『マイケル・ファラデー 科学をすべての人に』『小林秀雄の恵み』『疫病と世界史』

本日の読みたい本・おすすめ版(2007年12月あたり)。

マイケル・ファラデー―科学をすべての人に (オックスフォード科学の肖像)

マイケル・ファラデー―科学をすべての人に (オックスフォード科学の肖像)

★『マイケル・ファラデー 科学をすべての人に』(コリン・A.ラッセル/著 須田康子/訳/大月書店/1,890円)【→amazon
1804年、13歳で書店兼製本屋の師弟となり、そこで出会った本をきっかけに科学の道を志す。電気と磁気の科学の開拓者としての数々の発見とともに、『ロウソクの科学』としていまも読みつがれるクリスマス講演などを立ちあげ、市民や子ども向け科学講演の基礎をつくったファラデーの業績と生涯。
小林秀雄の恵み

小林秀雄の恵み

★『小林秀雄の恵み』(橋本治/著/新潮社/1,890円)【→amazon
ベルグソン論「感想」を中断した小林秀雄が、63歳から11年間、まさに「晩年の仕事」として、人生のすべてを賭けるように書き継いだ『本居宣長』。本居宣長こそ、日本における「学問する」知性=近代の始まりだと小林秀雄は考え、その宣長に自分を重ね、ひそかに生涯を振り返ったのではないか?37歳で読んだこの本に震えるほど感動したことが、日本の歴史・古典と格闘する作家、橋本治を生みだした。小林秀雄という存在を、人生に「学問」という恵みを与えてくれる人として新たに読み解いてゆく愛のある論考。
疫病と世界史 上 (中公文庫 マ 10-1)

疫病と世界史 上 (中公文庫 マ 10-1)

★『疫病と世界史 上』(ウィリアム・H.マクニール/著 佐々木昭夫/訳/中央公論新社/1,200円)【→amazon
アステカ帝国を一夜にして消滅させた天然痘など、突発的な疫病の流行は、歴史の流れを急変させ、文明の興亡に重大な影響を与えてきた。紀元前五〇〇年から紀元一二〇〇年まで、人類の歴史を大きく動かした感染症の流行を見る。従来の歴史家が顧みなかった流行病に焦点をあてて世界の歴史を描き出した名著。
疫病と世界史 下 (中公文庫 マ 10-2)

疫病と世界史 下 (中公文庫 マ 10-2)

★『疫病と世界史 下』(ウィリアム・H.マクニール/著 佐々木昭夫/訳/中央公論新社/1,200円)【→amazon
かつてヨーロッパを死の恐怖にさらしたペストやコレラの大流行など、歴史の裏に潜んでいた「疫病」に焦点をあて、独自の史観で現代までの歴史を見直す名著。紀元一二〇〇年以降の疫病と世界史。「中国における疫病」を付す。詳細な註、索引付き。