「毎日新聞まとめWiki」の変態記事翻訳はあれで正しいの?

 とりあえず、こんな記事が出まして、
英文サイト出直します 経緯を報告しおわびします毎日新聞社

 毎日新聞社は2008年7月20日、朝刊1面と特集面(22、23面=東京本社発行版)に英文サイトのコラムに関するおわびと内部調査結果などを掲載しました。1面掲載のおわびと特集面掲載のおわび(補足)は以下の通りです。その他の関連記事全文と紙面PDFについては、ページ下部にリンクを設けています。また、英訳は「毎日デイリーニューズ」に掲載しています。会社案内などは画面右上の「毎日新聞社トップページへ」からお入りください。
 
2008年7月20日
英文サイト出直します 経緯を報告しおわびします
 
 毎日新聞社は英文サイト「毎日デイリーニューズ」上のコラム「WaiWai」に、極めて不適切な記事を掲載し続けていました。内部調査の結果を22、23面で報告します。日本についての誤った情報、品性を欠く性的な話題など国内外に発信すべきではない記事が長期にわたり、ほとんどチェックなしで掲載されていました。多くの方々にご迷惑をおかけしたこと、毎日新聞への信頼を裏切ったことを深くおわびいたします。監督責任を問い、総合メディア事業局長だった渡辺良行常務らを20日付で追加処分しました。
 皆様からいただいた多くのご批判、ご意見や内部調査で分かった問題点、有識者による「開かれた新聞」委員会の指摘を踏まえて再発防止のために次の措置を講じることにしました。
 8月1日付で「毎日デイリーニューズ」を新体制に組み替え、新編集長の下で9月1日からニュース中心のサイトに刷新します。新たに社説や「時代の風」など著名人による評論を翻訳して掲載し、海外の日本理解を深めるべく努めます。同時に西川恵専門編集委員を中心にベテラン国際記者らによるアドバイザリーグループを新設し、企画や記事の内容をチェックする体制をとります。
 今回の問題で失われた信頼を取り戻し、日本の情報を的確に海外に発信する英文サイトを再建するため、全力を尽くす決意です。
 
毎日新聞社
 
再発防止へ体制強化 深刻な失態 教訓にします
 
 毎日新聞社が英文サイト「毎日デイリーニューズ」(MDN)上のコラム「WaiWai」に不適切な記事を掲載し続けたことは報道機関として許されないことでした。日本についての誤った情報、品性を欠く性的な話題など、国内外に発信するにはふさわしくない内容でした。多くの方々に不快感を与え、名誉を傷つけ、大変なご迷惑をおかけしたこと、同時に毎日新聞への信頼を裏切ったことについて、深くおわびいたします。まことに申しわけありませんでした。
 内部調査の結果、問題のコラムは掲載の際にほとんどチェックを受けず、社内でも問題の大きさに気づかずにいたことがわかりました。何度もあった外部からの警告も放置していました。いずれも深刻な失態であり、痛恨の極みです。これに関連して関係者を内規に従い、厳正に処分しました。
 毎日新聞社は紙面の品質を維持するため社内に紙面審査部門を置き、有識者による第三者機関「開かれた新聞」委員会を設置して紙面の質向上に努めてきました。しかし、英文サイトで起きた今回の問題には目が届きませんでした。品質管理の仕組みが不十分でした。海外にニュースを発信する英文サイトの役割について十分な位置付けができていませんでした。
 今回、内部調査の結果や皆様からのご意見も踏まえて再発防止のための措置を決めました。
 MDNを刷新するのは、海外に向け正しい日本理解の素材を発信するサイトとして立て直すためです。また、今回のような配慮のないコラムが掲載され続けたのは、チェック体制の欠陥に加え、女性の視点がなかったことも一因という反省から、新たな編集長には女性を置くことにしました。アドバイザリーグループの新設も記事内容に対する適切な助言を得るためです。
 「WaiWai」は既に閉鎖しておりますが、過去の記事を転載しているサイトなどが判明すれば、事情を説明し、訂正や削除の要請を続けていきたいと思います。
 今回、初めて英文サイトについての見解を求めた「開かれた新聞」委員会の委員の方々には貴重なご意見をいただきました。今後も、英文も含めたウェブサイトについて目配りしていただきます。同時に社外からのご意見に対処する仕組みも強化します。
 今回、毎日新聞社は、英文サイトをジャーナリズムとしてきちんと位置づけていたのかという姿勢が問われました。この問題で失われた信頼を取り戻すため、全力を尽くす決意です。
 
毎日新聞社

 その他のテキストも載ってますが、いつまで残っているか不明なので、とりあえずトップだけ。
 で、それに対して、たとえば池田信夫さんなどはこう言ってるのですが、
毎日新聞はもう終わってるよ - 池田信夫 blog

WaiWai問題について、毎日新聞が3ページにわたる謝罪の社告を出した。しかし肝心の記事をまったく引用しないでひたすらおわびするだけで、執筆した元編集長、Ryan Connellも、休職処分で雲隠れしたままだ。問題はこのコラムが「品性に欠けていた」ことではなく、欧米人の日本人に対するステレオタイプの人種的偏見を表現していたことだ。Wikiに残っている代表的な記事は次のようなものだ:

サイゾー(8月号)によると、世界に対して真珠湾攻撃とレイプ・オブ・ナンキンを行った後継者の政府が、タカ派的なテディベアのぬいぐるみを持ったメイド服を着るかわいこぶった少女漫画キャラクターを使って、日本の防衛政策の簡単な説明をさせるという。近年、多くの政府機関が、彼らの活動を広報するために、ペドフィル(小児性愛)ギリギリのマンガキャラクタを使っている。

サイゾー編集部は、この強調部分の記述が元の記事には存在しないと毎日新聞社に抗議した。これは日本軍の戦争犯罪を性犯罪と同一視して人種的偏見をあおる点で、Wikipediaと同質だ。こうした人種差別=性差別は、Connellのような祖国で通用しない三流ジャーナリスト(本人は「母国での就職難のため来日した」と告白している)や、欧米人の人種的偏見に迎合して「一級市民」として認めてもらおうとするマイク・ホンダノリミツ・オオニシのようなB級日系人が流しているものだ。

 で、サイゾーの抗議(?)文。
毎日新聞が引用したとされる『サイゾー』記事について : 日刊サイゾー

毎日新聞が引用したとされる『サイゾー』記事について
 
 先日、Yahoo!ニュースに掲載された『毎日新聞英語版サイト 「変態ニュース」を世界発信』の記事内に以下のような記述がありました。

 さらに、07年7月に配信した「防衛省の『ロリータ』漫画キャラクターでその内実が明らかに」という記事では、
 「サイゾーによれば、パールハーバー南京大虐殺の後継である政府省庁が、テディベアを持ってメイド服を着たかわいらしい漫画の少女キャラクターに日本の防衛策を説明させるようになった。最近では、キワどい幼児性愛漫画のキャラクターを使って政策をアピールする政府機関が増えているが、そのなかでも防衛省の少女キャラクターはオタクを引きつけている、と同誌は言っている」
 
と紹介。そもそも「サイゾー」にこんな内容の記事が掲載されたとも思えない。

 これについて、編集部には「サイゾーは本当にこんなことを書いていたのか?」などの問い合わせが多数寄せられているため、サイゾーでは以下に当該記事の全文を掲載します。(記事全文はこちらから)

 『サイゾー』2007年8月号 p40より
 
萌え系オリジナルキャラが防衛省企画で大活躍中!
 
 ここ数年の「萌え」の流行と普及により、なんと行政機関や公的キャンペーンのマスコットとしても、萌え系美少女キャラが起用されるケースが散見されるようになっている。特に、警察・自衛隊関連の企画での美少女キャラクターが、その内容と絵柄のアンバランスさでオタクたちの間で話題だ。
 中でも注目なのが、防衛省の指導により、一般市民に防衛思想の普及を促す目的で発行されている「まんがで読む防衛白書」シリーズ。この平成17年度版が、「ロリータ服に身を包んだツインテールの少女が、ぬいぐるみのくまに向かって暴力を交えながらタカ派思想をぶちまける」というシュールな内容で、一部ブログで大変な反響を呼んだ(ちなみに、くまはハト派)。
 口コミで人気が広がり、秋葉原の書店でも平積みにされ、2刷、3刷と版を重ねた同書は、当然18年度版も同じ漫画家・同じ路線での続投かと思われたのだが……。冊子を発行した(財)防衛弘済会出版部の磯尾氏によると、「出版権を入札で他社に取られてしまったんです。しかし、人気の作品だったのでこのまま終わらせるのは惜しいということで、『17年版』の漫画家さんにお願いし、同じキャラクターで防衛理解に役立つ漫画本を描いてもらいました」。それが今年1月に発行された『平和の国のネバーランド』だ。こちらも順調に売り上げを伸ばしているという。
 「堅い内容だが、親しみやすいキャラクターで子どもや若者にアピールしたい」という至極まっとうな目的に、いま最も的確に応えられるのが、「萌えキャラ」なのかもしれない。 (越智灯子)

 「サイゾー」の記事は以上となります。毎日新聞内に掲載されたという英文記事の原文は削除されているため、サイゾーの記事がどのように引用されていたかは確認できませんが、少なくとも「パールハーバー南京大虐殺の後継」といった表記が「サイゾー」記事内には存在しないことを、ここに明記しておきます。

 ちょっと「サイゾー編集部は、この強調部分の記述が元の記事には存在しないと毎日新聞社に抗議した」という事実は確認できませんでした(サイゾー編集部は、そんなことは記事にはしていない、と言っているだけ)。
 『毎日新聞英語版サイト 「変態ニュース」を世界発信』の元記事はJ-CASTのこの記事だと思いますが、
J-CASTニュース : 毎日新聞英語版サイト 「変態ニュース」を世界発信

毎日新聞英語版サイト 「変態ニュース」を世界発信
2008/6/20 コメント(152)

 「ファーストフードで女子高生が性的狂乱状態」「防衛省の『ロリータ』漫画キャラクターで内実が明らかに」――なんと毎日新聞の英語版サイトでこんな驚くべき記事が配信されていた。中には「六本木のレストランで豚を獣姦し、その後食べた」という、目も当てられなくなるような「変態ニュース」もある。これらの記事は国内だけでなく、海外のネット上でも話題になっていた。
 
幼児性愛漫画のキャラクターを使って政策をアピール??
 
Mainichi Daily News」のなかにある「WaiWai」「2ちゃん並というか、2ちゃん以下だな」「毎日ひでえな」
 毎日新聞の英語版ニュースサイト「Mainichi Daily News」にあるコーナー、「WaiWai」が過去に配信した記事に、こんな指摘がインターネット上で相次いでいる。
 例えば、07年9月に配信したニュースにはこんなものがある。
 「コックと野獣、ふしだらさとそれを愛する者」と題された記事では、東京・六本木に富裕層向けのレストランが登場したことを紹介。Mなる人物が「実話ナックルズ」という雑誌に語ったというその内容を参考にしているようなのだが、このレストランで、弁護士がメスの豚を獣姦し、のちにそれと同じメス豚が料理としてその後出てきた、という、おぞましい内容になっている。
 さらに、07年7月に配信した「防衛省の『ロリータ』漫画キャラクターでその内実が明らかに」という記事では、
サイゾーによれば、パールハーバー南京大虐殺の後継である政府省庁が、テディベアを持ってメイド服を着たかわいらしい漫画の少女キャラクターに日本の防衛策を説明させるようになった。最近では、キワどい幼児性愛漫画のキャラクターを使って政策をアピールする政府機関が増えているが、そのなかでも防衛省の少女キャラクターはオタクを引きつけている、と同誌は言っている」
と紹介。そもそも「サイゾー」にこんな内容の記事が掲載されたとも思えない。
 
「ご批判は謙虚に受け止め、削除しました」
 
 また「ファーストフードで女子高生が性的狂乱状態」という記事では、ファーストフードを食べると神経の中枢のコントロールできなくなりセックス依存症になるなどという説を紹介し、日本の女子高生の性の乱れを指摘。「お母さんたちは墜ちていく、成績を上げるために!」では、息子の成績を上げるために息子と性的な関係を勉強前に持つ母親のエピソードが紹介されている。これらのすべてが外国人記者の署名入りで書かれていた。約5年近くこうした「変態ニュース」を世界に発信し続け、これが海外のブログなどにも転載されており、まさに「変態な日本人」を世界にアピールすることになってしまった。
 毎日新聞社長室広報担当はJ-CASTニュースに対し、
「ご指摘の英文記事は過去に配信しておりました。ご批判は謙虚に受け止め、削除する措置を取りました」
と回答していている。
 一連の「WaiWai」の記事を巡っては「まとめサイト」まで登場し、毎日新聞社に抗議するよう呼びかけている。そこには、インターネットの匿名性を問題にした同社の『ネット君臨』という書籍の一文を引いて、こんな主張が展開されている。
「『ネット君臨』も書いている通り、ネットによって『一度つけられた傷は簡単には回復しない』(P76)のだ。日本国全体につけられた汚名に対し、いったい毎日新聞はどのような責任を取るつもりなのだろう」

 で、このまとめWikiになるわけですが、
毎日新聞の英語版サイトがひどすぎる まとめ@wiki - トップページ
毎日新聞の英語版サイトがひどすぎる まとめ@wiki - 「防衛省は‘ロリータ’マンガキャラクターを使って内部を明らかにする」

From the successor of the government ministry that gave the world Pearl Harbor and the Rape of Nanking now comes a cutesy little girl cartoon character dressed as a maid with a hawkish stuffed teddy bear to give a simple explanation of Japan's defense policies, according to Cyzo (August).
Growing numbers of government agencies have used borderline pedophile manga characters to promote their activities in recent years, but it's the Defense Ministry's little girl character that is attracting attention among Japan's otaku, the monthly says.
 
サイゾー(8月号)によると、世界に対して真珠湾攻撃とレイプ・オブ・ナンキンを行った後継者の政府が、タカ派的なテディベアのぬいぐるみを持ったメイド服を着るかわいこぶった少女漫画キャラクターを使って、日本の防衛政策の簡単な説明をさせるという。近年、多くの政府機関が、彼らの活動を広報するために、ペドフィル(小児性愛)ギリギリのマンガキャラクタを使っている。しかし、日本のオタクの間で注目を集めているのは、防衛省の少女キャラクターであると月刊誌は言う。

 池田信夫さんは「真珠湾攻撃とレイプ・オブ・ナンキンを行った後継者の政府」と引用し、またJ-CASTサイゾーでは「パールハーバー南京大虐殺の後継である政府省庁」としている翻訳テキストが間違っているのでは、という話。
 以下のところを参考に。
「毎日新聞の英語版サイトがひどすぎる」まとめ@wikiの翻訳がひどすぎる件

そもそも英語のゴシップ記事の翻訳はニュアンスが難しいから
仕方が無いのですが、このまとめサイトの印象操作された翻訳じゃ
原文を読んでない人が怒るのも理解できます。(爆w

印象操作でしょ、これは。(爆w

>that gave the world Pearl Harbor and the Rape of Nanking"
全文が"that gave the world"なんだからこの場合普通ガイジンにとって、
 
Pearl Harbor = ハリウッド映画のPearl Harbor
 
Rape of Nanking = アイリス・チャンの著書
 
のことを意味する。
 
ニュアンス的には皮肉っぽく:
 
この世にハリウッド大作映画、Pearl Harborとアイリス・チャンのベストセラーRape of Nankingを与えてくださったご先祖様を持つ日本の某省庁が、今度は日本の防衛政策の簡単な説明をしてくれるタカ派的なテディベアのぬいぐるみを持ったメイド服のかわいい少女漫画キャラクターを与えてくださった、とサイゾー(8月号)より。
 
皮肉ですのでこの場合のニュアンスは糞映画「Pearl Harbor」と糞本「Rape of Nanking」って感じかな。(w

他の翻訳も印象操作されまくってるけど
こんなのに騙されて乗せられてる連中は
日本人の英語能力と民度の低さを全世界に
アピールしてるだけなんですけど・・・(爆w

 ちょっと英語にそんなに自信がないので、とりあえず引用だけしておきます。
 ただまぁ、元テキストに当たっておくのも意味があるのでは、という感じです(元テキストは実際のところ消滅しているので、本当にこの英文が元テキストかどうかは不明ですが)。他にもいろいろあるかもしれない。
 しかし、元テキストの引用・翻訳の解釈次第では、池田信夫さんの「日本軍の戦争犯罪を性犯罪と同一視して人種的偏見をあお」っている、という主張も、少し違ってくるので、気になりました。
 オレモナー