今週のSF(2006.7.18-22)

今回は6冊でした。今週の1冊は、これ。
 
★『太子暗黒伝 1 厩戸皇子篇』(富樫 倫太郎 著/徳間書店/1,000円円)【→bk1】【→amazon
大和と河内を結ぶ穴虫峠の獣道を歩む二つの人影。飛鳥へむかう出雲からの旅人だった。二人は遠い出雲の国から飛鳥の廐戸皇子を訪ねて旅してきた。出雲の大神様は普通の人間では駄目だ、所詮ただの人間など大奈無智や少奈彦の暴虐さや狡猾さに敵わないというのだ。廐戸皇子は池辺皇子(後の用明天皇)と穴穂部間人皇女の間に生まれた嫡男だったが、用明天皇には壮年の兄弟が何人もいるので、大王になる確率は低い。そんな人間になぜ?皇子は、ただの人間でないというのだ。時代は五八七年。日本は飛鳥と出雲、そして九州に邪馬台国が鼎立する三国分裂の時代であった。出雲に起こる波乱の兆候、そして朝廷内では物部氏蘇我氏が反目していた。朝廷内の新旧両勢力の権謀と戦い。出雲へと旅する廐戸皇子…。日本が日本となる前の古代社会を舞台に贈る富樫伝奇ロマン壮大なる始まり!
 
少し懐かしめな伝奇歴史小説みたいです。



★『ピースサイン』(福沢徹三/著/双葉社/1,680円円)【→bk1】【→amazon
「ピースして写真にうつると早死にするらしい」。学校で噂されるこの都市伝説を鼻で嗤い、堂々とピースサインをして写真にうつった女子高生―果たして彼女はいくつまで生きられるのか…(表題作「ピースサイン」)。いつもの生活と隣り合わせにある、恐怖と絶望の裂け目に落ちた人間たちを、独自の感性で綴った奇妙な味の物語集。◆ピースサイン◆嗤う男◆夏の収束◆憑かれたひと◆帰郷◆狂界◆真実の鏡
 
★『本当は恐い!世界名作童話』(篠田 純 著/竹書房/500円円)【→bk1】【→amazon
昔話や童話は「人間ドラマの縮図」「人生の真相」ともいわれているが、本書では、長く伝えられてきた昔話や童話の中から、テーマ性のあるものを取り上げ、その中に潜んでいる原作本来のニュアンスや、意外な事情を描写してみた。 グリム童話より『夏の庭と冬の庭』アンデルセン童話より『おやゆび姫』グリム童話より『恋人ローラント』イギリス民話より『ジャックと豆の木グリム童話より『千枚皮』ペロー童話より『長靴をはいたネコアンデルセン童話より『豆の上に寝たお姫さま』ドイツ民話より『ハーメルンの笛吹き男』インド民話より『蜘蛛の糸グリム童話より『運のいいハンス』グリム童話より『青ひげ』グリム童話より『白雪姫と七人の小人』
 
★『スター・ウォーズ 外宇宙航行計画 上』(T.ザーン 著 富永 和子 訳/ソニーマガジンズ/935円円)【→bk1】【→amazon
クローン大戦勃発より5年前、外宇宙探査と大々的殖民と目的とするアウトバウンド・フライトが5万人の乗員を乗せて飛び立った。この計画の発案者である傲慢なジェダイ・マスター・シボースの暴走を監視するため、オビ=ワンとアナキンも同行することになる。しかし、シス卿ダース・シディアスが、アウトバウンド・フライトの撃墜命令を出したことをジェダイ評議会も知らなかった。『スター・ウォーズ 生存者の探索』の謎が明かされる。
 
★『スター・ウォーズ 外宇宙航行計画 下』(T.ザーン 著 富永 和子 訳/ソニーマガジンズ/935円円)【→bk1】【→amazon
ジェダイ・マスター・シボースはしだいに常軌を逸し、独裁者としてアウトバウンド・フライトを支配しはじめる。パルパティーンの顧問を務める一方で、シディアスにも仕えるドリアナは、アウトバウンド・フライト撃墜を命じられていた。トレード・フェデレーション艦隊と共に待ち伏せをしていたドリアナは、チス拡張防衛艦隊の司令官スローンと出会う。彼はこの知将を味方に引き入れるべく、ジェダイの危険性を説いた。はたして5万人の運命は…。
 
★『ビースト』(アリー・ケネン/著 羽地和世/訳/早川書房/1,575円円)【→bk1】【→amazon
ぼくはスティーヴン、17歳。「あいつ」を飼いはじめて、6年になる。はじめはただの弱々しいペットだった。いまでは巨大でおそろしいビーストだ。貯水池の檻のなかから、ぼくをにらんでいる。ぼくを食おうと考えている。もしもあいつが、この檻から逃げだして人間を襲ったら…。だからぼくは決めたんだ。この手で、あいつを殺すしかない。でも、あんな狂暴な生き物を、ぼくひとりで始末できるんだろうか…。