茶髪女子店員解雇で確認しておきたいこと

 以下の朝日新聞の記事から。
16歳「茶髪」少女 バイト先からクビ通告 個人で労組へ朝日新聞

16歳「茶髪」少女 バイト先からクビ通告 個人で労組へ
2007年05月19日19時11分
 
 ビジュアル系バンドや少女漫画が好き。そんな16歳の少女が、髪の色を理由にアルバイト先の店長から突然、クビを通告された。「納得できない」。彼女は闘うことを決めた。個人加盟できる労働組合(ユニオン)に入り会社と交渉、撤回させた。
 東京都練馬区の福家(ふくや)菜津美さん(16)は昨春、中学を卒業。高校には進まず、母と姉の3人暮らしの家計を支える。
 週5日、朝8時から夕方5時まで牛丼チェーン店で働く。さらに週2、3日は午後6時から9時半までファミリーレストランで。ダブルワークで月収は約16万円。高卒認定試験(旧大検)をとって大学に進み、獣医師になるのが夢だ。
 ところが3月、ファミレスの新店長に「髪の色を黒くしなさい」と指示された。極端な茶髪ではないし、店では規則通りに束ねている。1週間考えた後、拒否した。店長からは「それなら一緒に働けない」と告げられたという。「1年間、一生懸命働いて時給も20円あげてもらった。それが髪の色だけで否定されることが悔しかった」
 首都圏青年ユニオンに入って交渉することにした。4月の団体交渉には、同ユニオンの16人が支援に駆けつけてくれた。会社側は「解雇通告だというのは誤解」と説明。店長の「クビ」発言についてもはっきり認めない。だが福家さんは「一緒に働けないと言われたら、クビと同じじゃないですか」と思いをぶつけた。交渉の結果、会社は、髪を黒くしなくても今まで通り働くことを認めた。
 福家さんは20日に東京・明治公園である「全国青年雇用大集会2007」で体験を話す。
 「16歳でも、働く人の権利を知らないと絶対損をする。何も知らなければ、何も言うことができません

 東京新聞の記事では、こんな感じ。
「茶髪は解雇」覆す フリーター泣き寝入りしない東京新聞

「茶髪は解雇」覆す フリーター泣き寝入りしない
2007年5月20日 07時42分
 
 「茶髪」を理由にアルバイト先から解雇されそうになった16歳の少女が立ち上がった。東京都内に住む福家(ふくや)菜津美さん。フリーターらの労働組合首都圏青年ユニオン」に加わって団体交渉に臨み、会社側の姿勢をただした結果、雇用継続を勝ち取った。「自分と同じような目に遭った人のためにも言わなくちゃって、がんばった」。少女の笑顔は、不当解雇にも泣き寝入りしてきた非正規雇用者たちに、希望をもたらしそうだ。 (佐藤直子
 「まじめに働いてきたのに、なぜ辞めなくてはならないのですか」
 4月下旬、団体交渉が行われた豊島区内の会議室。机の向こう側の会社幹部や解雇を言い渡した店長、顧問弁護士に向かって福家さんは一息に言った。弁護士が答えた。「髪の色が、店の規則に合っていないからです」
 地元のファミリーレストランでアルバイトを始めたのは中学卒業後の昨年4月。時給820円で週3日、夕方6時から深夜10時までフロアで働く。週5日は早朝から隣町の牛丼店でも働き、バイトの掛け持ちで毎月の収入は14万円ほど。体はきついが、将来の進学や家計の援助のために頑張ってきた。
 そんな生活が今年3月に変わった。ファミリーレストランの新任の店長が従業員の身だしなみを細かく注意し、福家さんには、従業員マニュアルの色見本に沿って、髪の染め直しを求めてきた。
 福家さんは、突然の指示に戸惑った。仕事中は清潔感を保つため長い髪を小さくまとめ、装飾品は一切、外した。客から苦情が出たことは一度もなかったという。
 「前の店長には注意されなかった。すぐに髪を黒く染めろと言われても納得できません」。反論する福家さんに、店長は「一緒に働けない。辞めてもらう」と解雇をほのめかした。半年ごとに更新されるバイトの契約期限は7月末だったが、その期限すら守られない“通告”だった。
 福家さんは4月、知人の紹介で首都圏青年ユニオンのドアをたたく。フリーターの若者たちが、個人で加入している労働組合。組合員になれば団体交渉権が行使でき、会社側と渡り合えることを知った。
 「前の店長は仕事ぶりを認めてくれて時給も20円上げてくれた」。交渉の席上、涙ぐんで声を上げた福家さんの横で、同ユニオンの河添誠書記長は「有期雇用を繰り返してきた福家さんを雇い止めにするには正当事由が必要」と主張した。これに対し「(店長の言葉などに)解雇の意味はなかった」とする会社側は、約1時間の交渉の末、雇用の継続を約束した。

 同ユニオンによると、非正規雇用者の増加を受け、労働者の組合組織率は2割を切っており、残り8割は不当解雇にも泣き寝入りしているのが実情という。

 同ユニオンなどは20日正午から、東京・千駄ケ谷の明治公園で集会を開催。福家さんも体験を報告する。参加無料。問い合わせは集会実行委員会=電03(3468)5301=へ。

東京新聞

 確認しておきたいことは、以下です。
1・茶髪は「色の濃さ(薄さ)」が問題なのか、茶髪そのものがいけないのか。いまどき「茶髪はダメ」というような考えでは難しいので、はっきりしたところが知りたい。私立の高校とかだったら分からなくもない。
2・店長は「辞めてもらう」と言ったのか、「クビと同じ」ようなことを言ったのか。「一緒に働けない」は、同じチェーンの別の店で働いてもらう、みたいな感じにも思えるし、そのファミリーレストランの雇用形態がどうなっているのか不明。まぁ、言った・言わないは水掛け論になっちゃうので、「(2007年7月末での)解雇をほのめかす」ということはアリかも。いきなりクビ、とはどちらのテキスト見ても見当たらない。ていうか、多分そんなことは店長対バイトでも雇用契約上から出来ないと思う。
 ↓以下のテキストによると「解雇された」ということですが。
「解雇を撤回させました」と16歳女性が発言! メーデー本集会 - まともに生活できる仕事を!人間らしく働きたい! - Yahoo!ブログ

 メーデー本集会では、16歳の女性が発言。
 髪を染めていることを理由に、ハンバーグレストランを解雇されたナツミさんは、
 首都圏青年ユニオンに加盟して解雇を撤回させたことを報告。
 「私は、たまたま権利を知ることができる状況にいたけど、多くの青年は、知らされていない。
 そういうなかで苦しんでいる青年に、『権利があるんだよ』と知らせ希望をひろげるためにも
 5.20の雇用集会は、大成功させたい」と決意を語ってくれました。(F)

 ちょっとソース(一次情報)的にあいまい。
 ティアラ(髪飾り)から見ると、以下の写真の「5/1 全労連 第78回中央メーデー」で「牛丼すき家は残業代を法律通り支払え」という垂れ幕を持っている人と多分同じ。
首都圏青年ユニオン 活動写真集
 あまりこの手のファッション、くわしくないんですけど甘ロリ系ですか。
 ぼく個人の考えとして物語を作ってしまうと、「髪が従業員マニュアルの色見本より茶髪的で、それを改めることを拒否したため、新しい店長は2007年7月末での解雇をほのめかせる発言をした。それが撤回されたかどうかは、ぼく自身はもう少し展開の様子をみたいけれども、ちょっと解雇は「首都圏青年ユニオン」の介入で難しくなったかも」というところです。