やっと「教科書検定意見撤回を求める県民大会」の決議文全文が見つかったので貼っておきます

 以下の記事から。
11万6000人結集 検定撤回要求 琉球新報〜沖縄の最新ローカルニュース

 文部科学省の高校歴史教科書検定沖縄戦における「集団自決」(強制集団死)の日本軍強制の記述が削除・修正された問題で、29日午後3時から宜野湾市宜野湾海浜公園で開催された「教科書検定意見撤回を求める県民大会」(同実行委員会主催)には11万人が参加、宮古八重山の郡民大会も含めると、県内外から11万6千人(主催者発表)が結集した。1995年10月21日の米兵による少女乱暴事件に抗議する県民大会(宮古八重山を含め9万人)を上回る復帰後最大の抗議集会となった。検定意見撤回と記述回復を求める決議を満場一致で採択。県民の声を追い風に、実行委員会は10月15日に上京し、福田康夫首相や渡海紀三朗文科相らに要請する意向。
 仲井真弘多知事は国への要請行動に参加する方向で、週明けに日程調整に入る。
 宮古八重山大会参加の5市町村長を除く全36市町村長が大会に参加。舞台では市町村長のほか、県選出・出身国会議員、県議、市町村議会議長らが並んで座った。
 諸見里宏美県PTA連合会長の「県民へのアピール」に続き、仲里利信大会実行委員長(県議会議長)、仲井真知事があいさつ。仲井真知事は「『集団自決』の日本軍の関与については、当時の教育を含む時代状況の総合的な背景や手りゅう弾が配られるなどの証言から覆い隠すことのできない事実である」と強調。県民の要請を受け入れない文科省を「極めて遺憾」と批判し、「県民を代表する者として、今回の文科省の検定意見に対して強く抗議し、遺憾の意を表明するとともに、検定意見が速やかに撤回され、記述の復活がなされることを強く要望する」と訴えた。
 その後、中山勲県教育委員長や高校生、女性、各団体、青年代表があいさつした。渡嘉敷島の「集団自決」の生き残りの吉川嘉勝渡嘉敷村教育委員長、座間味島の「集団自決」証言者の宮平春子さん(代読)が発言した。各大会とも最後は、検定意見撤回を目指し、11万6千人がガンバロー三唱で締めくくった。
 大会後の記者会見で仲里実行委員長は「県民の10人に1人が参加したことになる。国にとっても看過できない数字だ。これをもとに力強く検定意見の撤回を目指して頑張っていきたい」と大会成功を確認した。
 県民大会は実行委員会構成団体の22団体と、共催団体の247団体が開催した。

(9/30 9:50)

 この大会の決議文がどこにも見当たらなかったんですが、こんなところにありました。
沖縄県民大会決議全文中国新聞

沖縄県民大会決議の全文は次の通り。

   ×   ×   

 去る3月30日、文部科学省は、平成20年度から使用される高等学校教科書の検定結果を公表したが、沖縄戦における「集団自決」の記述について、「沖縄戦の実態について誤解するおそれのある表現である」との検定意見を付し、日本軍による命令・強制・誘導等の表現を削除・修正させている。
 その理由として同省は、「日本軍の命令があったか明らかではない」ことや、「最近の研究成果で軍命はなかったという説がある」ことなどを挙げているが、沖縄戦における「集団自決」が、日本軍による関与なしに起こり得なかったことは紛れもない事実であり、今回の削除・修正は体験者による数多くの証言を否定し、歪曲しようとするものである。
 このため、これまで口を閉ざしていた多くの体験者が、子どもたちに誤った歴史を教えることの危機感から、つらい体験や真実をようやく語り始めている。
 また、去る大戦で住民を巻き込んだ国内唯一の地上戦を体験し、一般県民を含む多くの尊い生命を失い、筆舌に尽くしがたい犠牲を強いられた県民にとっても、今回の削除・修正が到底容認できるものではない。そのことから、激しい怒りを示し、そのうねりは県内全体を揺るがす力となって、沖縄県議会での2度の意見書決議、41の市町村議会すべての意見書決議へと結びつき、さらには県内地方4団体や民間団体が相次いで文部科学省へ要請するなど、県民が一丸となって取り組む結果となった。
 これに対し、文部科学省は「教科用図書検定調査審議会が決定することであり、理解していただきたい」との回答に終始し、検定意見の撤回と「集団自決」に関する記述の回復を拒否し続けている。
 また、今回の教科書検定に際して、文部科学省はあらかじめ合否の方針や検定意見の内容を取りまとめた上で同審議会に諮問していること、諮問案の取りまとめに当たっては係争中の裁判を理由にし、かつ、一方の当事者の主張のみを取り上げていること、同審議会では「集団自決」の議論が全くなされていなかったことなど、新たな事実が相次いで判明したのにもかかわらず、依然として対応を改めようとしていない。
 教科書は未来を担う子どもたちに真実を伝える重要な役割を担っている。だからこそ子どもたちに、沖縄戦における「集団自決」が日本軍による関与なしに起こり得なかったことが紛れもない事実であったことを正しく伝え、沖縄戦の実相を教訓とすることの重要性や、平和を希求することの必要性、悲惨な戦争を再び起こさないようにするためにはどうすればよいのかなどを教えていくことは、われわれに課せられた重大な責務である。
 よって、沖縄県民は、本日の県民大会において、県民の総意として国に対し今回の教科書検定意見が撤回され、「集団自決」記述の回復が直ちに行われるよう決議する。

 平成19年9月29日

 9・29教科書検定意見撤回を求める県民大会実行委員会

(初版:9月29日16時52分)

 一応資料として掲載しておきます。
 このようなものも一応。
教科書検定に関する意見書沖縄県議会)

去る3月30日、文部科学省は、平成20年度から使用される高等学校教科書の検定結果を公表したが、沖縄戦における「集団自決」の記述について、「沖縄戦の実態について誤解するおそれのある表現である」との検定意見を付し、日本軍による命令・強制・誘導等の表現を削除・修正させている。
 その理由として同省は、「日本軍の命令があったか明らかではない」ことや、「最近の研究成果で軍命はなかったという説がある」ことなどを挙げているが、沖縄戦における「集団自決」が、日本軍による関与なしに起こり得なかったことは紛れもない事実であり、今回の削除・修正は体験者による数多くの証言を否定しようとするものである。
 また、去る大戦で国内唯一の地上戦を体験し、一般県民を含む多くのとうとい生命を失い、筆舌に尽くしがたい犠牲を強いられた県民にとって、今回の削除・修正は到底容認できるものではない。
 よって、本県議会は、沖縄戦の実相を正しく伝えるとともに、悲惨な戦争を再び起こさないようにするためにも、今回の検定意見が撤回され、同記述の回復が速やかに行われるよう強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
  平成19年6月22日
                                         
沖 縄 県 議 会


衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
文部科学大臣
沖縄及び北方対策担当大臣 あて

 ぼく自身のこの件に関する意見は、集団自決に関しては日本軍の「命令・強制・誘導」はなかったけれど「関与」はあったんだろう、という形で、教科書内には「関与」の語が復活して(政治的)決着がつくんじゃなかろうか、という予感です。
「集団自決」は日本軍の「関与」があったという感じで落ちつきそうな予感