素人が口出しできるようなシステムを提供するから、『ゲド戦記』レビューのようなことになる

これは以下の日記の続きです。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060814/tkfriends
 
見出しは本当に演出なので気にしすぎないでください。
 
以下のところなどを参考に。
ゲド戦記に星五つは工作員か?(小野マトペの業務日誌(アニメ制作してない篇))

俺は、『公開直後からついた五つ星』は、単純にバックラッシュ現象だと認識している。確かに『ゲド戦記』は世間的には疑問符の残る映画かもしれないですけど、俺を初めとして『良かった』『面白かった』という人も一定量はいる訳で、そういう立場からすると、あの酷評一色のファシズム振りは不自然な訳で、アカウントを取得してまでレビューを書くモチベーションを刺激されるのも宣なるかなと思いますよ。そんなレビュアーを『サクラ』呼ばわりされちゃかなわねぇぜ!…と。(サクラかも知れないけどね。)
で、その上で持論を展開しますが、あのレビュー群は異常ですよ。レビュアーよりも、ウォッチャーが。あのレビューページを『投稿順』で眺めてるとよく分かりますが、流れの落ち着いた今現在でさえ、新着投稿のうち、一〜二つ星レビューには三時間で20の"役に立った"が入り、そうでないものには三時間で20の"役に立たなかった"が入ります。もうほとんど機械的に。さらには『ウンコだった。終わり。』みたいなレビューとして無価値な書き込みでさえ、80%もの『役に立った』が入る。これはゲドがどうこう以前に映画好き・アニメ好きとして心底許せないんだけど、結果、デフォルトである『役に立った順』で表示するとまるで酷評しか入ってないように見えるという訳で、彼らこそが本当の意味での工作員(やってる事は荒らしですけど)ではないかと思う。タダでさえ今回はあのレビューページは注目を集めたしね。2chとかで。2chとかで。

「役に立った」順、というのは気がつきませんでした。
それで並び替えをしてみると、こんな感じ。
Yahoo!ムービー - ゲド戦記
「役に立たなかった順」だと、こんな感じ。
Yahoo!ムービー - ゲド戦記
みごとに「星1つは役に立った評、星5つは立たなかった評」に分かれてますな。
こういうのって、他の映画でもあるんだろうか。あったら教えてください。
ぼく自身は「見ていない映画をけなすのはどうか」という考えがあるので、映画そのものに対してはあまり語れないんですが、ブックマークその他ではなるべく「けなしていない」みたいな評を選んで読むようにしています(マーケティングみたいな奴を除く)。なんでここまでけなされているのか皆目不明なので。
「愛・蔵太の気ままな舞熊区」を『ゲド戦記』で検索
で、とりあえず他のサイトから、こんな意見を見つけて納得。
F's Garage:ゲド戦記に見るネット評価への考え方

メジャーコンテンツにはネガティブな意見がクチコミを支える原動力となり、マイナーコンテンツにはポジティブな意見がクチコミを支える原動力となるんじゃないかと思います。

ネットが基本的にクチコミな要素が強いために起きる現象でしょうか。まぁ「アンチ巨人ファン」はいても「アンチロッテファン」はいないようなものか。「メジャーコンテンツの迷走」を叩く構造は、ぼくには「いじめの構造」にも通じるようなものも感じてしまいました。ちょっと考えがうまくまとまらないけど、そんなに「ネット」とか「クチコミ」のチカラを、ぼく自身は信じているわけではありません。暴走する危険は感じても、暴走を食いとめるチカラがネットにあるかどうか、が疑問なんですね。関東大震災の時の東京や、ルワンダ大虐殺の時のルワンダに、今みたいなインターネットがあったとしても、「虐殺」を鎮める方向ではなく煽る方向に使われたんじゃないか、ということです。
あー、これに似たような現象を少し思い出した、『スターウォーズ・エピソード1』に出てきたジャー・ジャー・ビンクスだよ!
『エピソード2』のための、『ファントム・メナス』見直し講座

ジャー・ジャー・ビンクスに対する激しい批判。それをいまさら説明するまでもないが、『ファントム・メナス』批判論者の攻撃の矛先は、ジャー・ジャーの存在そのものに向かう。『ファントム・メナス』のジャー・ジャーが全く登場しないバージョンのビデオが作られ、流通するくらいであるから、ジャー・ジャーに対する嫌悪は、すさまじいものがある。
(以下略)

なんかスター・ウォーズを語るにあたっては、「ジャバ・ザ・ハット最高、ジャー・ジャー・ビンクス最低」みたいなこと言ってれば、映画年間10本ぐらいしか見ない人間でも、シネマディクトに「うむ、通ってよし」と言われたようなところがあったなぁ。まるで「こいつはいじめてもいいキャラだからな」と、クラスのボスに言われてしまったいじめられっ子みたいでした。
(2006年8月13日記述)