まさか「兄の人生の物語」をリアルだと思って読む人がそんなにいようとは

 これは以下の日記の続きです。
id:asianshore氏の文章テクニックに畏怖する
 
(追記)
 見出しは「まさか「兄の人生の物語」を実際にあったことだと思って読む人がそんなにいようとは」に変えたほうがいいかな、と思った。「リアル」という言葉を「現実感のある(現実感のあるフィクション)」という意味で使っている人がいるのか。以下のテキスト参照→「この話はリアルだ」という場合の「リアル」について
 
 あとでブックマークのコメントいろいろ変える人も出てくるかもしれないけど。
はてなブックマーク - 兄の人生の物語 - ロハスで父が死にました

2007年12月10日 threelarge 家族, 感想 いまは亡き自閉症の身内を思い出した/テキスト読んで思わず泣きそうになった。/創作だろうが実話だろうがどうでもいい。
2007年12月10日 o_o_o_o 読み物, 障害, 家族, 日常, はてな 更新日時2007-12-09 佐山 27歳による日記 「弟」視点で語られる医者に「高校には行けないでしょう」と宣告された「兄」と、その「母」と「父」と「私」の記述 フィクションか否かは不明
2007年12月10日 KoshianX 障害者と健常者の狭間、病気と健康の狭間って苦しいんだよね、本人も周りも。創作とも現実ともつかない話だけど、その狭間の苦しみがよく出てると思う
2007年12月10日 nitino 読み物 とてもよかった
2007年12月10日 esbee ぜひ読むべき
2007年12月10日 uxoru 家族 最後の一言に感動
2007年12月10日 qinmu 名文。泣きそうになった。
2007年12月10日 satehasateha 言葉がでない。

 まぁ初期の感想はこんな感じ。
 後半のほうはもっとクールです。

2007年12月11日 kameda007 はてな文芸部 書くということはこういうことか。これで感動している人たちもどうかしていると思うよ。3週間もボラしたらこの文章がどういうものかわかると思うが。

 メタブックマークはもっとクール。
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2007年12月10日 gnt fuck なんつーか、こんなクソリアル風が受けちまってasianshore氏も痛し痒しだな。ケータイショーセツを笑えるのかブクマ村民は。

2007年12月10日 y_arim メタブクマの翼, なんとかホイホイ まあほかのエントリも読めばこのテキストがどういう性質のものかわかるんだけど、ブクマの普及でみんな当該エントリひとつしか読まなくなったからなあ。だから普段悪評高い人にある日高評価のブコメが殺到したりも。

 まったくケータイ小説を笑えないですね。
 以下のところから。
asianshore氏のブレイクに関する私見 - gomisの日記

感動させようとか、障害者の生活を寓話化して表現しよう、とは考えてなかった、そして残念ながらネタとしては高度すぎて(自分も含め)ちゃんと笑える人が少なかったというだけであると。

bogusnews*3がリアルっぽい(ネタと分かりにくい)嘘エントリをあげる
はてブ※で感動したの嵐
→『いやこれbogusnewsでしょ?実話だと思ってる人もいるし』
→「実話じゃなくてがっかり」という感想
→『いやだからこれbogusnews
→「△をテーマとした創作としては○○の描写が甘い。勉強不足」という批判
→『だからねbogus(ry』←いまここ

 実にケータイ小説の「リアル」解釈と似てるなぁ。
 ところでぼくは純粋に、ツクリモノとして楽しみました。ツクリモノの中にどの程度実体験が入っているかは不明なんですが、ぼくとしてはid:asianshore氏が「こういうリアルを書いたら受ける(より多くの読者にテキストを読んでもらえる)」と判断することが、マイナスにはあまりならないように思えました。「もっとこういうのを書いて欲しい」という読者側の要望を、いかに直球として受け止めないで、ひとひねりしたモノを出すか、今後の創作物にちょっと興味を持っています。うまく育ったらO・ヘンリーみたいな感じになりそうな気がして。
 商売として、という言いかたはアレなんですが、読者を増やす手として「リアルな感動」は確かに使えるわけで、たとえば作家と編集者の打合せとして、
作家「どんな話がいいですか」
編集者「泣かせる(感動させる)話」
という問答は、
編集者「売れる話」
という問答以上に想定できます。
 最近、というか昔から、ミステリーはともかくSFファンはそういうのばっか。だから『アルジャーノン』とか『夏への扉』とかそういうのは売れても、ラファティやウィリアム・テンなんてすぐ見かけなくなってしまう。泣かせる話ならクリフォード・D・シマックをもっと売ってよ(余談)。
 ところで、ミステリーで泣かせる・感動させる話って何かありましたっけ。『永遠の仔』とかか。少し古いな。『葉桜の季節に君を想うということ』もそんな要素あった。やっぱジャンル小説でも、アイデア(SF)やトリック(ミステリー)以上に、「感動」というのは、売るためにちょっと使えるテクニックなんだ。
 
 これは以下の日記につづきます。
「この話はリアルだ」という場合の「リアル」について