『大江戸異人往来』『モーツァルトの息子 史実に埋もれた愛すべき人たち』『時計じかけのハリウッド映画 脚本に隠された黄金法則を探る』

本日の読みたい本・おすすめ版(2008年2月あたり)。

大江戸異人往来 (ちくま学芸文庫)

大江戸異人往来 (ちくま学芸文庫)

★『大江戸異人往来』(タイモン・スクリーチ/著 高山宏/訳/筑摩書房/1,050円)【→amazon
「異人」の身体は、江戸時代の日本人にとって「思想の黒船」だった。人々は旺盛な好奇心をフル回転させて「異人」を見、イメージを膨らませ、描き残した。長崎出島のオランダ商館長がみな異様に太って描かれているのはなぜか。シーボルト肖像画の余白からこちらを見つめる大きな目は何を表していたのか。「心臓」を見せる解剖術が大流行した世相の背景に何があったのか。鎖国といわれた時代を舞台に、「異人」=「他者」の身体との出会いと、彼らが携えてきた科学・技術の衝撃が、日本人に何をもたらしたのかを、江戸学の鬼才が抱腹絶倒のエピソードを重ねて語る、異色の美術史。
モーツァルトの息子   史実に埋もれた愛すべき人たち (知恵の森文庫)

モーツァルトの息子 史実に埋もれた愛すべき人たち (知恵の森文庫)

★『モーツァルトの息子 史実に埋もれた愛すべき人たち』(池内紀/著/光文社/720円)【→amazon
モーツァルトには6人に子供がいた。父に劣らず音楽的な才能に恵まれていた四男は14歳でデビューを果たす。モーツァルト2世はその後…。18世紀のウィーン、しがない小役人の名前をオーストリア帝国で知らない者はいなかった。彼が国中の建物などに自分の名前を「落書き」したからである。実在しながらも歴史の中に消えていった30人の数奇な運命を描く。
時計じかけのハリウッド映画―脚本に隠された黄金法則を探る (角川SSC新書)

時計じかけのハリウッド映画―脚本に隠された黄金法則を探る (角川SSC新書)

★『時計じかけのハリウッド映画 脚本に隠された黄金法則を探る』(芦刈いづみ/著 飯富崇生/著/角川SSコミュニケーションズ/798円)【→amazon
開始から終了まで、何分で何が起きて、どんな展開になるのか…。実はハリウッド映画の進行は、ほぼ全て決まっている。コメディからアクション、サスペンスに至るまで、ジャンルを問わず、一定の法則が当てはまるのだ。これは、ハリウッド映画が歴史を経て巨大産業へと発展する過程でつかんだ黄金の法則といっていい。緻密に計算された設計図が、ハリウッド映画の脚本の中には隠されているのである。脚本の構造が分かるようになれば、映画鑑賞は10倍楽しくなる。