芭蕉はどれくらい歩いたか(引用)

今回のテキストは、以下のところからまるまる引用なので、
芭蕉はどれくらい歩いたか
MetLog」の人、もしくはその関係者から連絡があったら削除します。けっこう面白かったサイトの印象はあるのに、もったいないと思った。
以下、引用。

芭蕉は一日4万歩歩いた、という話がラジオで流れていたので気になって多少調べてみました。
チャンネルK NO.2 よみがえるわらじ効果

松尾芭蕉は旅の道中、一日に四万歩近くも歩いた計算になる

なるほど、そう書いてありますが、計算の根拠は不明。一方こちらは2万7千歩説。
asahi.com : Be on Saturday芭蕉をめざそう 超遅歩きと歩行記録を)

芭蕉の1日当たりの歩数は、2万7千歩。1日4万歩が、当時の旅行者の平均だそうです。これに比べれば、芭蕉の歩数は3割ほど少なく、ゆっくり歩いていたことがわかります。

いや歩数が少ないからゆっくり歩いた、ってことじゃないでしょう。芭蕉の旅は逗留も多く、資料にも詳細の経路や期間は残ってないから、実はよく分かっていないという面も多いんです。まずもって歩数でばかり語るのも怪しい。最初に距離。歩数は個人差も誤差も大きいから二の次。で、他のサイトもあちこち見てみました。
一番詳しいサイトがここでした。
芭蕉はどんな旅をしたのか-立ち読み(引用者注:現在はリンク切れ)

芭蕉は一日に何里を歩いていたのだろうか。(略)一日の平均七・三里(約二九キロ)を歩いていたことになる。(略)ちなみに当時の東海道では成人男子の一日の歩行距離十里(約四〇キロ)といわれていた。

この30kmを根拠に、自分の歩数実測データに当てはめれば、なんと40322歩。ずばり4万歩です。
さて、自分なりの常識観を交えて、さらに芭蕉の歩行について考えを進めてみますと、
・当時成人男子の旅行者の歩行距離は40km
芭蕉は40歳を越えており、旅行者一般平均よりは遅かったろう。
・それに特に急ぐ期限も明白な目的地もない(アバウトにはあったにしても)旅なので、それほど急がなかったろう。
・成人男子一般よりずっと速い、とは考えにくいが、けれども特に遅い、ゆっくりというのも考えにくい。長距離を旅するにはそれなりのペースは必要だろうし
・最後に挙げたサイトでも言われてますが、交通量の少ない険しい山間部も多かったろうし、寄り道も多そう(ていうかそれが旅の目的の一つだし)なので、平均距離としては、一般速度の8掛け弱くらいになってもおかしくはないでしょう。
以上を踏まえても、一日30km(4万歩)というのは妥当な線のように思えます。平地で寄り道が少なければ、35kmくらいは行っててもおかしくはなさそう。
(後略)

…と、長々と引用してみたんですが…、実は「MetLog」の移転先が分かりました。
MetLog
MetLog:芭蕉はどれくらい歩いたか
せっかくなのでぼくの日記に引用テキストを載せておきますが、MetLogは他のテキストも面白いので、読むといいのです。
しかし「当時成人男子の旅行者の歩行距離は(1日)40km」というのはすごいです。成人女子なら30kmぐらいだろうか。