます。

「コメよこせ」をスローガンに皇居に25万人もが押し寄せたのが1946年の食料メーデーのこと。日本政府は占領軍に食糧援助を強く要請します。そしてまもなく大量の余剰農産物を抱えるようになったアメリカは、対外援助としてその処理を行うようになり、その援助として学校給食用の小麦や脱脂粉乳が現物供与されました。
昭和31年には(財)日本食生活協会のキッチンカーが全国を走り、粉(パン)食を奨励してアメリカの農産物・食品の市場開拓に力が注がれ、コメ偏重からの脱却、粉食による食の洋風化こそが食生活の向上と考えられました。
「また戦後の食糧不足を解消するために、コメとともに畜産の振興が強く叫ばれた。1950年(昭和25年)、民間貿易が再開されるとともにトウモロコシがまっ先に自由化された(この時点で関税率10%)。さらに54年、「酪農振興法」が制定されるとともに、飼料工場が輸入する飼料穀物は関税ゼロとされた。60年以降本格化しはじめる農産物貿易の自由化に先立つ措置だった。戦後、稲作とともに日本農業の重要な柱として発展する畜産は、飼料の完全輸入依存の「加工型畜産」となった。」(『環・食とは何か/戦後日本の食と農政』(睴峻衆三/藤原書店:2004年16号)
「日本という国家全体がそうだったのですが、厚生省の方針は占領中もその後も終始アメリカ追随でした。その結果、どんな状況が生まれたかをお話ししましょう。58年には「命の水作戦」の第2弾として牛乳給食を実施し、牛乳神話の基盤が築かれました。これに歩調を合わせて本格的な官民ぐるみの牛乳キャンペーンが始まります。保健所や病院で、乳業から派遣された専従の栄養士らの栄養講座が開かれ、大手メーカーは新聞、ラジオ、テレビなどで乳製品の大量広告を展開。体の大きな“健康優良児”を競う赤ちゃんコンテストが開かれるなど大々的な牛乳合戦が繰り広げられました。もろに影響を受けた日本の母親たちの間では、アメリカ流の粉ミルク育児が過熱し、トレンドなブームとなってしまいます。」 
「こうして、現代栄養学が賞賛する乳製品・パン・肉などの消費は日本でもバツグンの伸びをみせ、関連分野はスーパーヘルス産業へと成長しました。その膨大な利潤のおかけで政党は潤い、官僚は鼻高々で、アメリカも思惑通りに日本を農業産品の最大輸出国とすることができたわけです。自民党や厚生省が『健康より経済』という唯一の政策を押し通してきた裏には、日米のこんな“蜜月関係”があったのです。(『牛乳の飲みすぎに注意しましょう!』)

(太字は引用者=俺)
ええ〜!? これもまた「アメリカ許すまじ!」みたいなイデオロギーな話になっちゃうんですか? なんかもう、「何でもかんでもイデオロギー」ていうか政治性だ、というのは、一度は俺は否定してみたけど、世の中ってそういうものなのかなぁ、という感慨が。