『徳川将軍家の演出力』『世界屠畜紀行』『書評家〈狐〉の読書遺産』

本日の読みたい本・おすすめ版(2007年1月あたり)。



★『徳川将軍家の演出力』(安藤優一郎/著/新潮社/714円)【→bk1】【→amazon
封建時代の圧政の象徴から暴れん坊まで、徳川将軍は様々イメージされてきたが、江戸時代の人々にとって、実際はどのような存在だったのか。大名は拝謁儀礼、御成、鷹狩り、拝領と献上などのチャンスを使って、将軍との親密さをアピールするとともに家格の向上を図り、町人は町入能で将軍に「成田屋」と声をかけ、「ありがたく」も「勿体ない」存在として誇った。御威光の巧みな演出法にみる葵のブランド戦略。

★『世界屠畜紀行』(内沢旬子/著/解放出版社/2,310円)【→bk1】【→amazon
「食べるために動物を殺すことを可哀相と思ったり、屠畜に従事する人を残酷と感じる文化は、日本だけなの?」屠畜という営みへの情熱を胸に、アメリカ、インド海外数カ国を回り、屠畜現場をスケッチ!! 国内では東京の芝浦屠場と沖縄をルポ。「動物が肉になるまで」の工程を緻密なイラストで描く。

★『書評家〈狐〉の読書遺産』(山村修/著/文芸春秋/777円)【→bk1】【→amazon
志ん朝の落語』からブルーノートまで。『龍馬の手紙』からコナン・ドイルまで。名著を味わい尽くして逝った読書人<狐>の読書遺言。