『シャクルトンに消された男たち 南極横断隊』『江戸っ子気質と鯰絵』『虫食む人々の暮らし』

本日の読みたい本・おすすめ版(2007年8月あたり)。

南極横断隊の悲劇 シャクルトンに消された男たち

南極横断隊の悲劇 シャクルトンに消された男たち

★『シャクルトンに消された男たち 南極横断隊』(K.T.ルイス 著 奥田 祐士 訳/文藝春秋/2,000円)【→amazon
本隊の食糧基地設営のため南極を逆から極点にむかった男たちがいた。ロス海支隊―。彼らは任務完遂の後、その帰路で力尽きた。英雄伝説の陰に消えた男たちの極限ドラマ。
江戸っ子気質と鯰絵 (角川学芸ブックス)

江戸っ子気質と鯰絵 (角川学芸ブックス)

★『江戸っ子気質と鯰絵』(若水 俊 著/角川学芸出版/1,575円)【→amazon
安政の大地震直後に誕生した鯰絵は、滑稽と風刺に満ちており、当時の江戸っ子に大歓迎された。大地震に見舞われた江戸っ子は恐怖を笑いで吹き飛ばしたのだ。しかし、人々を熱狂させた鯰絵はあっという間に姿を消してしまう。謎につつまれた鯰絵が生み出された背景とその人気の秘密を、江戸の庶民文化の成熟や江戸っ子享質などの視点で探った意欲作。
虫食む人々の暮らし (NHKブックス)

虫食む人々の暮らし (NHKブックス)

★『虫食む人々の暮らし』(野中 健一 著/日本放送出版協会/1,019円)【→amazon
東南アジアの田んぼで、アフリカのブッシュで、岐阜の森で、世界中の人たちが、顔をほころばせて昆虫を味わっている。虫を採り、食すことで、生命と環境に五感で触れているのだ。バッタを狙い、カメムシを買い求め、ヘボを愛する中で、カラハリ砂漠の子どもは狩猟民として生きていく術を学び、ラオスの人は都市化で消えゆく「野生」を取り戻す。つまり昆虫食とは、自然と対話して恵みを得る智恵なのだ。日本中、世界中の昆虫食を追って旅してきた著者が描く、昆虫と人間が相互に深く交わる、豊かで美味しい営みの姿。