『悪党(ピカロ)が行く ピカレスク文学を読む』『ホフマンと乱歩 人形と光学器械のエロス』『モノと子どもの戦後史』

本日の読みたい本・おすすめ版(2007年2月あたり)。

悪党が行く ピカレスク文学を読む (角川選書)

悪党が行く ピカレスク文学を読む (角川選書)

★『悪党(ピカロ)が行く ピカレスク文学を読む』(鹿島茂/著/角川学芸出版/1,680円)【→bk1】【→amazon
傲慢で、女たらしで、人を騙すことなど何とも思わない男たち―悪党。彼らはなぜこんなにも人々を魅了し、人はそれを文学に表現するのだろうか?バルザックが『ペール・ゴリオ』『幻滅』『娼婦の栄光と悲惨』の三部作で生み出したヴォートラン、モリエールが描いたスペインの伝説的女たらしドン・ジュアンなど、数々のピカレスク文学に登場する悪のヒーローに肉迫。
ホフマンと乱歩 人形と光学器械のエロス (理想の教室)

ホフマンと乱歩 人形と光学器械のエロス (理想の教室)

★『ホフマンと乱歩 人形と光学器械のエロス』(平野嘉彦/著/みすず書房/1,575円)【→bk1】【→amazon
ホフマンの『砂男』と乱歩の『押絵と旅する男』はともに、出来事が主人公の妄想なのか現実なのか判然としない、読者を不安に陥れる物語です。人形と望遠鏡―この共通項に、どんな物語の罠が仕掛けられているのでしょうか。フロイト精神分析も引きながら、狂気とエロスの妖しい関係を探る奇想天外な小説指南の登場です。
モノと子どもの戦後史

モノと子どもの戦後史

★『モノと子どもの戦後史』(天野正子/著 石谷二郎/著 木村涼子/著/吉川弘文館/2,940円)【→bk1】【→amazon
戦後、子どもの環境は激変した。オムツは使い捨て、母乳は粉ミルクへ。給食は豪華メニューとなり、校舎は広々と。学習机は機能的に、制服もスタイリッシュになり、マンガやおやつがあふれる。子どもの今を捉え直す。