『読書会』

読書会

読書会

★『読書会』(山田正紀/著 恩田陸/著 笠井潔/ゲスト参加 萩尾望都/ゲスト参加/徳間書店/1,575円)【→bk1】【→amazon
エンターテインメント小説界の最先端を常に走り続ける大ベテランと、今をときめく超人気作家が、古今東西の名作SFを読み解く。
【感想】SF関係の名作についてお二人がメインで語っているのはいいのですが、11回の対談の中で、ゲストも含めて3回も関係者の本の読書会をするのはやりすぎだろ、とか思いました。営業的な問題もあるのかな。『神狩り2』の出版社は徳間書店だし。『バルバラ異界』は小学館か。でも徳間主催の日本SF大賞受賞してるし。ということで、朝の民放のニュースに、その夜スタートする連ドラのゲストが出ているような「番宣」ムードが3割ぐらい感じられる本でした。だったらもうあと一人、小松左京も入れて欲しかったところ。外国のSF作家だと、ブラッドベリは外せないとも思うんですが(ハインラインはまぁ、外れても二人の読書趣味からいうとしかたないか)、SFをこれから読んでみようと思っている人には、それなりのガイドにはなっていると思います。こういうガイド本を網羅的に作ろうとかいうんじゃなくて、ちょっと個性的な作家の読書体験をまとめている、というスタイルはなかなか面白いのでした。