自衛隊の監視先は共産党が中心のようですが
以下のニュースその他から。
→東京新聞:自衛隊が「市民」監視 批判的289団体・個人 内部文書を共産党入手:政治(TOKYO Web)
自衛隊が「市民」監視 批判的289団体・個人 内部文書を共産党入手
2007年6月7日 09時00分
共産党の志位和夫委員長は6日、記者会見を開き、イラクへの自衛隊派遣に反対する団体や個人について、陸上自衛隊情報保全隊が収集した情報をまとめた「内部文書」を自衛隊関係者から入手した、と発表した。対象となっていたのは、市民運動や労組、政党、宗教団体、地方議会の動き、派遣をめぐる取材活動などで、全国41都道府県の計289団体・個人の活動状況が記録されており、高校生のグループも含まれていた。
志位委員長は「自衛隊という軍隊が、市民団体やジャーナリストなどの動向を監視するのは、表現の自由やプライバシーの侵害で違憲。自衛隊法にも根拠を持たない活動。戦前・戦中の『憲兵政治』を復活させようとする許し難いものだ」と批判。鈴木政二官房副長官に中止を要求した。
文書は「情報資料について(通知)」と「イラク自衛隊派遣に対する国内勢力の反対動向」の2種類で、A4判で計166ページ。イラク派遣の基本計画閣議決定を直前に控えた2003年11月から、陸上自衛隊本隊の主力部隊がイラク・サマワに到着した04年2月にかけ、1週間ごとに調査されたもの。市民運動や労働運動を「民主党系」「共産党系」「社民党系」「新左翼等」などに分類し、集会やデモ、ビラ配りなどの日時・場所、状況、参加者の写真のほか個人が送ったはがきの内容なども記録されている。
「情報資料について」は東北方面情報保全隊長が作成し、中央の情報保全隊長や他の四方面の情報保全隊長などに配布。イラク派遣反対運動や平和運動だけでなく「医療費負担増の凍結・見直し」「年金改悪反対」「消費税増税反対」などの運動も記録。民主党の増子輝彦衆院議員(当時、現参院議員)が自衛隊の後援団体の新年会で「派遣に反対」とあいさつしたことが「反自衛隊活動」と記載されていた。
報道関係では、駐屯地司令らと報道各社支局長との懇親会で、自衛隊の情報収集能力や訓練内容、兵器の性能などの質問が出たことを質問者の実名入りで記載。また、岩手駐屯地からの派遣人数や時期についての電話確認や、青森駐屯地正門前で退庁する隊員に対し行われた取材を「反自衛隊活動」と記していた。(東京新聞)
「内部文書」は以下のところで見ることができるようです(pds・xlsファイル)。
→http://www.jcp.or.jp/seisaku/2007/20070606_shii_adoc.pdf
→http://www.jcp.or.jp/seisaku/2007/20070606_shii_bdoc.pdf
→http://www.jcp.or.jp/seisaku/2007/20070606_shii_ichiran.xls
こんな意見もあったりしたので、メモ。
→自ニュF: 「自衛隊が市民監視」 共産が「内部文書」公表
細かく見ていると面白いな、これの「52」ページ。◇ 「自称朝日新聞記者」を名乗る某女は、2月3日1710頃、青森駐屯地正門前で退庁する隊員に対し自衛隊のイラク派遣に関する取材を実施。取材を受けた隊員が、記者であることの身分証の提示を求めたが提示なし」。あとここに集会をP・S・NL系とかに分けてるけど、Pは共産、Sは社民、NLは新左翼かな。P系が圧倒的に多いので、共産党がムキになるわけだ
なにぶんにも膨大な量の資料なので、全部を細かく見るのはプリントアウトしてじゃないと無理そうですが(近日してみることにします)、引用テキストの引用部分をもっと電子テキスト化するとこんな感じ。
→http://www.jcp.or.jp/seisaku/2007/20070606_shii_adoc.pdf、p52
自称「朝日新聞記者」を名乗る某女は、2月3日1710頃、青森駐屯地正門前で退庁する隊員に対し自衛隊のイラク派遣に関する取材を実施
参考事項
1・取材を受けた隊員が、記者であることの身分証の提示を求めたが提示なし。
2・2月4日の朝刊に取材したと思われる内容の記事を確認
平成16年(2004年)2月4日づけの朝日新聞の記事は見つかりませんでした。時間があるときに図書館で調べてみよう。
こっちの記事も参考に。
→自衛隊監視活動:イラク派遣反対の団体など 共産党が発表−政党:MSN毎日インタラクティブ
自衛隊監視活動:イラク派遣反対の団体など 共産党が発表
共産党は6日、防衛相の直轄部隊「情報保全隊」が、自衛隊のイラク派遣に反対する全国の市民団体や野党議員の動向、デモ参加者の写真、記者の取材内容などを組織的に収集していたことを示す内部文書を入手した、と発表した。
文書は03年11月から04年2月にかけて、陸自東北方面情報保全隊と保全隊本部が作成したとされる2種類で計166ページ。イラク派遣に対する市民団体の活動が週ごとに記録されている。また04年1月の記録で、民主党の増子輝彦衆院議員(現参院議員)が、隊OBらが組織する「隊友会」の祝辞でイラク派遣に反対したことに触れ、「派遣を誹謗(ひぼう」などとしている。
報道機関については「青森駐屯地から退庁する隊員に取材を実施」などの記載がある。毎日新聞の記事については、04年2月21日の朝刊でイラクに赴く自衛隊員の安全を祈って全国に「黄色いハンカチ運動」が広がり、この動きに映画監督の山田洋次氏が異議を唱えていると報道したことに言及。「批判的な考えを表明している映画監督の回答を掲載」などと記録。登場する団体・個人数は290に上る。
志位和夫・共産党委員長は「資料は自衛隊関係者から入手した。結社、表現の自由などを脅かす憲法違反の行為で、こうした監視活動はただちに中止すべきだ」と述べた。
これに対し、久間章生防衛相は同日夕、「当時は(イラク派遣への)反対運動もあり、隊員や家族を安心させることが目的だった」と述べ、問題ないとの認識を示した。文書の真偽については「3週間で破棄する報告文書だから、調べようがない。内容が正しいかどうかも分からない」と話した。守屋武昌事務次官は「防衛省設置法に基づく調査・研究であり、(陸上自衛隊の)訓令で情報保全隊に与えられた情報収集活動」と違法性を否定。また写真撮影については「部内限りの資料で(肖像権の侵害などの)憲法違反にはあたらない」と釈明した。【日下部聡、本多健】
◇解説◇ 調査活動、逸脱の疑い
情報保全隊などが作成したとされる文書には集会の参加団体名と代表者名、さらに自衛隊を取材した記者も多くは実名で記載されていた。デモ行進などに参加した人の顔を写した写真もある。
内部の運用基準によると、情報保全隊の調査対象となるのは▽自衛隊に対して秘密を探知しようとする▽基地施設などに対する襲撃、業務に対する妨害▽職員を不法な目的に利用するための行動−−の恐れがあるなどの場合だという。防衛省は「自衛隊に関する取材や講演はこの基準を満たしている」との見解だ。メディア関係者は「保全隊にフリーハンドを与えたような解釈だ」と批判する。
特にデモ参加者らの同意がない写真撮影は、問題がある。最高裁は69年、警察が行う撮影が許容される場合について「犯罪が行われ、もしくは行われたのち間がなく、証拠保全の必要性、緊急性があるとき」との判断を示した。個人情報保護問題に詳しい清水勉弁護士は「写真は個人識別性が非常に高い。警察よりも必要性の低い情報保全隊による無断撮影は、肖像権や表現の自由に対する侵害の恐れがある」と指摘する。防衛省には情報保全隊による調査活動の適法性について、国民に対して十分に説明する責任がある。【臺宏士】毎日新聞 2007年6月6日 21時40分 (最終更新時間 6月7日 0時24分)
記者名で検索してみた。
→臺宏士 - Google 検索
…コメントは控えます。が、今回の件での一番の収穫。
「3週間で破棄する報告文書」「部内限りの資料」を、どういうルートで共産党が手に入れることができたのか、には少し興味を持ちました。
あと、googleアラートで「市民団体」を登録してみた。
→Google アラート (ベータ版)
これで「市民団体」のニュースが取り放題です。
「プロ市民団体」の活動を知りたいかたには残念なことですが、そんなに世の中は左寄りの市民団体ばかりではありません、念のため。個人的には、「図書館」とかのキーワード登録のほうが、ぼくの趣味的に面白いものが拾えています。
ただ、日本共産党は市民活動をサポートするのに熱心な(気がする)ので、政治とは無関係な趣味の団体は、そこらへんどうなんだろうな、という気がします。
この件に関する自分の意見も少し書いておくと、監視される側が監視する側を監視するのも、監視する側が監視されるのに抗議をするのも、どちらもほどほどにもっともだと思いました。
(追記)
記号の分類は、大体こんな感じのようです。
「P」――日本共産党および「日本共産党系」と区分された労働運動・市民運動など。
「S」――社会民主党および「社会民主党系」と区分された労働運動・市民運動など。
「GL」――民主党および連合系労働組合、それに関連すると区分された市民運動など。
「CV」――上記に区分されない市民運動など。
「その他」――市民運動、個人、地方議会の動向など。
「NL」――「新左翼等」と区分された運動など。
これは以下の日記に続きます。
→愛・蔵太の少し調べて書く日記 - 自衛隊の行為は「監視活動」なのか「情報収集」なのか気になるアンケートなのだった