『静かな大地 松浦武四郎とアイヌ民族』『西鶴という鬼才』『若者が主役だったころ わが60年代』

本日の読みたい本・おすすめ版(2008年2月あたり)。

静かな大地―松浦武四郎とアイヌ民族 (岩波現代文庫)

静かな大地―松浦武四郎とアイヌ民族 (岩波現代文庫)

★『静かな大地 松浦武四郎アイヌ民族』(花崎皋平/著/岩波書店/1,260円)【→amazon
幕末の蝦夷地を十数年間も探検・調査し、アイヌ民族の風俗・文化を記録する中で和人による虐待を告発した松浦武四郎。大地に根を張り、固有の習俗を育んできたアイヌ民衆の輝きとは何か。なぜ彼らは抑圧の下で呻吟することを強いられているのか。記録者としてアイヌ民族の受難に向き合うなかで、自己変革を遂げていく松浦を描き出す入魂の評伝。
西鶴という鬼才―新書で入門 (新潮新書)

西鶴という鬼才―新書で入門 (新潮新書)

★『西鶴という鬼才』(浅沼璞/著/新潮社/714円)【→amazon
一日で二万句を詠み、十年で三十の人気作を著した元禄の鬼才・井原西鶴。醒めた眼で金銭を語り、男と女の交情をあますところなく描く。芸能記者にして自らも芸人、そしてエンタメ作家として人気を博した。評伝的史料は極めて少なく、実在さえ疑われることもあるけれど、芥川や太宰をはじめ数多くの作家と読者を今も魅了しつづける。仕事と人生を「鬼のような心」で全うした謎多きマルチタレントの実像に迫る。
若者が主役だったころ―わが60年代

若者が主役だったころ―わが60年代

★『若者が主役だったころ わが60年代』(色川大吉/著/岩波書店/3,150円)【→amazon
一九六〇年代、人々はなお貧しくても前途に希望をもって生きていたし、学生や若者たちが歴史の前面に出て主役を演じていた時代であった。戦後復興が終わった一九五六年から六八年まで、安保、オリンピック、高度成長、文革ベトナム戦争、学園紛争と激動する時代を、同時代史と切り結んだ痛覚から生々しく描き出す。