ITサービス提供業は雇用を増大させないところが頼りない

 「頼りない」を「うさんくさい」とか「残念だ」とかに変えてもいいんですが。
 たとえば、すごいトースター(パン焼き器)を作る技術者が、その技術で儲けようと思うと、その「生産」と「販売」の両方で儲けようと思う人間(グループ)と組まないと無理なわけなんですが、「はてな」のサービスみたいなもの(IT関係サービス)では、別にモノを売っているわけではないので、生産・流通・販売に携わる人が必要になってこない。小説家が小説を直販したり、ミュージシャンが音源を直販しているようなものですか。だから、クリエイター(創造的エンジニア)の雇用が生まれるだけ。それもとても少数の。銚子で煎餅焼いてる商売だって、はてなの社員数ぐらいは直接的・間接的には必要なわけで、全国的にすごい商品を売るに当たって、数十名の社員数しか必要としない産業なんて、ちょっと信じられない。
 前にも言ったことですが、現在のIT産業(ITサービス提供業)は、広告代理店に類似した形式でしか金の回りを得ることができない、という点において、いろいろなサービスが今後も生まれるでしょうが、製造業その他が「広告」に流す金以上の金をどんどんそういう方面に流すとはあまり思えないのですね。
 参考リンク。
Web 2.0なんてせいぜい「新しい広告媒体」と「その代理店」を作るだけのシステム