『日本数寄』『ピカレスク 太宰治伝』『はかり方の日本語』

本日の読みたい本・おすすめ版(2007年3月あたり)。

日本数奇 (ちくま学芸文庫)

日本数奇 (ちくま学芸文庫)

★『日本数寄』(松岡正剛/著/筑摩書房/1,470円)【→bk1】【→amazon
ときにまっすぐに核心を射抜き、ときにキワに寄りながら、日本の歴史からさまざまな趣向(数奇)の系譜を見出し、縦横無尽にそのつながりを辿る。梅に桜、唐草や咋鳥といった文様や意匠の系譜、曲舞に能楽、祭りの神興、神社の空間、仏壇のしつらえ、さまざまな名物、利休に織部茶の湯の文化の仕掛け人たち、はては和算に人口知能…著者の博識に身を委ね、歴史と現在を大胆に横断しながら見えてくる、無常迅速、日本のダンディズムの歴史。
ピカレスク 太宰治伝 (文春文庫)

ピカレスク 太宰治伝 (文春文庫)

★『ピカレスク 太宰治伝』(猪瀬直樹/著/文芸春秋/780円)【→bk1】【→amazon
「井伏さんは悪人です」。太宰が遺書に書いた言葉の意味は何だったのか?親兄弟、友人知人を騙り、窮地に陥る度に自殺未遂を起こした太宰。その太宰を冷徹に観察し、利用した井伏。二人の文士は、ともに「悪漢」であった。師弟として知られる井伏鱒二太宰治の、人間としての素顔を赤裸々に描く傑作評伝ミステリー。
はかり方の日本語 (ちくま新書)

はかり方の日本語 (ちくま新書)

★『はかり方の日本語』(久島茂/著/筑摩書房/714円)【→bk1】【→amazon
「おはじき一〇〇個」は「多い」のに、「一〇〇という数」は、「大きい」というのはなぜか?「今は平成一九年」とはいえるのに、「今は三日」といえないのはなぜか?同じく面積の話なのに「庭」は「広い」で、「ハンカチ」は「大きい」のはどうしてなのか?ふだん何気なく使っている「数」「時」「量」のはかり方を少しつっこんで考えてみると…。探るほどに不思議で、精妙な論理を持つ日本語の世界へご案内。