『猫の大虐殺』『そして世界に不確定性がもたらされた ハイゼンベルクの物理学革命』『「新宿コマ」座長たちの舞台裏 伝説の音響技師が語る大物歌手・芸人の真実』

本日の読みたい本・おすすめ版(2007年10月あたり)。

猫の大虐殺 (岩波現代文庫)

猫の大虐殺 (岩波現代文庫)

★『猫の大虐殺』(ロバート・ダーントン/[著] 海保真夫/訳 鷲見洋一/訳/岩波書店/1,260円)【→amazon
一八世紀初頭のある日、パリの労働者街の猫がのこらず殺された、と記す印刷職人の手記は、何を物語るのか。史料の奥底に隠された大革命以前の人びとの心性に、わずかな手がかりをもとに犯人をつきとめる名探偵のような鮮やかな推理で迫る。社会史研究の先駆的達成と評価される原書から、中核的論文四本を抜粋して収録。著者自身による解説も兼ねた「第三版への序文」を付す。
そして世界に不確定性がもたらされた―ハイゼンベルクの物理学革命

そして世界に不確定性がもたらされた―ハイゼンベルクの物理学革命

★『そして世界に不確定性がもたらされた ハイゼンベルクの物理学革命』(デイヴィッド・リンドリー/著 阪本芳久/訳/早川書房/1,890円)【→amazon
1927年、若きドイツ人物理学者のハイゼンベルクは、量子力学の根幹をなす「不確定性原理」の考え方を初めて世に送り出した。すなわち、因果律に従い完璧に予測されるものだと考えられていた世界が、偶然と確率と可能性に支配された不正確なものに代わってしまったのである。これはあまりにも革新的な概念だった。当時すでに著名な科学者であったアインシュタインはこの原理を認めようとせず、また、ハイゼンベルクとその師ボーアとの間にも確執が生まれた。科学界だけではなく、文学や哲学にも大きな波紋をよんだ。だが、量子論と不確定性の考え方は、ある日突然現れたものではない。浮遊した微粒子がランダムに動くブラウン運動など、19世紀には不規則で統計的な現象の存在が明らかになっていた。また、第一次大戦後、敗戦国の屈辱を味わっていたドイツには、科学者の間にも決定論的な運命を認めたくないという向きが強まっていた。あとはただ一人の若き秀才の登場を待つのみだったのである。世界を揺さぶった不確定性の概念と、それをめぐる著名な科学者たちの人間ドラマとをみごとに描き出した、渾身の科学ノンフィクション。
「新宿コマ」座長たちの舞台裏 伝説の音響技師が語る大物歌手・芸人の真実

「新宿コマ」座長たちの舞台裏 伝説の音響技師が語る大物歌手・芸人の真実

★『「新宿コマ」座長たちの舞台裏 伝説の音響技師が語る大物歌手・芸人の真実』(渡部清/著 小菅宏/聞き手/講談社/1,470円)【→amazon
美空ひばり島倉千代子北島三郎越路吹雪藤田まこと都はるみ山口百恵らの知られざるエピソード…。新宿コマ劇場の座長として多くの観客を集める歌手・芸人と仕事を共にした音響技師が初めて語りおろす。昭和の芸能界を支えてきた新宿コマ劇場関連年表付き。